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二人目7

キョウカと二人がかりで柳川と対峙する。

相手は元の世界の同級生…だが、一旦戦うと決めた以上、情け容赦する理由にはならない。

「まぁ、少しぐらいは相手をしようか。」

言いつつ柳川は手に持っている剣をこちらに投げつけてくる。

氷の刃とはいえ長さは普通の片手剣程度もある。そんなものを投げたところで威力などたかが知れているーというのは普通の話だ。

超人の筋力で射出された剣はもはや大砲と変わらない。

だが。

「はぁっ!」

その剣を打ち払う。こちらも超人だ。大砲程度の物なら目で終えるし打ち払える。が、かなり重い。大砲並みという表現は控えめだったと判断するしかない。

しかし、これで柳川の得物は無くなった。やはり戦いには素人なのか、いきなり武器を投げ捨てるなんて。

「けっ!」

キョウカが舌打ちする。気付けば柳川は投げたのと同じ剣をすでに持っていた、しかも今度は二振りだ。

投げた剣を回収したのではない、打ち払った剣はまだ俺達のそばに転がっている。

見ると、普通の持ち手に、やはり氷の様な物で刃が構成されているらしい。ほんのりと魔力を感じる。つまりはー

「あの持ち手が式具で、発動すると刃が出る…って感じか?」

「なるほどな。持ち手がある限りは剣を出せるってことか。面倒くせぇな。」

普通の剣ならば運べる数など3か4もいけばいいほうだろう。

だが、持ち手だけでいいなら10を超える数も普通に持てるはずだ。

そして、剣の予備が多いのは厄介だ。特に、抜刀術で刃を切り飛ばすなんて戦術があるキョウカには。

「ファイアーボール!」

牽制のファイアーボールを放つ。柳川は軽くステップを踏んで、それを回避する。

「はぁっ!」

と同時にキョウカが距離を詰めて、斬りかかる。

「アインハルト流ーっち!」

必殺の抜刀術、しかし今回も放たれることはなかった。

今度は俺にもよくわかった。柳川は剣を一振りして、キョウカの上半身を僅かに逸らさせた。それだけで、抜刀術の構えを解かせたのだ。

「ファイアーボール!」

追撃のファイアーボールを放つ。

だが、柳川はキョウカを盾にするように回避する。

「ナメやがって!」

鞘から刀を引き抜いたキョウカが柳川に斬りかかる。

さすがに躱しきれないのか、柳川は左右の剣を使って、それを弾く。

俺はキョウカの反対側、柳川を挟み込む位置に回り込んで斬りかかる。

俺の剣を柳川が片方の剣で迎撃する。

だが、向こうは片手だ。押し切る。

「え?」

とてつもなく硬い感覚に間抜けな声が漏れる。

両手で振り下ろした俺の剣は、片手で持つ柳川の剣に受け止められていた。

その感覚はまるで巨大な岩の様…いや、超人からすれば岩なんて豆腐みたいな物だ、これはそれ以上だ。

「ボケっとすんな!」

キョウカの叫びで我に返る。硬い感触を逆に利用して腕からの反作用で後ろに下がる。まずは立て直しをー

「がっ!」

図ろうとした瞬間、柳川が俺の剣を受け止めていた剣をキョウカな振り下ろした。

直撃こそしなかったものの、無理な体制で刀で受けたキョウカがふっ飛ばされる。

「連携がなってないな。お前が下がって楽をすればもう一人に負担が集中する。当然だろう。」

少し呆れたように柳川が言う。ふっ飛ばされたキョウカへ追撃すら行なおうとしていない。

俺は柳川に斬り込む構えで応える。

「よし、いいぞ。そうだ、味方がやられたらお前が立て直すんだ。味方が動けるようになるまで踏ん張れよ。」

今度は柳川が笑う。皮肉のはずなのに、不思議とそうは思わせない自然な笑みだった。

「ファイアーボール!」

牽制のファイアーボールと共に斬りかかる。

柳川の言うとおりになるのは癪だが、確かにキョウカが立て直す時間を俺が稼ぐ必要がある。


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