表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/395

戦線①

 賊狩りで経験を積んだアカツキ隊は、防衛網の一角へと配属された。

 配属されたと言っても、ギヨウ達は遊撃部隊として配属されたため、自由に戦う事が許されていた。

 アカツキ隊は、その小さい一角ではあるのだが、そこで知らぬものがいないほど活躍をしていた。

 そして今日も、アカツキ隊は戦っていた。


「いくぞ!アカツキ隊、突撃だ!」


 ギヨウは先頭で騎馬を駆り、敵の部隊へと突っ込む。

 リーグカルの部隊に少し騎馬兵を足して、シルルとリーグカル、それぞれに百の騎馬隊を作った。


「くそっ!なんだこいつら!強すぎるぞ!後ろへ引くぞ!」


 リーグカルの部隊は正規の部隊であったため強く、更にギヨウが先頭で敵を蹴散らすものだから、戦えばたいていの敵はすぐに引くのである。


「ジガーソ隊長!後ろに、敵兵が!」

「なにい!いったいどこから……」


 しかし、そこには森を素早く切り抜けて来たミュエネの歩兵部隊が現れる。


「どうすれば良いのですか?ジガーソ隊長!」

「くっ……せめて敵大将の首を取るぞ!私に続け!」


 挟まれた敵が取る行動は様々であるが、負けを悟り、無謀にもギヨウへと向かってくる敵将も多かった。

 ギヨウは部隊から突出しており、敵将は簡単にギヨウへと肉薄してしまう。


「その首、もらった!」

「ふんっ!」


 しかしギヨウは、向かってくる敵将を一刀の元に斬り伏せてしまう。

 そして、敵将を失った敵部隊は、アカツキ隊に簡単にやられてしまうのである。

 

 これが、ローゼオロメメアが考え出した必勝の策であった。

 


     ♦



 夜になると、アカツキ隊は味方陣の近くへと戻り、野営を始める。


「今日も勝ったなぁ!」

「いやぁ、優秀な軍師がいるとやっぱり違うな。ギヨウについて行くんじゃ命がいくつあっても足りねえからな」


 シンザとダククガが酒を飲んで調子づいてそんな事を言う。


「どういう意味だこら」


 その二人の頭をギヨウは抱え込む。


「で、でも!隊長も凄いです。相手の大将をあんなにあっさり倒すなんて」


 そう言ったのは、同じ焚火を囲んで、酒を飲んでいた少年である。


「おう、よくわかってるじゃねえか、ゼン」


 デサと呼ばれた少年は、先日の募兵で入って来たリーグカルの甥である。

 とても戦いに向いているとは思えないあどけない顔つきで、実際にあまり戦いは得意ではない。

 それでも、彼は国を守るために立ち上がったのである。


「隊長が敵を切る度に、俺達もやってやるって気分になるんだよなぁ」


 そう言ったのも、先日の募兵で入って来たイズエラである。

 イズエラは、槍上手であるため騎兵に配置したのだが、逆に馬の扱いは苦手でよく転げ落ちている。それでも、すぐに態勢を立て直して、敵を倒すのだ。

 

 その言葉に、シタダイルの頃からギヨウと共に戦っている、ユモンザやジャラハクガも頷いた。


「あまり褒めるな、調子に乗るぞ」


 更に、ダンレンとイイルダも話に加わって来る。


「本当だよ。せっかく後ろで待ってたのにさ。強い奴は隊長に取られちまうんだ」


 ギラグの戦士レシヘストは、少しずれた文句をつける。


「大人気ね」


 仲間に囲まれるギヨウの隣で、ミュエネは小さい声で呟いた。


「別に嬉しかねえよ」


 ギヨウが照れ隠しに言うが、


「嬉しいくせにな」


 シルルはそれを見破ってしまう。


「なんにせよ、部隊の空気が良いのはいいことだ」


 ローゼオロメメアが言うが、彼女の様子にギヨウは文句を言う。


「あっ!お前!」


 彼女は上質な椅子に座り、その隣には何人かが待機していて、彼女の持つ杯に飲み物を注いだり、食べ物を持ってきたりしていた。


(俺より良い待遇じゃねえか)


 怒るのを通り越して、呆れるほどである。


「お前ら、あんまり甘やかすなよ」


 だが、ローゼオロメメアが部隊に認められているのはいい事なので、怒る事はしなかった。

 

 それからも、夜の宴は続く。

 新しい仲間とも打ち解け、アカツキ隊は、より強固な部隊へとなったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ