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剣士9

叫び声と同時にキョウカが突進する。

体制を低くしたクラウチングスタートのような姿勢だ。

会話に気を取られ、叫び声に怯んだせいで、反応が一瞬遅れる。

「ファイアボール!」

しかし、それはほんの一瞬だ。すぐに迎撃のファイアボールを放つ。

だがキョウカは、低い体制を更に低くしてそれを下からくぐり抜けて回避した。

「っ!ふ、ファイアボール!」

予想外の回避方法に驚き、次のファイアボールの狙いが上手く定まらなかった。僅かに左に逸れている。

キョウカはそれを見切って体を少し右に反らすだけでファイアボールを回避した。

「このっ!ファイアー

「アインハルト流抜刀術。」

三発目は許されなかった。

キョウカの刀が前に突き出していた俺の左腕を切り裂いた。

赤い血が吹き出す。

「うわぁぁぁぁ!!!」

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い熱い熱い熱い熱い痛い。

激しい痛みが、感じたことのない刺激が脳を走り思考を埋め尽くす。

右手で傷口を押さえつけるが、血が止まらない。痛みも全く引かない。

どうしたらー痛い痛い痛いー助けて。

「なんだ。斬られるのは初めてか?」

キョウカが呆れたような声を上げる。同時に刀を振り上げた。

刀ー痛み、あれがもう一度?嫌だ。

「エクスプロージョン!」

右手につけた式具を発動させる。

式具から炎の爆発が発生し俺を包み込む。

キョウカはさすがの判断速度で後ろに飛び退いてそれを回避する。

「けっ、詰まんねぇ技使いやがって。ん…。さすがに刀の間合いよりは広いか?」

キョウカは刀を前に突き出して先程の爆発と見比べる。

エクスプロージョンは自身の周囲に爆発を発生させる術式だ。全方位を攻撃できる一方、射程は短い。

が、それでも剣の間合いよりかは幾分長い。

そうだ、考えろ。痛みを忘れろ。戦うんだ。

恐怖で一瞬斬られた痛みを忘れることができた。今もキョウカを見続けることで痛みから開放されている。

痛みから逃れたい、そんな子供みたいな理由で必死に戦う方法を考える。

どうすればいい?ファイアボールは避けられる。エクスプロージョンの間合いも見切られてる。

相手の方が技量は上、見切られている以上、相手の知っている技で倒すのは不可能に近い。

しかし、持っている式具はこの2つだけだ。他に隠し玉は無い。

必死で頭を回すが、良いアイデアが出てこない。

そもそも、超人同士の物理法則無視したような戦いを、素人の俺がこなすということ自体が無理がある。想像もつかないような事ばかり起きるのだ。

速すぎて空気の粘性を感じるのに、力が強過ぎてその粘性を無視できるとか、前の世界ではあり得ない考え方だ。

あの抜刀術だって、見えないのはまさか光速超えてるとかじゃないだろうな。

周りの空気なんかも切ってるんだろうか?いやーもしかしたらー

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