剣士2
元の世界の戦争と、異世界の戦争には大きな違いがある。
それが、魔力を持った超人の存在だ。
彼らは歩兵のサイズで、戦闘機の速度で動き、爆撃機の火力を放ち、戦車のように強靭で、歩兵のように補給が簡単ときている。
一人ながら、その戦闘力はまさに一騎当千。戦局を左右する存在だ。
そんな超人を倒す方法は、二種類に分けられる。
一つ、もっと強い超人で倒す。
一つ、飽和攻撃で死ぬまで戦い続ける。
とはいえ、実質的には飽和攻撃で殺すというのは非現実的だ。
なんと言っても囲まれても一瞬で離脱できるし、包囲網を突破するのも簡単な存在だ。
国ごと包囲でもしない限り、そうそう実現できるものではない。
となると、現実的なプランはやはりもっと強い超人で倒す事になる。
勿論、じゃあ用意しましょうと言って用意できるものじゃない。
超人の存在は突然変異で、出生をコントロールはできない。
超人を圧倒できる超人ともなると尚更だ。
つまり、異世界での戦争は詰まるところ、「最強の超人対最強の超人」に集約される。
集められた何千、何万の兵士は、少し自分側の最強の超人を有利にするための補助の役割でしかない。
つまり
「極端な話、勇者様が相手の最強の超人を倒せば戦争は勝ったも同然です。理屈的には勇者様一人で敵兵士全員を倒せることと同義ですから。」
「逆もまた然り…だよな。」
リーランドのまとめに俺はため息をつく。
俺は戦争に行くにあたって、戦争の基礎的なことからリーランドに教わっていた。とはいえ、初めて聞いたことはさっきの超人関係の話ぐらいで、それ以外は、元の世界の兵法と大して変わらない。いや、変わらないと思えるぐらいの話しかされてないというべきか。
軍での俺の立ち位置はリーランド直轄の部下と言うことになっている。
しかしながらその優先度は騎士長であるリーランドはおろか国の最高責任者である評議員にも勝るらしい。
「まぁ、そこまで責任を感じる必要もありません。こう考えてください。この国には元々勇者様はいらっしゃらなかったんだ。と。」
なるほど…。まぁ、そう言ってくれると少しは気が楽だ。
「もし、俺が負けたらどうなるの?」
「…可能であれば撤退ですが、順当に行けば降伏することになります。」
やっぱり責任重大じゃないか、俺。




