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魔法と剣と俺だけ銃の世界  作者: 俺のだけのバリアフリー
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レンの食事と着替えを終わられた俺達はメマ村の村長に貰った紙を見せて馬車を出してもらえるようにお願いするとなんとここで報酬も貰えると言われた。

俺はてっきり報酬は依頼を受けた街でしか貰えないと思っていたがどうやら報酬はどこでも貰えるそうだ、ただ依頼を終わらせて報酬は依頼の紙と交換なのでそれで馬車が借りれないらしい。


だからこの街からはラヌゼーイ街まで一直線に帰らないと途中から歩きか自分で御者を雇わないといけないらしい。

と言っても別にラヌゼーイ街に荷物を置いているとか誰か待っているとかではないので帰る必要はないのだが宿を数日分の料金を払っているので勿体ない。


メマ村に行ったときに乗った馬車と全く同じ形をした馬車に乗ってラヌゼーイ街に向かう。

御者の話によると一日程で着くそうだ、俺達は死にそうになりながら馬車で一日かかる距離を自力で移動したことになる。


「そう言えば聞きたいんだが」

「なんですか?」


馬車に揺られながらメマ村がある方向、つまり俺達が向かっている方向と真逆を見ていたがふと気になった事があったのでレンに聞いてみることにした。


「レンの首輪をどうにかした時にえっと・・・」

「直属奴隷契約ですか?」


「そうそれ。 それってなんだ?」

「え・・・知らずに直属奴隷契約をしたんですか?」


そりゃ直属奴隷契約ってなに?って聞いている余裕も時間もなかったのだから知っているわけがないだろう。

俺達の命が助かって安心していたので気にしてなかったが落ち着いた今レンが首輪がないこともそうだが首の入れ墨のような刻印も気になる。

第一首輪がなくて済むならない方がいいんじゃないだろうか


「そうですか・・・まぁいいです、ご主人様はそう言う人ですもんね。 分かりました説明しますね」


ガクッと肩を落としてうなだれたがすぐに顔を上げて説明を始めてくれた。


「元々奴隷と言うのは人間としての名誉・権利・自由を認められず、他人の所有物として取り扱われる人で所有者の全的支配に服し、労働を強制され、譲渡・売買の対象とされた人の事を言います。

そして奴隷は必要がなくなれば薬や餌として捨てることも可能ですが他人へ売ってお金にすることも出来ます、もちろん時間と共に価値は下がるので現物資産としては特定の物しか意味はありませんけど」

「なんかレンらしくない詳しい説明だな、それに特定の奴隷?」


何だか辞書の言葉をそのまま読み上げるような説明と口調に違和感を覚えたのでそのまま口にするとまたしてもレンがムスッとした、しわ増えそう。


「私だってバカじゃないですよ!・・・奴隷になったときに教えられた言葉を暗記してるだけですけど・・・。

と に か く!特定の奴隷は亡国の王や妃ですよ、そう言う奴隷は生きているだけで価値があったりしますから。」

「なるほどな」


確かにそう言う人物は普通の奴隷とは違った価値があるんだろうな、もっともそんな奴隷は滅多にいないだろうけど


レンはふぅと一息入れてから首輪があった所を触りながら説明を続ける。


「それでですね、私を買ったとき・・・タダでしたから引き取ったと言うべきでしょうか。

その時に書類が私の首輪に吸収されたのを覚えてますか?あれが私の奴隷としての権利・・所得証明書みたいなものです。」

「奴隷所持証明書って書いてたな」


「覚えてたんですか?」

「バカにしてるの?」

「い、いえ・・・」


まぁ俺でも覚えていた事は驚きだが・・・・


「ゴ、ゴホン! その奴隷所持証明書と首輪を使えば人に権利を譲渡、つまり売れるんですが直属奴隷契約と言うのは首輪を無くす代わりに人に売れなくなる・・・一生その人の奴隷になる契約です。

この契約については私も詳しくは知らないのですが本来国が奴隷を所持する場合などに使われると聞ききますね」

「奴隷の説明を受けるたびに奴隷になりたくないって気持ちが強くなるわ、それで首輪なくなったからさっきみたいな危機はなくなったのか」


「んーっと・・・首輪が壊されると言う事はなくなりましたけど体の中に魔法陣が移動しただけなので逃げたりしたら普通に死にますよ」

「・・・・しょっちゅう死にますとか他人事みたいに言ってるけど怖くないの?バカなの?」


もし俺が奴隷になったら毎日泣いて絶望してしまうだろう。

それなのにレンはいつも冷静にしていられるのだから俺はある意味尊敬する。


「ふふふ、私がご主人様から逃げる訳ないじゃないですか。 ご主人様だって私を殺したりないでしょう?私はご主人様の奴隷と言う事に誇りを持ってますから問題ないですよ、私は死にません」

「さっき死にかけてたじゃん、もう忘れたのアホだな」

「・・・・・・」


誇らしげな表情からまた不機嫌な顔になったレンを無視して空を見上げる。

奴隷になってしまったレンも可哀想だが別に俺が苦労しているわけではないのであくまでも他人事の様にぼんやりと考えながら馬車に揺られ続けた。





馬車に揺られる事一日ちょっと、ラヌゼーイ街に着いたのは昼過ぎだった。

念の為に冒険者ギルドに報酬を貰ったこととドラゴンではなく少数のゴブリンの仕業だと報告してからギルドを後にした。


ギルドを出た俺達は宿までの道を歩いてた。


「そうだ、折角だから何か食べるか?」


唐突に馬車に乗っている一日ちょっとの時間を干し肉しか食べてない事を思い出してどこかで何か食べようと提案する。

干し肉もとても美味しいがいくら美味しいと言ってもずっと干し肉では飽きてしまう。


「そんな事奴隷に聞かないでくださいよ・・・    食べたいですけど・・・」


ボソリと食べたいと言う言葉が聞こえたので食べることに決定した。

適当に街を歩きながら飲食店を探しているといい匂いがしているちょっと高そうなレストランを見つける。


「あそこいこう!あれあれ!」

「どれですか?・・・え゛あれ・・・ですか・・・?」


俺の指さすレストランを見て驚きの声を上げた後、自分の見ている店があっているか確認するようにレストランを指さして確認してくる。


「そうそうあれあれ」

「あんな高級店・・私食べれませんよ・・・」


若干顔を引きつらせながら無理無理と首を振る、確かにこの世界で行った店より高そうだが俺が違う世界から来たせいかファミレスの方がよっぽど高級店に見える。


「レンはご主人様が決めた事を守らないイケない子なんだな」

「違いますけど・・あそこに入ったら私も食べないといけないんですよね?」

「あたりまえだろう」


なんで一緒に入って俺だけ食べないといけないんだ、訳が分からん。


「はぁ・・・分かりました入りましょう」


レストランに入るとそこらの酒場と違いウェイトレスが席まで案内してくれて座る、俺の対面側にレンが喉に手を当てて咳をしながら座るとウェイトレスが俺とレンを交互に見ていたが俺が「どれにしようか?」とメニュー表を見せると一礼して下がって行った。


「ふぅ・・・なにか言われるとかと思いましたよ」

「んで、何にする?」

「あ、ありがとうございます」


俺の渡したメニュー表を受け取ってどれどれと目を通す。


「どういうのがいいですか?」

「んーどういうのって言われても特に分からないからレンが選んでくれ」

「わかりました。  そうですねぇ・・うーん、最近お肉ばかりでしたからそろそろお野菜を取らないといけないですね」


ん?何か嫌な予感がするぞ


「サラダと・・栄養のあるスープとえっと」

「ま、まて!待ってくれ!」

「はい?」


何かオカンのような事を言い出したのでストップをかける。


折角普段より高いお店来たのに野菜や栄養を気にしないといけないんだ!?俺は美味しい物を食べに来たのであって栄養を取りに来たの訳じゃない、栄養ならビタミン剤と野菜ジュースくらいでいいだろう?


「栄養とかそう言うのは気にしなくていいから今は美味しい物を食べよう な?」

「ダメですよ、昨日まで死ぬように眠ってたじゃないですか。 まだ栄養をつけないといけない時ですよ」

「そ、そんなぁ」


ここでメニュー表を奪って見ても何が何だか分からず注文出来ないだろう、ガクリと肩を落としてレンが選ぶのを指をくわえて見る他なかった。


初めにサラダがとか言っていたので何個か注文するのかと思っていると結局レンが注文したのはハギコと言う料理一品だった。


「あれ?一つだけでよかったのか?」

「ご主人様だけサラダを頼みたかったのですがこんな高級店で何品も頼めませんよ」

「別に何品でも頼めばいいんだけどな」


いくら高級店だと言っても金貨数枚持っている俺が払えなくて食い逃げ、と言う事にはならないだろう。

後は注文を待つだけなので肘をついてレンとだべりながら注文の品を待っていると。


「お待たせしました!ハギコです」

「おお来た来た」


注文を受けてくれたウェイトレスがそのハギコを運んで来てくれた。

目の前に置かれたハギコは一つの皿に一切れのパンとタレのかかった薄い肉数枚に野菜が乗ってある。


これがハギコか・・・どれどれ


フォークを手に取って肉を食べようとすると


「あ、ご主人様これはパンとお肉を一緒に食べるんです。 こうして・・・こうです」


レンの言葉に手を止めて目を向けると、食べ方の見本を見せてくれる。

まずパンを千切りその上にお肉を乗せてタレも追加で乗せて完成らしい。


俺も真似をしようとすると「あ、千切らなくてもいいですよ」と教えてもらう、どうやらレンが千切っていたのは女特有のちまちま食べる現象だったみたいだ。

レンの言う通りにパンの上に肉とタレを乗せて食べて見ると、肉の美味しさとタレの味がマッチングしたところをパンがいい感じに歯ごたえを与えてくれる。

まるでパンが肉になったような感覚だ


「こりゃうまい!」

「よかったです、味が濃いので間にサラダを食べてください。  いやな顔しないでくださいよ」

「へいへい 分かりましたよレンお母さん」

「お、おか!?おかぁ・・・」


顔を真っ赤にしてパクパクと口を動かすレン、まるで死にかけの魚みたいだ。

レンの言われた通りにサラダを食べるとシャキシャキの触感に植物の持つ水分が口に広がり口の中を一度リセットしてくれる、確かにこれは間に食べた方が全体の料理を楽しめるな。

こうして俺はレンのおかげで久しぶりにちゃんとした料理を食べれた。







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