第25話 リーシアの武勇談 その4
食事を終えてヨエル公がリーシアを促す。
「それでミュルクヴィズを出立して、私たちの塔に来たわけだね」と言ったのはザオベル師匠だった。
「いいえ、実は」と、リーシアが切り出す。
「塔にいくまでに山賊に待ち伏せされていまして」
おお、とどよめきが走る。
「まあ、どこでもそうなんですけど、山道の曲がり角なんかに潜んでいて、そこを通りかかるとパッ!」
「姿を表して、手をあげろ。金を出せ。こうです」
「そ、それは」
「そういうときには、どうするのかね」とはヨエル様。
「たいていは後方も塞がれて、どうにもならないのではないか。前を突破したら後ろから攻撃されるだろうし、後ろを攻撃しても同じことだろう?」
「そうですね。そこで私は賊が現れたそのときに前を突破しました」
「なんと」
「そんなことができるものなのか」
「ええ。私と同輩騎士カルルはそれが可能でした」
「とはいえ、立ち塞がるものが旅行者や行商人ということもあるだろう。そういうものを間違えて倒してしまうことがあるんじゃないのかい?」と、これは師匠。
「ああ、その心配はありません。待ち伏せは音を立てないようにして気づかれないようにしますが、山道で足音を忍ばせて歩く行商人や旅行者はいません。よほどやましいことをしようとしていない限りは」
「なるほど」
「そうして私たちはまず、前に立ち塞がった賊を突き倒し、背後の敵に立ち向かったのです」
「確かに、リーシア殿の武術に見られる突進力なら、それを可能にするでしょうな」
「お褒めいただきありがとうございます。そうして前後の賊を倒し、突破しました」
「そうして斃して、一件落着、というわけだな」とはヨエル公。
「いいえ、それが実は続きがありまして」
「なんと!」
「賊を斃し、その小屋も探って囚われのものがいないか確認した後、私たちは次の村につきました。その村で宿をとった、その夜のことです。私たちは夜、襲撃されたんです」
「襲撃・・・」
「ええ、部屋に入って寝静まった頃を見計らって、数人の男たちが武器を持って部屋に乱入してきたんです。寝台には剣を突き立てられ、毛布は切り裂かれました」
「そ、それはなんとも・・・。その襲撃をどうやって・・・」
「それは




