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末っ子皇女は幸せな結婚がお望みです!  作者: 玉響なつめ
第二十四章 可愛いは世界を救う……のか?

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「……で、ひめさまの本命って今んとこ誰? やっぱりオレの見たところだとユベール様が一番でぇ、二番目がフォルティス様かなあ~」


「ちょっと待って突然すぎる」


 エルヴェがよくわかんない行動をとるのはいつものことだけど今回のこれはちょっとばっかり私も許容できないかなあ!


 私は一応ね、君のご主人様だぞう!!

 ……お給料は父様からだけど。


「えっ、待って」


「なあに?」


「……エルヴェの目から見ると私はあの二人とそんな感じなの?」


「えっ、自覚ないの?」


 エルヴェの方がびっくりするとかこっちがびっくりなんだけど!?


 どういうことだろう、私のことなのにエルヴェの方がわかってるっていうのかしら。

 この敗北したような気持ちはいったい……。


 いやそれよりもよ!


「……私は四人とも、平等に大事にしてるつもりだけど?」


「うん、それはそう。でもこう……なんていうのかなあ~、空気が違うんだよね~」


 ニヤニヤ笑うエルヴェにちょびっとだけイラッとしたので、あとでソレイユをけしかけると決めた。絶対だ。


 それはともかくとして、空気が違う……か。


(確かにシエルは彼らよりも前からの知り合いだからこそ、親しさは一番あるかも)


 これまで彼らといずれ結婚する関係になる、ということで頑張って彼らに見合う自分になろうと努力してきたし、聖女になるんだしそっちも頑張らないとって思っていたけど……まだまだ私は子供だしね?

 そりゃまあいつかは決めなきゃいけないけど、今はまだ許される年齢でしょ!


(ってのを盾にしすぎたかなあ)


 自分では平等に(・・・)彼らと接しているつもりだった。

 皇女としての益ばかり考えなくていいと兄様たちに言われても、彼らにどんな結果が出てもいいと言われても。


 全員が納得できる理由が欲しくて、私は結論を出せずにいる。


(……誰が好きか、なんてまだよくわかんないよ)


 家族が欲しいって思っているので、いつか結婚して子供を儲けて……ってのは当然考えた。

 でもその過程、つまり恋愛における『好き』とはなんぞや? になるとまるで答えが見つからない。

 今はあれこれしなくちゃいけないから、まだ学ばなくちゃいけないから、そうやって先延ばしにはしているけど……。


(でもエルヴェがそんなことを言うってことは、私はユベールとフォルティス様を特別視しているってこと?)


 確かにあの四人で考えると、サルトス様とピエタス様に関しては異性っていうよりも年の近い友人、あるいは親戚くらいの感覚が近い気はする。

 そういう意味ではフォルティス様は兄様の友人の弟とか、そのくらいの距離感っていうか……何言ってんだ私?


 とにかく、言われて改めて自分を振り返ってみると確かになるほどと納得せざるを得ない。


「……でもまだ好きってよくわかんないや」


「そっか。オレもわかんないからひめさまとお揃いだね」


「エルヴェはわかってるのにわかってないふりが上手そう」


「なんか酷くない?」


「ひどくなーい。ほら、お仕事してきて! おーしーごーと!」


「はいはい、承知つかまつりました、なんつって~」


 エルヴェがひらひらと手を振りながら出て行くのを見て、私は思わずぽつりと呟いていた。

 うん、別に腹が立ったわけじゃないけど。


「……エルヴェの晩ご飯には健康茶出してあげよ」


 彼には健康で過ごして欲しいからね!

 最近フェイさんからもらったんだよね、とーっても苦くて飲めたもんじゃないやつ。


 あれはそう、前世で言うところのセンブリ茶だ。

 是非とも濃く煮出してあげようじゃないか!

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