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神官2

セルレイン共和国への凱旋を果たした俺や、傷ついた兵士たちはそのまま教会に向かう流れとなった。


教会では、人を癒やす神聖術を扱える神官たちがいるらしい。

神聖術は神の奇跡を再現する特殊な術式のことで、これは普通の式具では再現できないらしい。

神に祈り、正しき心を持った人間のみが、神から使いとして選ばれ、神聖術の使用を可能とするらしい。

そんな便利な能力があるなら戦場に連れてこいという話になるのだが、教会は基本的に戦争に関与しない。

というのも、教会はセルレイン共和国だけでなく、帝国や今回戦ったアーバント国にもある。

仮にセルレインが神官を戦場に連れ出すと、アーバントもそうしただろう。

そうなると教会の人間が敵同士として戦場で出会うことになってしまう。

協会からしたら共倒れもいいとこなので、戦争には介入しない習わしとなっているそうだ。

教会の癒やしの力は戦争だけでなく一般生活にも深く関係していて、その発言力が高く、各国も教会においそれと手出しはできないためそれを黙認している。

とはいえ、人々に神の奇跡を見せるのが教会の存在意義である。と、いうことで折衷案として、戦後に傷ついた兵士たちは癒やしてくれるのだ。


ということで傷ついた兵士一行は教会で治療を受けることとなった。

俺もキョウカに腕を切られているのでその一人だ。

魔力による強化は痛覚に対する耐性にも作用する。そのため、なんとか泣き喚かなくて済んだが、それでも毎夜眠れない夜だった。

それから解放されるというのはとにかく有り難い。

俺は勇者ということもあって最優先に治療されることになった。

もっと重症な兵士達には悪いが…俺が言い出したんじゃないから許してほしい。

「では勇者様、治療を始めます。」

教会の一室、俺の治療に当たるシスターは俺の傷口にその唇を当てたかと思うと、

「我が神よ。」

そう呟いた。いや、傷口に口つけながら喋らないでほしい。痛…くない?

どころか不思議な暖かさが腕を包んでいる。それが痛みを和らげてくれているようだ。

そう気付いたときにはシスターは傷口を放していた。

見てみると、傷跡こそ残っているものの傷は治っていた。

痛みももう無い。

「これで治療は完了です。」

シスターはそう言いながら唇を舐めた。妙に赤いのは口紅のせいだと思いたい。

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