表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/176

奴隷3

セルレイン共和国首都セルレイン

大陸内でも三大国家として謳われるこの国の首都の賑わいは、日本における秋葉原、日本橋にも引けを取らない。

並び立つ建物に、馬車用の車道と歩道が別れている道路。

現代のヨーロッパの街並みもかくやと言ったところだ。いや、それは言いすぎか?

そんな歩道にずらっと並ぶ様に様々な出店が並んでいる。

まるで何かのお祭りだが、これがこの街での日常だ。

そんな道を所狭しと道行く人々は走る人、歩く人、遊ぶ子供と様々だ。

時折人々がチラチラとこちらを伺う様子があるが、それ以外は至って平和そのものだ。

そんな街の様子を、俺と矢那さんはこの世界に来て初めて見ることができた。

「誘ってくれてありがとう、真田君。」

俺が興奮しているように、矢那さんもこの街の様子に興奮しているのか、少し頬が赤い。

何?俺が矢那さんを誘う様子が書いてないって?俺には沈黙の自由があるんだ。

ともかく俺たち、俺と矢那さん、キョウカにエリの四人で街をまわることになった。

ちなみに予算は200ミリタ、俺の一月分の給与と言うことになっている。現代価値に換算すると…いくらになるかはこれから調べる所だ。

「流石異世界って感じだね。いろいろと違うや。」

一見すると、元の世界にもありそうなただの賑やかな街だが、明らかな差異も存在する。

例えば馬だ。この世界の馬はどちらかというと狼に近いような姿をしている。街に売られている魚も微妙に変な形をしている。果物に関しては全く想像もつかないものばかりだ。

「そうね、でも美味しいわよ。」

矢那さんが事もなげに言う。まぁ、確かにこの世界に来てからこの世界の食べ物しか食べていないが、どれも美味しいものばかりだった。普通に食べれるのだろう。

「おい、シュンイチ。これなんかいけるぜ。」

キョウカが出店の中から果物を一つ取り出し投げてくる。

「お、ちょっ!投げるなよ。」

慌てた素振りを見せたがそれはもとの世界の癖みたいなものだ。超人として、戦士として訓練した今では、普通にゆっくり投げられた物を掴むぐらいは造作もない。

投げられた果物は拳サイズの黄色い果実だった。ふむ。

「あ、それはー

矢那さんがなにか言いかけているが、まずはちょいと一齧り。なるほど、みずみずしくて、うわなんだこれ酸っぱい!?

「げほっげほっ!なんだよこれめちゃくちゃ酸っぱいじゃんか!」

「それはペリテです。腐りにくい果物で保存食や調味料としてよく使われます。味はー説明するまでもありませんね。」

エリが解説をしてくれる。

「騙しやがったなキョウカ!」

「はははっ!こんな常識も知らねぇジュンイチが悪いんだよ。」

悪びれもせずにそんなことを言うキョウカ。

「仕方ないわねぇ。すみません。このシムノテをください。」

矢那さんが呆れながら店主から何かを買う。

「はいよ、さっきのペリテと合わせて300セリタだよ。」

「セリタ?ごめんなさい。私ミリタというお金しか持ってなくて…。」

「なら問題ねぇな。ほらよ。」

店主は緑色の葉っぱ、あれがシムノテだろうか?、を矢那さんーではなく俺に手渡す。

「飴みたいに舐めるのよ。すぐに酸っぱいのが収まるわ。」

葉っぱを恐る恐る咥える。青じそのような苦さを予想していたが、逆に凄く甘い。甘さが口の中を満たしていき、先程の強烈な酸味を打ち消していく。

「ありがとう、矢那さん。」

「どういたしまして。それでえっと…お会計は…」

「1ミリタは一万セリタです。」

困惑する矢那さんにエリが助け舟を出す。

おずおずと1ミリタ硬貨を矢那さんが差し出すと、お返しにと店主が大小様々な硬貨を返してきた。

「まいどあり。にしてもペリテいきなり齧ったり、金勘定も知らなかったり、もしかして…嬢ちゃんたち…。」

まずい、勇者ってバレる?

「おお、そうだ。この二人が勇者と聖女だ。」

ごまかす方法を考えていると、キョウカがいきなりぶち撒けた。

「ゆ、勇者様に聖女様ー!?」

店主だけではない、周りにいた住人の皆がこちらを振り返る。

「し、知らなかったこととはいえ勇者様と聖女様にとんだ無礼を!」

「勇者様!先の戦争では旦那を守っていただきー

「聖女ー!握手を!どうか握手を!」

勇者って凄いんだなー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ