女達の想い⑥
ギヨウは凄く困惑していた。
まず、部屋へと戻ってきたのがシルルであったことである。
先程部屋を出て行ったミュエネが、戻って来るとばかり考えていたのだ。。
そして、更にシルルの恰好である。
シルルは、いつも上と下が繋がった服を着ている。
その露出は当然少ない。
しかし、シルルが来ている衣装は妙に布が薄く、露出の多いひらひらとした衣装なのである。
元々色気が皆無のシルルだが、なんだか少し扇情的に見える気がした。。
明らかにいつもと様子が違うシルルに、ギヨウは強く困惑したのである。
そこでギヨウが取った行動は――寝たふりだった。
シルルの姿を確認した直後に、寝返りを打つふりをして、ギヨウは後ろを向いたのである。
「まったく……」
普段、シルルははきはきと喋り、凛々しいという印象が強い。
しかし、その日のシルルはどこか艶めかしい声を出しているように感じた。
そして、ギヨウにとって驚くべきことが起こる。
布団がめくられ、シルルがギヨウの寝所へと侵入してきたのである。
少し涼しい夜ではあるが、シルルの体はギヨウに密着し、服越しに熱い位の熱を感じる。
ミュエネと違ってまるで起伏のない体だが、女性らしい柔らかさをギヨウは感じる。
普段は凛々しいシルルから女性を感じ、ギヨウは心臓の鼓動を速くさせた。
「おい」
シルルは言葉と共にギヨウの頭を掴むと、
「こちらを向け」
無理矢理ギヨウの首を回そうとした。
「いたた!やめろよ!」
しかし体の構造上、当然首が回るはずもない。
ギヨウが仕方なくシルルの方を向くと、シルルの顔が目の前にある。
男勝りならシルルではあるが、目鼻立ちはくっきりとしており、かなりの美人である。
そのためか、見慣れた顔だが、ギヨウは少しだけシルルの顔を見入ってしまったのだった。
「なんで寝たふりをする」
何故と言われれば、何故かはギヨウにもわからない。
「いや……その……ミュエネと……したからよ」
ミュエネと厳密に話し合って恋仲になったわけではないが、二人と同時にと言うわけには、
「ミュエネとは話し合い済みだ。全員でいいという事になった」
いかないわけはないみたいである。
「だからってさ……お前は違うだろ」
「なにがだ?」
「ゼルバが好きなんじゃないのか?」
ことあるごとにゼルバ様、ゼルバ様というシルルである。
ギヨウはそうだと思っていた。
「いや、私もそうだと思っていたが……そうじゃなかったんだ」
しかし、シルルは否定する。
「ゼルバ様に対する感情は、憧れや、尊敬だったんだ」
それは恋愛とは、近いようで遠いものである。
「そしてこれが」
シルル態勢を入れ替えて、ギヨウの上に馬乗りになった。
「私の想いだ」




