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もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを無双する。  作者: 可燃物


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神さま、瑕疵を疑われる。

いつもご覧頂きありがとうございます。


前作『もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを満喫する(https://ncode.syosetu.com/n8952kr/)』がランクインしました。

感謝申し上げます。

地中で生活している人々を思い浮かべようとするならば、その様式は様々ではある。


すぐ思い出されるのは、自然の洞窟を利用したものになる。



世界遺産にも登録されていた、イタリアのマテーラが良い例だろうか。



侵食により形成されたグラヴィナ渓谷は、一三〇以上の洞窟住居が構えられていたとされている。



やはり地下となると採光の問題が大きく、場所によっては水の確保が難しい。


人口が増えると共に環境が徐々に劣悪化し、乳児の死亡率が五〇%を超えた時、政府から強制退去が命じられた。



一時は無人と化したが、石窟の聖堂や洞穴住居も含めた文化的資産が認められ、後世も観光地として洞窟住居の一部が使用されていたようだ。



あくまで地球の例だが、この世界の人々と地球人(エルフ)の身体的特徴に大きな差はほとんどない。



挙げるならば、精霊術を使うための霊玉の有無だろうか。


それ以外は骨の数から内臓の役割まで同じである。



つまり人口に見合った整備さえシッカリとすれば、地下で暮らすのに、問題は無いと言える。






日照時間がほぼゼロのオプリタス大陸で長年暮らしている人々は、日光浴をしなくても問題無い肉体に変化を遂げているのだろう。


定期的にセリアのように外へ出ていれば、それで十分なのかな。



もしくは不思議エネルギー(霊力)の恩恵か。



だが寒さに関しては、どうにもならない。



地上は最高気温が氷点下の世界だもの。

地中の方が温かいし、気温が安定している。



手段さえあるのなら、地下に集落を築くのは非常に賢い手段だと言える。






「衛生呼吸器を持ち歩いているなんて、用意周到なのね」


「感染症が蔓延している地域での活動もあるからな」


言うてそのマスクを作ったの、俺ですがな。


何でお前がドヤっているのだ。



集落同士の交流がほとんど無いお陰で、今までパンデミックが起こった事は無いらしい。


だが疫病によって滅びた村は、山ほどある。



その中でも滅びを待つだけだった集落に、ギリギリ駆け付けるのが間に合った時、カノンはあろう事か、防疫も対策も何もしないまま、村人達の救助活動をしていたと言う。


当然、カノン自身も罹患する。



だがその端から回復薬を飲んでドーピングをしまくった。

身体に悪いにも程がある。



体力を向上させ免疫を強化し、比較的症状が軽微な村人達の手を借りながら、終息まで持っていく。


ソレが当たり前だったのだとか。



完全制圧となると、かなりの時間を要するだろうに。



摂取目安量を遥かに超えた回復薬の服用と、睡眠不足によって、大抵その後は死んだように眠るのも、お決まりだったそうだ。



そもそも、罹らないようにしろという話で。

そして毎度そうなら、懲りろというお話で。



手洗いうがい以外の衛生観念の話をしたら、目からウロコが噴き出したような顔をしていたよ。






施設も閉鎖空間だったから、風邪のひとつでも流行すれば、恐ろしい事になっただろう。


だがウイルスも細菌も、持ち込まれる余地が無い。

外部との接触が完全にゼロだったからね。



空気中に存在する細菌なんかは、全滅させられなかったけれど、限りなく無菌室に近い環境ではあった。


なので感染症に罹る人は、滅多にいなかった。



性病も含めた感染症を持っている人達は、初期の段階で生存権が与えられなかったし。



そのため、病原菌に対する免疫を、生まれてからコッチ、全然獲得していなかった地球人(エルフ)達は、この世界に来たばかりの頃は相当苦労しただろうね。



この世界には、ブドウ球菌や連鎖球菌のような細菌が普通に存在しているもの。


魔物から感染する病気も、当然のようにある。



魔物の肉を食べて感染する病気は聞いた事は無いが、生食したりするとありそうだよね。

火はしっかり通せと、散々言われているし。



……今更過ぎる懸念だが、お魚の魔物、生で食べてるけど、平気なのだろうか。


ローストビーフ的な調理法の肉も食べたよなぁ……



……今の所何も無いし、大丈夫なのだろう。

うん。






俺とカノンが装着しているのは、口元だけを覆う防毒マスクのような見た目の物だ。



目の粘膜から感染するかもしれないからと、フルフェイス形も試作はした。

だが見た目の怪しさと凶悪さから、治療を拒否される恐れがあると言って、カノンに素気無く却下された。



確かに、物々しい見た目をしているもんね。


呼吸をする度に、シュコーシュコーとうるさいし。



有難い事にこの世界には、付与というものがある。


科学的に対処出来ないなら、付与を施せば良い。



装着し霊力を込めると、浄化や防毒、防疫等の効果が発動する仕様にした。



霊力の量を増やせば、効果範囲は拡がるが、その分マスクへの負荷が大きくなるため、使用時間が短くなる。



またマスク本体は聖水で浄化すれば、繰り返し使える。


自分だけを保護するのなら、だいたい二〇〇時間が目安かな。



だが治癒や浄化は、光の精霊である稜霓(ろうげつ)の専門になる。



このマスクも、付与をしたのは魔物素材から抽出した特性だ。


しかし効果を定着させた際に、自然と勝手にされる分類は、光属性となる。



相反する力を持つ闇の精霊(テネブラエ)のテリトリーであるオプリタス大陸では、使用可能時間が短くなる可能性が、否定出来ない。


そういう相克図があるのは、ちょっと不便と言えば、不便である。






「へぇ……

 そんな物も作れるのね。

 さすが賢者様、と言えばいいのかしら」


散々カノンと言い合った瑞基は、口調から若干丁寧さが消えた。

警戒心も同時に薄れたので、トゲトゲした雰囲気が無くなったのは、有難い。



「俺じゃない。

 作ったのはコイツだ」


さっきまで自慢気に鼻高々な威張り顔をしていたのに。


なぜその表情のまま、俺が製作者だと暴露をするのだ。



俺は瑞基に注目されたくないんですけど!



その辺の事情を、カノンにまだ話せていない。


だから、仕方ないのは分かっている。

分かってるけれど!!



精霊の皆とやるように、ピピピ電波による脳内回線を通した会話が出来たら良かったのに。



「なら、さすが賢者の弟子、ってところね。

 あまり、師弟には見えないけれど……」


確かに師匠と弟子。

教師と生徒の距離感は意識していなかった。



もっと恭しい態度を取らなければいけなかったか?


表情筋が物凄く鍛えられそう。

笑うのを堪えなきゃいけないからね。



でもカノンにそういう風に接すると、非っ常〜に不満そうな顔をするんだよね。


苦虫を噛み潰したよう……とは違うな。



溺愛妹君(アリア)が塩と砂糖を間違えて入れたお茶を出したら、きっとこんな顔をするだろうなって顔。


不味いけれど、出すに出せない。


傷付けないために、無表情をキープしようとするけど、どこか崩れてしまう。



そんな顔だ。



「コイツの着眼点は、俺には無いものがある。

 互いに教え、教わる立場だ。

 上下関係のない、対等な立場でいるように言ってある」



「わぁ!それは素敵ですね!

 わたしもいつか、賢者様とそうなれるようになりたいです!


 カノン様とアーク様のお二人は、どのようにして出会ったのですか?」


「私がケガをして瀕死で倒れている所を、救って頂きました。


 カノンの薬の効果は、素晴らしいですよ。

 この村の病も、すぐに祓ってくれるでしょう」



「ああ、ケガの痕が残っているから、それだけ立派な装備をしているのに、厚着をしているのね。

 でも、痕が残っているのなら、薬の効果が高いことの証明にはならないわよ?」


「そんなにきれいなお顔をしているのに、傷が残ってしまっているのですか……?」


「……賢者の実力の参考までに、見せて貰えないかしら?」


「えぇ、っと……」



顔を覗き込まれ、どうすれば瑞基の興味を自分から逸らせるだろうと、視線を彷徨わせてしまう。


言い淀んだ俺の言葉を瑞基は、どうやらとんでもない方向に勘違いしたらしい。



「ああ……いい。

 見せなくていいわ。


 そう言えば、賢者がお小姓だったかお稚児を連れ歩いているって噂があったものね。

 なよなよしているように見えるのも、そのせいなのね」



な、なよなよ、だと……!?



確かにこの世界の屈強な男と比べれば線は細いだろうが、決してナヨってなんか居ないぞ、俺は!!



どうしても性別のせいで、雄々しさは感じられないだろう。


しかしだからと言って、女々しいって事も無いだろうが!!!



だけどココでキズを見せようものなら、魔王の情報に結び付いてしまう。


ソレだけは避けたい。



……だが!

カノンとそういう関係だと勘違いされたままなのも、不名誉が過ぎる。



何より!!

玉も竿もあるよ!!!


穴も二つあるだけで!!!!!



実年齢がどうであれ、見た目は立派な淑女なんだぞ。


人の局部を見ながら話すんじゃねぇよ。

痴女か。



せめてもの抵抗として、微笑み無言で押し通す事にした。


顔は引きつってしまったと思うが。

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