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2人目2

むかしむかし、そのまたむかし。

世界は滅びる寸前にあった。

魔界から溢れ出た魔物たちは人の世界を犯した。

人が死に、街が壊れ、国が無くなった。

そんな滅びゆく世界に、神は二人の救世主を遣わした。

異世界から現れた勇者と聖女。

勇者と聖女は世界を守るため、魔物と戦い、人を救った。

力があるのをいいことに暴れまわっていたアインハルト

貴重な食料を食い潰すだけだったスピオレ

知識にしか興味がなかった賢者

神への信仰を独占していた司祭

そんなばらばらだった人たちを勇者たちはまとめあげ、魔物を倒す仲間にした。

人を助け、街を守り、国を救った。

助けられた人たちが、街が、軍隊が勇者たちのもとに集った。

勇者のもとに一つになった世界は、とうとう魔王を討伐することに成功した。

魔王を討伐した勇者と聖女は、

アインハルトを決闘で倒し、今後は暴れないようにと註した。

スピオレに人の言うことを聞くよう躾けた。

賢者に異界の知識と引き換えに世界のために知識を広める約束をさせた。

溢れる神の寵愛を示し、神官に神への信仰を広めるよう指示した。

そうして、世界を良くした勇者と聖女は世界へ帰った。


「なんというか…あんま面白くないな。」

勇者様ー聖女様ーって感じで、物語としてはもう少し山あり谷ありで良かったんじゃないだろうか。

「あなたは…勇者の伝説に何を求めてるんですか…。」

「いや…だって、物語だよ?もうちょっと起承転結とか。」

「そんなに苦労話が好きなら、次はもう少し詳しい伝記にしましょうか?人間が食い殺される様がありありと書かれてますよ?」

「いや、それは要らない。」

エリはなんか怖い。俺はキョウカの方に話を振ることにした。

「アインハルトは昔からこんなんだったのか。」

今まさに目の前にいる暴れん坊を見ながら言う。

「昔からってなんだよ。聞いてなかったのか?!どこぞの勇者様とやらに負けて、アタシらは丸くなってんだよ。」

これで丸くなってるのか…。どんなだよ。

「はるな的には…はるな?」

はるなの方を見ると、わなわなと震えていた。目線は泳ぎ、全力疾走した後のように肩を上下させながら息をはあはぁと漏らしていた。

「何をー言ってるの?」

「はるな?」

「暴れていた?ソウヤが…?アイシアが役に立たなかった?アルフが…っ!」

はるなは立ち上がってキョウカを睨みつけた。

「キョウカ!これはどういうこと!?アインハルトの名前をここまで汚されてなんで黙ってるの!?」

掴みかかる勢いでキョウカに詰め寄る。

「悪かったな、粗暴者で。アインハルトの話は有名だろうが。」

「落ち着いて。はるな、何か事実と違いましたか?」

「…。こんなのって…。」

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