表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/176

奴隷1

セルレイン共和国会議室


「…。それで?」

評議員の一人が口を開く。場の空気が重いのは、噂を耳にしているからだろう。

「はい。皆様既に概要はご存知かと思いますので、仔細に説明させていただきます。3日前、レーゼル王国がリーシェナ国に対し宣戦布告を行いました。」

レーゼル王国は帝国、共和国に並ぶ三大国家の一国だ。

帝国の軍拡、共和国の勢力拡大に煽られてとうとう動き出した。

「王国がとうとう動いたか…。」

「わかっていたことだ。問題はー」

「ああ。リーシェナだと?」

「王国め、焦って判断を違えたか?」

リーシェナ国は王国と共和国の間に位置する諸国の一つだ。

国の規模も大したことがなく、王国が手始めに動くには良い相手と言える。

しかし、リーシェナは王国と領土を接していない。

つまり、リーシェナと戦争するためには、他国を軍隊が横切らなくてはならないわけだ。

もちろん、他国の軍隊が自分の国を横切って嬉しい国があるわけがない。

無駄に敵を作る行為だ。

「王国とリーシェナ国の開戦は一日後、国境付近のバラムス砦で行われました。」

「それがわからんというのだ!」

「王国の連中は気でも触れたのか?!」

軍の動員は一大行事だ。兵を集め、道具を集め、食事を集め、それでようやく出発する。

進行だってゆっくりとしたものだ。荷物を抱え、鎧を着た人間が何千何万と列を成して移動するのだ。

もちろん、国と国の間を一日で移動するなど不可能だし、逆算すれば、王国は宣戦布告の数週間前から軍の動員を始めていたことになる。

言うなれば殴りかかりながら「今から勝負だ」と言っているようなものだ。不意打ちにもほどがある。

「いえ、王国による軍の動員は現在に至るまで確認されていません。」

場の空気が凍る。それはつまり噂が本当なのかと。

軍が動かずに開戦した。常識的に考えてあり得ない。

この世界でそう言う非常識というのは

「つまり…。では、噂は本当だと?」

「そのとおりです。王国は超人一人のみを派兵。単騎にてバムラス砦を陥落、その後首都まで侵攻。首都防衛網も突破し、リーシェナ国は無条件降伏に至りました。」

あり得ない。

いくら超人が優れた力を持っているからと言っても限度がある。

「有り得んだろう!単騎で軍を壊滅させるだと?!」

「現状では、その有り得ないことが起きたとしか。」

「まぁ、落ち着け。それに関しては情報を集めるしかあるまい。」

「であるな。」

「では次だ。ともかく、王国は勢力拡大に乗り出した。次の狙いはどこだ?」

「定石であれば周辺諸国だが。」

「領土の繋がりのないリーシェナを一番に落としている以上、それはあるまい。」

「このまま我ら共和国を狙うという可能性も。」

「帝国の睨みがある状態でか?共倒れが目に見えている。王国もそこまで愚策はとるまい。」

「諸国への脅しでは?王国は距離を関係なく侵攻できるのだと。」

「この段階でそれをしては反感を買うだけではないのか?」

「脅し…。考えられないような侵攻。邪魔が入らない?」

「リーランド、なにか思いついたのか?」

「もしかするとですが、これはーーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ