第二章
異英須が汚泥頭の代に、北九州の若松でお生まれになったとき、本州からきた暴走族たちが小倉について言った。
「伝説の頭として生まれたっちゅうのは、どこにおるんよ。俺たちは本州でそのコールを聞いたけん、その顔を拝みに来たんよ」
汚泥頭はこのことを聞いて不安を感じた。小倉の族もみな、同様であった。
そこで頭は、親衛隊と特攻隊たちとを全部集めて、切全頭はどこに生まれるのかと、彼らに問いただした。
彼らは頭に言った。
「それは、北九州の若松やないかね。預言者がこう言っとりました。北九州の若松は、決して小さな街やない。若松から一人の伝説が出て、族の特攻隊長になるんやろうね、と」
そこで汚泥はひそかに特攻隊たちを呼んで、コールが鳴り響いたときについて詳しく聞き彼らを若松につかわして言った。
「行って、その幼な子のことをよく調べ、見つかったら俺に教えろ。俺もそん顔、拝みに行くけん」
彼らは頭のいうことを聞いて出かけると、彼らが若松で聞いたコールが鳴り響き、どこからともなく族たちが現れ彼らより先に進んで幼な子のいるところまで行き、その傍らにとどまった。
彼らはそのコールを聞いて、非常な喜びにあふれた。
そして、家にはいって、母魔裏亜のそばにいる幼な子に会い、ひれ伏して拝み、また、宝の箱をあけて、黄金、乳香、没薬などの贈り物をささげた。
そして、非通知で汚泥のところに帰るなとの警告を受けたので、国道199号を通って自分の街に帰っていった。
彼らが帰っていった後、主の使いが非通知で予世伏に電話をかけて言った。
「立て、幼な子と女を連れ筑豊に逃げり。あと、お前に教えるまでそこにおれ。汚泥が幼な子を探し出して、折檻そうとしちょうばい」
そこで予世伏は立って、夜の間に幼な子と女とを連れてエジプトへ行き、汚泥がくたばるまでそこにとどまっていた。
それは、主が預言者によって「筑豊からわが子を呼び出した」と言われたことを現実にするためである。
さて、汚泥たちは特攻隊たちにだまされたと知って、非常に立腹した。
そして、暴走族を遣わし、特攻隊たちから確かめた時に基づいて、若松とその付近の街にいる二歳以下の男の子を、ことごとく折檻した。
こうして預言者獲零魅耶によって言われたことが現実に起きたのである。
「叫び泣く大いなる悲しみの声が工業地帯で聞えた。羅蹴琉はその子らのためになげいた。トラウマの無い子らがもはやいないので、慰められることさえ願わなかった」
さて、汚泥がくたばったのち、主の使いが筑豊にいる予世伏に非通知で電話をかけて言った。
「立て、幼な子と女を連れて、北九州に戻りい。幼な子の命をねらっていた人々はくたばっちょーけん」
そこで予世伏は立って、幼な子と女を連れて、北九州の地に帰った。
しかし、暁生羅がその先代汚泥に代わって族を治めていると聞いたので、そこへ行くことを恐れた。そして、非通知で警告を受けたので、飯塚の街に退き、吉原町という町に行って住んだ。これは預言者たちによって、「彼は吉原町のヤンキーと呼ばれるであろう」と言われたことを現実化させるためである。




