表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを無双する。  作者: 可燃物


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/98

神さま、首を傾げる。

ご覧頂きありがとうございます。


一気見をして下さった方がいらっしゃるようで!

嬉しいです*♬೨̣̥

執筆の励みになります♬⋆.˚


いくらカノンがイイ奴だと分かっていても。


他人にべらべら喋るような奴ではないと分かっていても。



過去の全てを語る日は、永遠に来ないだろう。



琥珀(こはく)が何を、どれだけどこまで話をしたかは知らない。


だが彼が知っている事ですら、ほんの、極僅かな欠片でしかない。



何よりも、彼はあくまで、第三者だ。

ソレ等の事実は、人伝に聞いた情報でしかない。



ソコに俺の感情は、伴っていない。

苦痛も怨嗟も、絶望も厭世も排除されている。



俺のいない所でコソコソ話していたと知った所で、大して問題には思わない。



当時の事を教えろと言われれば、カノンになら、まぁ、教えても構わないが……


それでも断片的な、一部しか言えないと思う。



俺が語るのも思い出すのもイヤだから、という理由はある。



だがそれ以上に、全てを知ったら、優しい彼は気にしてしまうと、そう思うから。



腫れ物を触るみたいに接されるのなんて、ご免だ。



俺はガラス細工でも、人形でもない。


人間だ。



飾って愛でられるだけの、意思のない、ガラクタじゃない。


……ましてや、誰かの代用品なんかじゃない。



この世で最も嫌っている男の顔が思い浮かぶ。



拳を強く握り締めたせいで、手のひらに血が滲んだ。


カノンにバレないよう、そっと「スキル」で傷を塞いだ。






大事を取るべきだと言われ、患者達にフルーツジュースの差し入れに行くのは却下された。



もう産まれたての子鹿みたいな状態からは脱したのに。


過保護なヤツめ。



瑞基達からは聞けないような、オプスクリス開拓村の問題点や、村長や瑞基に対する不平不満を含めた評価等、情報収集をするには最適な場だったのに。



会話に飢えているオバチャン達と、それはそれは有意義な時間を過ごさせて貰ったよ。


ただ看護をするだけ手間の掛かる事、俺がするワケ無いじゃん。



だがカノンには再度却下された。


「俺が代わりにしてくる」と言うが、コミュ障が何寝言を言っているのか。


オバチャントークの勢いに押し負ける事無く、欲しい情報を聞き出す事が、果たしてお前に出来るかな?



それは関係なく、ろくに食べられない中、栄養不足のままいると、薬を飲んでも充分な効果が得られない。


カノンも重々理解している。



しかしセルフサービスにさせて貰って、届けるだけにしたとしても、その間に何かあったらと考えると、離席するのは避けたいようだ。


心配性なヤツめ。



……まぁ、そうさせるに至ったのは、俺が村長に着いて行ったからなのだが。



こういう時に、精霊なのに肉体のある琥珀(こはく)が出て来られると便利なんだよな。



先程助けてくれた時に、姿を見せたのは完全なイレギュラーだものね。


これ以上は頼ってはいけない。



他の皆にも、早く肉体を作ってやりたいな。

約束もしているし。


皆の利便性がより高くなると、俺も助かるからね!






そんな不敬な事を考えていたら、慌てた様子で瑞基が部屋に飛び込んで来た。


「見付かったのですか!?」


「ぁ……

 今しがた、落ち着いて、呼びに行こうと思っていた所だ」



カノン?

お前今、小さく「あ」言うただろ。



俺を探して奔走してくれていたであろう人に対して、なんて不義理なヤツだ。


イヤ、俺が話なんて始めてしまったせいか。



瑞基に確認してから話すべき事もあったのだから、先走るべきではなかったな。


落ち着いたと思ったけれど、まだ動揺していたか……



「お騒がせして、申し訳ありませんでした」


「こちらこそ、村の者が……その……」


「未遂、ですよ。

 ご安心を。


 それに……こう言ったらカノン()に睨まれそうですが、収穫が幾つかありましたし、私は村長の部屋に行って良かったと思ってます」



青い顔をして口ごもった瑞基に笑いかければ、非常な複雑そうな顔をされた。



そしてカノンには、予想していた以上に睨まれ凄まれ、とんでもない顔をされた。


だが実際、結果的には、割と本気で襲われて良かったと思ってる。



どのタイミングになるかは不明だったが、カノンが村長の部屋に来る事は予想していたし。


書き置きを残しておいたからね。






俺の予定では、瑞基の奪われた日記を見せて貰って「スキル」でコピーした後、原本を四次元ポシェットに確保し、偽物を村長に返す。


そのつもりだった。



ソレの対価として押し倒される可能性はあるよなと思っていた。


セリアから村長は色狂いだと聞いていたし。

……ソコまでは言ってなかったか。



だがまぁ、何だかんだと言いくるめ、話題を逸らし時間を稼いで、だいたい押し倒される前後のタイミングで、カノンが来てくれるだろうと予測していたのだ。



村長が思ったよりもケダモノだったせいで、話をする間も、何の前振りもなく襲われてしまい、ひん剥かれてしまったが。



頭蓋骨の中身が金タマで出来てるんじゃなかろうか。


サルの方が、余程理知的だぞ。



まぁ、余程高揚していたのだろう。


隠し事までポロッとゲロってくれたので、俺としてはソレだけでプラスになったと思っている。



その上、取り戻すべき物も、ひとつだけだが手に入った。



見覚えのある文字がタイトルに書かれている、一冊の大学ノートである。



「それは……っ!」


「瑞基様の盗られた物は、コチラで合っていますか?」


「そのうちの一冊で、間違いない!

 あぁ……ありがとう」


瑞基は感極まったように目を潤ませながら、差し出したノートを抱え込んで礼を述べた。



カノンといい瑞基といい、ここの親族連中は、ファザコンになる血筋なのだろうか。


他にも遺品ならあるだろうに、ここまで感動されると、若干引く。



だがやはり、村長の言っていたように、盗られた物は幾つかあるって事か。






このノート。

俺が取り戻した物ではない。



あの背から伸びてきた影のひとつが、四次元ポシェットの中にこのノートを突っ込んでくれたんだよね。


どうせなら、他の物も回収してくれれば良かったのに。



そう文句を言いたくなるが、影の手の有効範囲を考えると、何かしら、箱や棚の中に入った状態だと無理なのだろう。



……まさか、闇の精霊(テネブラエ)に助けられるとは、思わなかった。



施設では散々人を痛め付けておいて、今更助けるとか。


……どういうつもりなのだろう。



この世界に転移してからも、闇の精霊(テネブラエ)とは一度たりとも会っていない。


精霊ならば、脳内で会話をする念話だって出来る。

なのにソレもした事は無い。



他の精霊達と違って、契約の指輪を貰ってもいないから、俺の現状を把握する術は無いはずだ。



あったとしても、村長に襲われた時のように、俺が危機だと感じていなければ、彼等は俺がどういう状態なのか、離れていたら知る事が出来ない。



……あれ?

そう考えると、琥珀(こはく)は何で俺が襲われていると分かったのだろうか。


不思議である。



鑑定眼を通して、向こうに俺の視界が共有されているパターンは考えた事がある。


鑑定眼は、闇の精霊(テネブラエ)の能力だからね。



だがあの時眼は、発動させて居なかった。



当然だ。

あんな状況で、一体何を視ようと言うのか。



……ホント昔から、あの父親(オッサン)が何をしたいのか、よく分からん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ