表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『僕のペットは魔獣らしい。ついでに畑も作ってます』  作者: キトン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/31

第28話 王都で買った種から『災厄の妖精』が爆誕した。

タロウは岩竜テーブルの横で、「よし、果樹園の前にまずは夏野菜を植えるぞ!」と王都で買った種を土に埋めた。


「ウーちゃん、お水よろしくー」


腰のジョウロ(水精霊王)がドヤ顔で極上の清流を注ぐと、Sランクの土壌の力も合わさり、種は一瞬で発芽。大人の背丈ほどある、神秘的な光を放つ巨大な『つぼみ』が膨らみ始めた。


「待って……あの魔力、ただの花じゃないわ! あれは伝説に聞く『災厄の妖精カラミティ・ピクシー』の……!」


クロエが顔面を蒼白にして短剣を構えた、その瞬間。


ポンッ!


花が弾け、まばゆい光と共に小さな影が飛び出した。


中から現れたのは、キラキラと光る鱗粉をまとった、手のひらサイズの小さな妖精だ。


妖精は目をパチクリさせると、自分に極上の魔力(水と土)を与えてくれたタロウを真っ直ぐに見つめた。そして、弾丸のようなスピードで飛んできて、タロウの鼻先にピタッと抱きついた。


「……パパぁっ!!」


「ええええええええ!? 災厄の妖精が、なんでただの農家をパパって呼んでるのよ!!」


セシリアが絶叫するが、タロウは1秒の迷いもなく満面の笑みを浮かべた。


「おっ、花からすっごい可愛い女の子が生まれたぞ! そっかそっか、俺が種から育てたんだから、俺がパパか! よーし、初めまして! パパですよー!」


「ぱぱー!」


タロウは妖精をそっと両手で包み込むと、自分の『麦わら帽子の上』に乗せてやった。妖精はそこがすっかり気に入ったのか、タロウの頭の上を特等席にして、嬉しそうに小さな足をパタパタさせている。


「うーん、でも困ったな」


タロウが腕を組んで、植えたばかりのトマトやキュウリの苗を見下ろした。


「ここは南の島だけど、夜は少し海風が冷えるから、夏野菜の苗には厳しいかもしれない。本当は、温度を一定に保てる『ビニールハウス』みたいなものがあれば一番いいんだけど……」


その言葉を聞いた瞬間、麦わら帽子の上にいた妖精娘がパッと立ち上がった。


「パパ! わたし、おてつだいするー!」


「おっ? どしたの?」


妖精娘はタロウの頭からふわりと飛び上がると、くるくると楽しそうに宙を舞い、キラキラと輝く鱗粉を畑の周囲に振りまき始めた。


それは本来、国一つを光の空間に閉じ込め、外界のあらゆる物理・魔法干渉を完全にシャットアウトする


『絶対封印指定の古代魔法エターナル・サンクチュアリ』の発動詠唱。


シュゥゥゥン……!


畑の上空を覆うように、見えないけれどほんのりと温かく、完璧に温度と湿度が保たれた『光の半球ドーム』が形成された。


「うわーっ! 中がすっごくぽかぽかしてる! 外の風も全然入ってこないぞ!」


「お前、魔法で『ビニールハウス』作れるのか! これなら一年中、最高に美味しい夏野菜が育てられるぞ! よしよし、すっごく偉いぞー!」


タロウが指の腹で優しく頭を撫でてやると、妖精娘はタロウの頬にすりすりとおでこを擦り付けた。


「えへへー! パパ、やさしい!」


「……神話の時代に魔王を封印した絶対結界が、ただの『温室ビニールハウス』に使われてるわね」


「なんで伝説の封印魔法でトマト育ててるのよぉぉ!!」


「よーし、これで夏野菜が安定するぞ!」


「えへへー! パパだいすき!」


畑の外では、岩竜が結界に触れないようにそっと距離を取っていた。


こうしてタロウは、災厄の妖精の「パパ」になった。

今回もお付き合いいただきありがとうございます!

タロウの物語、楽しんでいただけているでしょうか?


少しでも面白いと感じていただけたら、ぜひ画面下にある**【☆☆☆☆☆】をポチッと押して**応援していただけると、明日からの執筆の大きなモチベーションになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ