女達の想い③
ギヨウは待っていた。
特にすることもないので、アカツキ隊の編成の事でローゼオロメメアに相談に行ったところ、何故かいなかった。
そのため、ギヨウは再び部屋に戻って待つことになる。
しかし、待てども待てども、シルルも、ミュエネも、ローゼオロメメアも、帰ってこなかったのだ。
ついには痺れを切らして一階へと降りる。
「なあ、シルル達どこ行ったかしらないか?」
「副長ですか?さあ……」
「さっき見たけどなぁ」
「わかりませんねえ」
そして、外に出てシルル達を探したのだが、やはり見つからなかったため、仕方がなくギヨウは家へと戻る。
「まっ、飯の時間になれば帰って来るだろ」
もう昼過ぎであり、ギヨウはそう考えると、おもむろに夕飯の準備を始めたのだった。
どうにも、ただ待つと言う事が出来ない男である。
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そして夕食の時間になると、ギヨウはアカツキ隊を呼び込んで食堂を解放する。
「おい、飯が出来たぞ!」
ギヨウが叫ぶと、次から次にアカツキ隊の面々が中へと入って来る。
「おっ、今日は隊長が飯作ってくれたのかよ」
「嬉しいなぁ」
「俺、大盛で!」
アカツキ隊の全員が、勝手に村に住み着いているわけではない。
それでも相当な人数がおり、ギヨウは忙しいので、毎回ギヨウが飯を振舞っていると言うわけではない。
そのため、ギヨウが飯を作って振舞う日は、アカツキ隊にとっては特別な日だったのだ。
「うめぇ」
「うめぇ!」
「うめぇえええ!」
知能が下がったのか、元々知能が低かったのかわからないが、アカツキ隊の面々が低い語彙力で叫ぶ。
「隊長、疲れただろ。分けるだけなら俺達にも出来るから任せてくれよ」
そこに、食事を終えたゼオヤムギアやイズエラが来て、配膳係を申し出る。
「ああ、悪いな」
一心不乱に動いていたギヨウだが、本来の目的を思い出して、その場を仲間に任せる事にする。
元々はシルル達を探していたのである。
そして、それはすぐに見つかる。
食事を渡した覚えはないが、シルルとミュエネ、それにローゼオロメメアの三人で食事をしていた。
そして三人は、とても楽しそうに談笑していたのである。
「よ……」
この空気ならと、ギヨウは三人へと話しかけようとした。しかし、いち早く気付いたシルルに何故か睨まれる。
そのため、ギヨウは言葉を途中で止める。
更に、ギヨウにどっか行けと言わんばかりに、シルルは手で払う動作をした。
それを受けて、ギヨウはすごすごと帰るしかなかった。
その後も、どうにも噛み合わず、ギヨウはシルル達と話すことは出来なかった。
そして、夜となる。
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夜になれば、いつものようにシルルもミュエネも、眠るために部屋へと帰って来るとギヨウは思っていた。
「戻って来ねえ」
しかし、ミュエネはおろか、何故かシルルまでもが部屋には戻って来なかったのである。
「たくっ、なんだってんだよ」
いつもなら、もう寝る時間である。
「まあいいや、寝るか」
ギヨウは待つのはやめて、眠るために自分の寝所へと入った。
それから、しばらく経ってからである。
部屋の扉が開き、誰かが入ってくる。
「ギヨウ、寝てる?」
それは、ミュエネだった。




