表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
188/395

女達の想い④

 ギヨウは凄く困惑していた。


 まず、部屋へと一番に戻ってきたのがミュエネであったことである。

 シルルが話を聞きに行ったのだから、シルルが先に戻って来て、ギヨウに状況を伝えてくれると思っていたのだ。


 そして、更にミュエネの恰好である。

 ミュエネは、いつも森の民の衣装を着ている。

 そのため、露出が多い服を着ているのだが、今ミュエネはいつもとは違う服を着ているのであった。

 ただ、その衣装が妙に布が薄く、ひらひらとした衣装なのである。

 元々色気の強いミュエネが、いつも以上に扇情的な状態になっていたのだ。


 明らかにいつもと様子が違うミュエネに、ギヨウは強く困惑したのである。

 そこでギヨウが取った行動は――寝たふりだった。

 ミュエネの姿を確認した直後に、寝返りを打つふりをして、ギヨウは後ろを向いたのである。


「起きてるんでしょう?」


 そうしてギヨウは、少しの間寝たふりをしていた。

 だが、ミュエネの声が近づいてくる。

 

 いや、それどころではない。

 息遣いが聞こえる程近くまでミュエネは来ているのだ。


 そして、ギヨウにとって驚くべきことが起こる。 


 布団がめくられ、ミュエネがギヨウの寝所へと侵入してきたのである。

 少し涼しい夜ではあるが、ミュエネの体はギヨウに密着し、服越しに熱い位の熱を感じる。

 確かに、戦場ではミュエネは、ギヨウの馬の後ろに乗るため、これくらい密着しているのかもしれない。

 だが、それとはまるで違うのである。

 戦場で密着するのと、夜に寝所で密着するのはまるで違うのである。

 そのため、ギヨウの心臓は驚くほど速く鼓動し、ばくばくという音が聞こえるのではないかと思う程であった。

 しかし、ギヨウは気付く、それはミュエネも同じだと言う事に。

 ミュエネの心臓の鼓動も速く、体を密着させているギヨウは、その大きな胸越しにそれを感じ取ることが出来たのだ。


「ねえ……」


 ミュエネが耳元で囁く。

 これも、戦場ではよくあることである。

 しかし、これもまるで違のだ。


「あ、ああ」


 いい加減、寝たふりをするのも限界で、ギヨウは返事をしてしまう。


「その、なんだ……どうしたんだ?」


 ギヨウは、極力普通のふりをして問いかける。


 すると、何故かミュエネはギヨウの背中を後ろから拳で軽く何回も叩く。

 

「わからないわけじゃないでしょう?」


 しかし、すぐに身を寄せ直すと、ギヨウの手に自分の手を絡ませながら、再び耳元で囁く。

 いかにギヨウとて、今この状況で、それが何を意味するのかわからないわけではない。


「いや……その……急で……」


 ギヨウからすれば、そうとしか言いようがないのだ。

 何故、急にこんな展開になっているのかもわからない。


「今回捕まって思ったの。今回は何もなかったけど、普通ならそういう事をされるって……」


 戦場で女が捕まれば、されることは一つである。


「そうなる前に、せめて初めてはあなたに……って」

「あ、ああ」


 耳元で囁くミュエネの声に、ギヨウはどう答えていいかわからず、生返事をしてしまう。


「ねえ、こっちを向いて」


 ミュエネは、ギヨウが自分の方を向けるように、後ろからギヨウの手に絡ませている自分の手を離す。

 ギヨウは少し迷ったが、ミュエネの方へと振り向いた。

 部屋は暗いが、すぐ近くにあるミュエネの顔は良く見えた。

 

 ギヨウが自分の方を向くと、ミュエネは再びギヨウの手を取って、自分のお腹へと導く。

 そして、顔を近づけてギヨウに囁いたのだ。


「今日は、好きなだけお腹触っていいわよ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ