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神官5

「真田君!」

矢那さんが大声を上げて礼拝堂に入る。

驚いて振り返る俺の後ろで、

またかよ。と言いたげなため息が聞こえた気がしたが、きっと気のせいだろう。

「真田君!大丈ーー夫そうね…。ええ。」

俺の姿を見た矢那さんは駆けて来たが、途中で全く平気そうな俺に気付いたのかトーンが幾分ダウンしていた。

「久しぶりだね矢那さん。この通り大丈夫だよ。」

思えば遠征で一週間ほど、矢那さんとは顔をあわせなかったなぁ…。

って、なんか今の発言超仲良さそうじゃね?!

「はぁ…。心配したのよ…。アインハルトに斬られたって聞いたから。」

「はは。心配してくれてありがとう。でも、もう治してもらったから。」

言いつつ左腕の傷跡を見せる。

多少痛々しくはあるかもしれないが、心配ないのはわかってくれるだろう。

しかし、矢那さんはキョトンとした顔を浮かべるだけだ。

「まだ治ってないじゃない。」

そんなことをのたまう矢那さん。

「え?いや、傷跡はあるけど、もう治ってるよ。痛みも引いてるし。」

「神聖術でも深い傷は傷跡が残ってしまいますからね。」

俺の傷跡を見てスチュワートさんが付け加える。

スチュワートさんの様子からすると特におかしなところは無いみたいだが。

「はぁ…。何言ってるのよ。ほら、手貸して。」

言いつつ矢那さんが俺の左腕を取る。

「神よ。我が身の祝福をもって、彼の者の傷を癒やしたまえ。」

まさか、神聖術?

ということは、これから矢那さんが僕の腕に…その…唇を?

残念ながら…というかなんというか、それは杞憂に終わり、矢那さんはすぐに手を放した。

なんとその間に俺の傷跡は綺麗さっぱり無くなっていた。

「凄い…。跡が全く残ってない。」

「嘘…。」

「上手くいったわね。祝福が残ってて良かったわ。」

「ありがとう。矢那さん。びっくりしたよ。神聖術を使えるなんて。」

「昔の仲間の一人に祝福を貰ったのよ。あのときは思い出のつもりだったんだけど…。」


「な、何をしたんですか?!」

スチュワートさんの大声が礼拝堂に響く。

「な、何って。神聖術でしょ?」

「神聖術でここまで綺麗に傷は治りません!こんなの、治療じゃなくて奇跡じゃないですか!!」

「落ち着きなさいよ。」

矢那さんは、100年前の聖女様はこう仰った。


「神聖術は神の奇跡を引き起こすものでしょう?」

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