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まあ忙しいってのはいいことだ。
正直なところ、私は暇を持て余すとどうも良くないらしい。
そういや前世はあくせく働く……っていうか毒親のせいで忙しかったから余暇なんてものはなかったし、なんだったら長期休暇中は姉を連れて旅行に行ったあの人たちが私だけを残していっても豪遊なんてできなかったしね……。
うん、今にして思えば私はよく生き延びたもんだよ……!!
いやまあそれはともかくとして。
私は暇を持て余すとどうにも『悪い方向に』思考がよりがちって言うか、無駄に考えて結局考え過ぎじゃん! って自分でも思うオチになるのだ。
ははは。
わかってんのに直らないんだよねこれが……!
くそう、人生二度目のくせになんで!?
(仕事もみんなよりできてないしなあ)
まあ、今回の薬に関してはファインプレー私! って自分を褒め称えているけどね!!
とはいえ案を出しただけではだめだし、本を使いこなすには私が勉強をしなければならないと言うことがわかった。
つまり今後も病気や怪我に対して、聖女らしく振る舞うためにはそっち系の知識を……つまり医学系に精通しないとアレだってことで大体合っているはずだ。
「……うーん、家庭教師をつけてもらうかなあ」
お医者さんになりたいわけじゃないんだけど、そういう知識は必要だもんね。
聖女としてのお勤め? みたいなものと、それから皇女としての社交やその他諸々の合間だから月に何回か……いや忙しい医学者たちを捕まえてそれはあれか。
じゃあ自主勉強でわからないところをピックアップして聞く?
(……間違いなく、わからないところしかないね!)
そもそも医学とは? から哲学になりそう。
腕組みをしながらどうしよっかなあと考えて、私は決めた。
「都度、考えよ!」
今らか計画立てたって無駄無駄。
だって聖女としてのお勤めと皇女としての社交が始まったら予測なんて立てられないもんね!
どっちもやったことないし。
ははは、やっぱり考えるだけ無駄だったわ。
ちくしょう同じ結論だった。
それもこれもパレードが近いせいだ。
「いやだなあ……」
「これも皇族の定めと心得よって父上も仰ってただろ?」
「でもさあ、パル兄様……」
「せいぜい笑顔振りまいてお前個人の信者を獲得しとけ」
「いやだよ何それ怖い」
なんだ個人の信者って!
あれか? 聖女様としてアイドルみたく笑顔を振りまけってか?
どう考えても私のキャラじゃないんですけど!?
「可愛いがお前の売りなんだから、存分に使わなけりゃもったいないだろうが」
「さらっと可愛いとか言う~~~~」
「事実は事実だぞ?」
「そうだよ、ニアの可愛さを存分に引き出せるよう僕が頑張ってデザインしたドレスなんだからね!」
「シアニル兄様のセンスは疑ってないよ……」
ひらひらしてるけど。
私が着て大丈夫なのか……?
いやいや、今の私は美少女だから大丈夫!
どちらかというとそのひらひらをどっかに引っかけないかが心配なだけで。
「当日の警備とかはこっちに任せて、せいぜいパレード楽しめよ」
にかっと笑ったパル兄様の応援が純粋すぎて辛い。
そもそも! パレードがいやなんだけど!?
「聖女様としての第一歩だからね、どんなにいやでも華々しくするのが一番だよ。……だってニアが言い出したんだからね?」
「ひぃん」
シアニル兄様の言葉に私は嘆くしかできない。
でもまあ確かにその通り。
私のこれからの活動で賛同を集めるためにも、私は目立っていかなければ!
いざ! 客寄せパンダへの道!!
……ちょっと、違うな……?




