○の勇者0
結果としては失敗だった、大失敗だった。
はるなの炎は草原を焼け焦げた土に変えたが、柳川達を捉えることはできなかった。
変わりにー
「アリス!」
炎に巻き込まれたアリスが呻いた。
慌てて駆け寄る。
はるなも流石に手加減はしていたのだろう、火傷はしているが、恐らく命には関わらない。
もし、本気で攻撃していたらアリスはー。
「大丈夫か?すぐにー
言いかけたところでアリスの体を神聖術の光が包む。
「アリス、ごめんなさい。」
はるなが神聖術を使ったのだ。
「はるな!」
我慢できずにはるなに詰め寄る。
「どういうつもりだよ!味方ごと撃つなんて!」
叱責に、はるなは苦い顔をしながら、言い訳をした。
「威力は抑えたわ…。アリスも、もう治ってー
「そういう問題じゃないだろ!」
「洋司を!洋司を止められるチャンスだったのよ!あんな好機はもう無いかもしれない!それを!」
「関係…ないだろ。」
頭に血が上りすぎて、怒鳴ることすら困難になってくる。
こいつは、何を言ってるんだ。
「敵を倒すために味方を犠牲にしていいはずが無い。ましてアリスをー
「あなただって戦っているわ!それを棚に上げてー
「俺は!絶対に仲間を背中から撃ったりしない!仲間を裏切るようなことはしない!」
「はっ!何を今更!あなたこそ、今日まで何人の仲間を死なせてきたの?!」
「それとこれとはー
「関係ないと思ってるの?」
「大国三国は均衡を保っていた。少なくとも他の小国が潰れないで住む程度にはね。どうしてそれが崩れたと思う?」
やめろ
「少し考えればわかったはず。帝国と共和国、どちらが追い詰められていたか。」
やめてくれ
「この大戦の引き金を引いたのはあなたと洋司なのに、今更そんなことを言うのね。」




