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もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを無双する。  作者: 可燃物


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神さま、装う。

「ここまで話しておいてなんだけど……

 貴方たち、本当に東の賢者なのよね?」


「本当に今更だな……

 父に会ったことがあるなら、俺の名前を聞いたり、何かしら、話をしているだろう?」



日記で肩透かしを食らった分、少しでも父親の情報が欲しいようだ。


若干、前のめりになっている。






賢者の名前がアチコチに知れ渡るようになってから、三英雄の話はもう、御伽噺の中でしか語られなくなっている。


生きた彼等の話を聞ける機会なんて、そうそうない。



俺の感覚的に一年前の出来事なら話せる。


しかしその頃の話となると、まだ地球が滅びておらず、この世界に施設が転移して来る以前の話だ。



カノンにとっては何百年も昔の、自分が知らない父親の幼少期の話だもの。


イメージを損なう部分もあるからなのか、余り聞きたがらないんだよね。



だから大人になった父親の事を知っている人から、少しでも話を聞きたいのだろう。



まるで恋する乙女の如き熱視線を、瑞基に向けている。


期待の眼差しにしても、向け方がおかしいぞ。



アッサリと、カノンが生まれる前の話だから聞きようがないと、素気無く否定されてしまった。


俺も彼の親バカっぷりを聞いてみたかったのだが。


残念だったね。






賢者御一行と気付かれてはいけないとなると、装いから変えねばなるまい。


‘’精霊の使者‘’は絶賛売り出し中のため、外見的要素は伝わっていないだろう。

だから俺はこのままでも良いかな。



あぁ〜……


カノンのお稚児と勘違いしている人が、一部にいるんだっけ。



だが身長や体格は変えられない。

その勘違いも、カノンを認識してから「コイツがお稚児か」と思考が向く程度だ。


ならばカノンの見てくれを変えるのが手っ取り早い。



特徴的な杖を出すのは禁止として。



術師らしい長髪は、切ると術の発動に影響が出る可能性があるからと、ポニーテールの根元からザックリと切り落とすのは拒否された。



これだけ毛量があると、ウィッグを被せようとしたら浮くだろうから、ネットを使ったとしてもムリだ。



明るい色の上に暗い色を乗せるのは簡単だが、この見事な黒髪を一時的に薄い色に変えるとなると「スキル」を使わないと不可能だろう。


瑞基の前で、魔王バレは避けたい。

なのでこの案も却下。



ならばせめて短く見えるように髪をまとめ直そう。


その上で認識阻害の髪留めでも付ければ、誤魔化せそうだ。



一度髪を解いてハーフアップにする。


この状態だと、瑞基とカノンがマジで兄妹に見えるな。


年齢的には姉弟だけれど。



まとめた上半分をくるりんぱして、正面から見た時に短く見えるよう、後れ毛を出す。



後ろに流していた髪を全てまとめ、捻りながら毛先を引き抜かない輪結びにする。


髪を半分に折りたたんだような状態になったが、それでも元々腰あたりまである髪だ。


まだまだ長い。



更に半分、もう一度半分にして、ようやくヘアクリップで止めた。



簪を使うのも考えたけど、アレ、捻じる時に自分でやらないと、加減を間違えて頭皮が突っ張って痛い思いをする事になるんだよね。


木製のクリップなら、王都(ディルクルム)の装飾品屋さんで売って居たし、使っても問題あるまい。



認識阻害の付与を模して「スキル」で創ったのだが、ちゃんと効果はあるだろうか。






「いかがでしょう?

 瑞基様のご意見を伺いたいのですが」


当事者()の主張は聞かないのか」



「こういうのは、女性の視点が大切ですからね。


 第一印象を良くする清潔感や身嗜みは、男には気付けないものが多いのです。

 男同士は気付かない者同士で問題無いでしょうが、一度女性に嫌われたら、末代まで 妖蜚蠊(ルキフガ)の如く嫌われますよ」


「そ、そんなにか……」



いくら見た目が良かろうと、不潔の判定を下されたら、その途端に人間扱いをして貰えなくなる。


それが女性というものだ。



服の毛玉やシワはまだ、見過ごして貰える。


こんな世界だから余計にね。


アイロンなんてないもの。

叩いてのばすには、限度がある。



体臭も同じ理由で見過ごして貰える事はあるけれど、やはり最低限のエチケットは必要だ。



爪が伸びてるのなんて、言語道断。


汚れが溜まっていようものなら、 妖蜚蠊(ゴキブリ)以下の扱いをされても文句を言えなくなる。



女性がいる社会に足を踏み入れると言う事は、ソレ等の見過ごしがちな部分に気を使わなければならないと言う事なのだよ。


気を付ける事は出来るけれど、女性の清潔感に対するジャッジって、かなり細かいからね。


半分女の俺でも、気付けない事はあるだろう。



カノンは頭が重いと文句を言うけれど、クリップの重さなんてたかが知れている。


なのにわざわざ言うと言う事は、重心がズレたせいで、重く感じるのだろうか。



俺も地球ではダラダラと長くしていたけれど、カノン程は長くなかったしなぁ。


こんな凝った髪型もした事ないし。

よく分からん。






「お弟子さん、器用なのね……


 ええと、問題ないと思うわ。


 賢者に見えないようにするのであれば、あとは服装よね。

 見た目がモロ精霊術師だから」



そうか、一見防具を一切身にまとっていないように見えてしまうのか。


実際は鋼で作ったものよりも、余程頑丈なのだけれど。



俺の付与失敗作の中に、金属製の防具もあるけれど、カノンが装備出来るサイズの物ってあったかなぁ。



そもそも身体がヒョロいから、剣士や重戦士にはフリでもなれない。


術師がムリとなると……



「カノンって弓使えたよな?」


「人並み程度ならな」


んじゃ、射手の装いにすれば良いかな。



弓かけは時の精霊(クロノス)の力を使って、いい感じに使い込んでるように経年劣化させよう。


彼の手袋を創った時に、手のサイズは把握しているからね。


創るのなんて、朝飯前だ。

今は昼ごはん後だけど。



それと胸当てと籠手、脛当てに木を登りやすくするための、スパイクを装着した靴も要るだろうか。


肝心の弓と矢筒に、その中身……は、木製か竹製か、太さや重さ、羽根の種類は幾つか創って、手に馴染むものを複製しよう。



前髪が邪魔にならないように、オールバックにするか、利き目側だけ後ろに撫で付けるか。


瑞基の意見を聞きながら、思う存分カノンをオモチャにさせて貰った。



人形遊びでもしている気分で、ちょっと楽しかった。

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