39 尾行
文字だけで表現って本当に大変ですね、他の作者様が本当にすごいと思う最近この頃です
時間にしては2時間程ゆっくりと街の人達と話していると市場の人も減ってきて朝程の賑わいがなくなった後もう一度市場の商人たちに挨拶をして神父は市場を離れた。
もちろん俺達はその二時間の間ずっと建物の影に隠れて様子を伺っていた、正直もう帰りたいめんどくさい。
しかし目的の神父が市場を離れてまた動き出したのだ、教会の外に出ている理由が街の人々との交流?布教?どっちでもいいがさっきの行動が目的ならこれから何かする可能性が高い、もしなにもしなくても教会の関係者が使う出入り口が分かる。 今一度気合いを入れ直して尾行を続ける。
市場を離れた神父はすぐには教会に帰らずにウロウロと教会とは関係ない道を歩きながらすれ違う人達と挨拶をしていた。
「ただ挨拶まわりしてるだけなんでしょうか」
「…かもしれん」
正直尾行の対象にバレないように居るのもかなりろうりょくを使う。
そんな苦労を二時間もしてこんな・・・いや、こう言う調査には無駄な努力というのも意味のあることなのだ!
と言うかそう思わないとやってられん
「いや、何もなかった。 それだけで十分せい」
「ご主人様!」
「ふべ」
自分に言い聞かせるようにレンに顔を向けているとレンに頬を押されて神父がいる方向へ向かされた。
「なにかあの神父キョロキョロしてます」
「なんだと!?」
長時間の尾行で死んだ魚の目様になった俺の黒目に光を取り戻し意識を神父に集中する。
確かにレンの言う通り街の人々に振り撒いていた笑顔は既に顔になく、人通りが少なく少し薄暗い路地に続く曲がり角の前でチラチラと周りを気にしていた。
「あの先に証拠があるんだな!ぇえい!モタモタはしてられん!証拠隠滅の前に御用だ!遂に永年の調査が実を結ぶ時!あの先に警部が一生を掛けた事件の真相が!」
「へ?」
あるはずのないハット帽に手をかけるふりをして飛び出そうとする俺を誰かが止める。
「何をいってるのか分かりませんがまたバカなことしようとしてるのは分かります!落ち着いてください!」
「ぐえっ!?ハッ!?俺はいったい何を?」
レンが後ろから首の襟を掴んで引っ張ったので首が圧迫されて俺は正気を取り戻す。
「ゲホゲホ・・・す、すまんまさかいきなりこんなドラマみたいな状況になるとは思ってなくてな、つい舞い上がってしまった」
「どらまって言うのがなにか知りませんけど、ご主人様が尾行しようっていったんですよ?もう・・・」
唇を尖らせながら俺をしかめっ面で見ているレンを視界の端に捉えながら神父が路地に入っていったのを確認してまた神父がみえる場所まで進む。
先ほどまで神父が周辺警戒をしていた曲がり角から顔を出すと丁度神父がボロ小屋に入っていくところをしっかりと視認した。
神父が入っていった小屋は横に並ぶ小屋達とほぼ変わらない形をしていて所々穴が開いてしまっている木製の建物だ、とてもじゃないが誰かが住んでいるいるようには見えない。
「教徒への訪問か?」
「かもしれませんね、出てくるまで待ちますか?」
小屋のなかを見れる場所まで近づきたいがこの人通りが少ない場所では確実にばれる、あんな人が住むような場所には見えないところでなにをしているか気になるがここは安全第一でいこう。
「長すぎないか?」
「そうですね・・・」
神父が小屋に入ること1時間半ほど今か今かと待っているのだが一向に神父は出てこない。
流石にこれだけ備考対象から目を話すのはなにか不安なので一度小屋の前を通る降りをして中の様子を見ようと決断する。
「流石に長すぎる、もしかしたら巻かれたのかもしれない」
小屋の左右と後ろには別の建物があるので裏口があるようには見えないがなかで別の建物に繋がっている可能性もある。
まぁそれはそれでこんな道を使う時点で一応証拠と調査の手がかりになるのだがこれ以上無駄な時間は使いたくない。
「でしたら私が見て来ましょうか?」
「一人でか?」
「はい、ご主人様は髪の毛が短いので顔が見えてますが私は髪を前に垂らせば見えにくくなります」
「確かに・・・」
確かにレンは俺と違い女なので髪は俺りより当然長い、それに加えレンにはそこそこ大きい髪飾りの装備が頭についている、これの角度を変えればより顔が見えにくくなるだろう。
「ではいってきていいですか?」
俺の「確かに」と言う言葉を同意と認識したのかレンは自分の髪をボサボサにしてから適当に掴んで前に持ってきて髪飾りの位置を調整した。
「まぁ・・・いいよ」
「はい、お任せください」
特に止める意味もないので許可を出すとレンが胸をトントンと手のひらで叩いて任せろと微笑んでから神父の入った小屋に向かって歩き出した。
大きな髪飾りと白い髪をボサボサで服はきれいとか前の世界ならかなり特徴的で記憶に残る姿だがここはファンタジーな異世界なのだ、ギルドに通っているから分かるが意外と変な格好の冒険者は多いのだ。
ビキニに大剣とかな
それでも前に神父にされたことや関わったこともあるので心配だ、おつかいに行った子供の帰りを待つ母親の気持ちが分かったような気がする。
そんな俺の気持ちを知らないレンはどんどんと小屋に近づきついには小屋の前を通った。
通る際は小さく咳をしながら口元に手を当ててしっかりと顔が見えない状態にしてからチラリと顔を傾けて室内を見る、俺達の事情を何も知らない人達から見たら分からない程だがほんの少しだけ歩みを遅らせてしっかりと確認しているようだ。
そして目的の小屋を見た後はすぐに逆側に顔を向けて最後までレンの顔を分からないようにしていた。
「ほっ・・・」
レンはしっかり者なのは分かっているがたまにバカな事をするので心配だったがちゃんと出来た様だ。
レンはそのまま一度もスピードを落とさずに小屋のさらに向うの通りに出て俺の見える範囲から出て行った。
恐らくぐるっと回って戻ってくるんだろう、ここは大人しく待っておこう。
しばらく小屋を監視していると俺の背後からレンが俺に声を掛けてきた
「ただいま戻りました」
「ん」
念の為に小屋から目を離さずにレンに返事する。
髪と髪飾りを直しながらまた俺と同じように角から小屋を覗きながら報告を開始する。
「チラリとしか見えませんでしたが・・・・中には誰もいませんでした」
「なんだって!?」
驚きで目を見開いてレンを見た後にすぐに小屋を見る。
やはりどこかへの隠し通路でもあったのか?それとも尾行をまく用のトラップなのか?だとしたらいつも通っているのか?もしかして俺達に気付いていたのか?
まぁなんにせよあの建物と神父は怪しいってことになるのか?
「でも窓と壁の穴からしか室内は見えなかったので」
「室内の様子は?」
「えーっと」
眉間にしわを寄せて詳しい状況を思い出している
「薄暗くて灯りを置いている様子はなかったです、後は木箱とか籠とかありましたし人が住んでいると言うより物置に見えました」
「外見通りの建物ってことか」
まぁよく見えなかっただけの可能性もあるがこれ以上レンと小屋の鑑賞会をしていても仕方がないのでそろそろ出て行こう
「よし、なら直接いくか」
「大丈夫ですかね・・・・」
俺を見ながら不安そうな顔をする。
「レンが見に行かなくてもこれだけ待って出てこないしずっとこうしてるわけにはいかない」
「まぁそうですが・・・分かりました」
決心した俺達は建物の角に隠していた身体を表に出して小屋に向かって歩き出した
今まで小説を読む立場だったからわからなかったですがこう言う事件物や謎解きものの話って読むほうも次の話を待つ忍耐力が必要だと思ったら、書く方がもっと忍耐力いるんですね・・・




