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魔法と剣と俺だけ銃の世界  作者: 俺のだけのバリアフリー
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「ハッ!ここは?」


馬車に揺られること数時間後レンが目を覚ましてキョロキョロと周りを見渡す。

冒険者ギルドで説明された内容をレンに説明すると


「ドラゴン!?なんでそんな依頼受けたんですか!!!!!!」


思いっきり怒鳴られた、と言うかキレられた。

それからなぜレンが奴隷になったのかと言うエピソードも説明してくれた、キレながら


「と言う訳で正直微妙な気持ちなんですよ、別に家族が借金を持てば奴隷と売られると言うのは有名な話ですけど、お母さんも村のみんなも私を売ったお金で幸せに生活してるって思うと・・・・」


いくらそれが普通の事で理解はしていても気持ちのいいことではないんだろう、微妙な顔をしている。

もし俺がこの世界で生まれて育っていればニートの俺は真っ先にみんな二つ返事で俺を売るだろうな、日本に生まれてよかった。


「でも家族なんだろ?」

「そうです・・・けど・・・」


「助けたくないか?」

「・・・・分からないです」


レンは俯いたまま顔を上げずに答える。


「ならここで降りるか?俺はレンが行きたくないなら行かないぞ」

「ご主人様・・・」


うるうると涙目になって感動しているみたいだが俺はただレンが行きたくないならドラゴンが居る可能背にがある所に行きたくないだけだ。

この世界で命をかけて・・・自己犠牲をしてまで助ける人なんてレンくらいだろう、薄情かもしれないが俺は普通の人間、いやニートだ。 赤の他人が死んだところで俺には関係ない、わが身大事だ


「私・・・私は・・・お母さんや村のみんなに会ってこんなにも幸せに生きているって見せつけてやります!」

「奴隷なのに幸せなのか?」


首輪つけて私幸せってどこの同人誌だよ


「幸せですよ、ご主人様に拾ってくださっただから」

「俺に?」

「はい!」


そりゃ焼き肉食べたりしてるしあの先輩ちゃんを見ていると他の奴隷に比べると幸せになるのかもしれないけれど、それは井の中の蛙だろう。

もしレンが奴隷として売られていなかったら、ただの村娘だったらもっと大きな幸せが待っていただろう。


「・・・・違うんじゃないか、レンはもっと幸せになれる」

「ふふふお世辞は奴隷にいらないです、これ以上幸せになったら罰が当たりますよ。」


レンはクスクスと本当に幸せそうに笑う。

もしレンが俺の世界に行ったら泡吹いて死にそうだな。


そんな事を考えながらボーっとレンの黒い首輪を見ていた。




二日後俺達は馬車ではなく何もない道の地面に足をつけていた。

村にはモンスター、最悪ドラゴンが居ると言う話なので馬車は村までは送ってくれないのだ。


特に応援の言葉もなく「では」とだけ言って馬車は行ってしまった。


「・・・・なぁレンおばあさんや」

「おばっ!?」

「あの馬車帰って行ったけど俺達帰りはどうするんだ?」


遅いと言えど馬車でここまで二日なのだ歩くとなるとかなりの距離になるだろう。

それを帰りは歩けとか俺ブチ切れるぞ。


「ギルドで出す馬車はあくまでも道案内なので帰りは依頼を出した、今回の依頼だとメマ村が馬車を用意してくれますよ」

「よく知ってるな意外とレンは博学だったのか  ん?」


村があるはずの方向を見ているとレンの視線を感じたのでレンを見ると呆れた顔をされていた。


「その事を聞いて来た時から分かってたんですけど・・・・馬車の御者が途中で説明してましたよ、ちなみにご主人様は干し肉を食べることに夢中になってました」

「そんなこと言ってたっけ、乗り物の揺れは眠気を誘うからなそれにレンが居るから安心だ」

「も、もちろんです!任せてください!えへへ」


胸を張って胸元に手を当てているレンを無視して村の方向へ進むと次第に建物が見えてくる。

しかし建物の中には燃えて潰れたのだろうか燃え尽きて黒い瓦礫の山になっている物もあったが、俺達が見たドラゴンに襲われたのならあの程度で済まないはずだ。




ある程度近づくと近くの森の木に隠れて村の様子を見る。

崩れた瓦礫はただの炭になっているし火も出ていないから時間がかなり経っているのは分かるが人気がない。


「どういうことだろう、もしかしみんな避難したか逃げたとかなのか?」

「どうでしょうか・・・あ!」

「ん?」

「あれを」


レンの指を指す方向を見ると無事な建物の窓から人の影がチラリと見えた。

だがチラリとだ、人の様に見えたがもしかすると住み着いたモンスターかもしれない。


こういう時偵察ドローンとかあればいいのだが・・・操作画面を見るとDPはエージスを作るのに6000使って元が少なくなっていたのでぎりぎり2000あるかないかだ・・・。

今新しい何かを作るのは得策じゃない、だからと言って俺が偵察すると言えばレンがうるさいだろう。


「・・・・レン、髪飾りの方を飛ばしてドアを叩いてみてくれ、攻撃はしなくていい反応を見るだけだ」

「はい、任せてください」


スッと音もなく髪飾りが一つだけ人影が見えた建物に低空飛行してドアの前にたどり着く。


「ノックします」

「ん」


俺に合図を送ってトントンとドアをノックしてすぐに建物の屋根の上に移動する。

数秒・・・5秒ほどだろうか待っているとゆっくりとドアが開いて中から10代くらいの若い青年の顔がひょっこりと辺りを確認するように出てきた、見えにくいが手には・・・棒のようなものを持っている。


「人間だな・・・ん?レン?」

「ロセフくん・・・」


誰だ?レンの出身地だから知り合いか・・・そう考えるとレンと年齢的にあんまり変わりなさそうだ。

とにかく今は人間が無事にこの街に居ると言う事が確認できた、それにノックされて武器を持って警戒していると言う事は少なくともあそこは安全な可能性が高い。


レンはさっき名前を言ったと言う事はたぶん知り合いだろう、こういう時に敵か村人かを見分けれる人物が居ればやりやすい。


「ボーっとするな、行くぞ」

「・・・あっはい」


木の陰から身を隠しながら近くの建物の壁まで気付かれないように移動する、それを追う様にレンも一緒に移行する。

出てきたのがここの村の住人でも中でモンスターや盗賊などが命令している可能性も捨てきれないので一応警戒して近づく。


もう一度壁から顔を出して建物を見ると先ほど顔を見せていた青年はもう中に帰ってしまったようだ。

辺りを確認してから次はその建物壁に移動して壁に耳を当てるがなにも消えない


「そこまで壁が薄いわけないか・・・レン俺が土台になるから中を見てくれ」

「ご主人様を土台になんてできません、髪飾りに乗ります」


その手があったか・・・いや分かって言ったんだし、わざとだし


屋根の上に待機していた髪飾りとレンの頭にあるエージスがレンの胸と腹を押し上げて窓から中を覗ける位置に浮かせていく。


「どうだ?」

「・・・・・」


じっと窓から中を見たまま黙り込んでいる


「おい、レン」

「え、っと特に問題はありません。 みんな避難してるだけみたいです」


「よし、なら中に入るぞ。 俺が周りの警戒をする、レンが先に入ってくれ。 おっと口答えするな、この状況で知らない俺が入るよりレンの方が村人も知っているからと言う考えもあっての事だ」

「・・わかりました」


レンが頷いたのをしっかりと見てからレンの背中を左手で押してドアの前まで連れて行く、もちろん右手はSCARを構えたまま道側を見ている。

レンを扉の前まで押したのはいいがドアに手を添えたままレンは固まってしまう。


「・・・・レン」

「すぅ・・はぁ・・・いきます」


コンコン


レンは深呼吸してドアをノックするが反応が無い、先程ノックで青年が外を確認したが何もなかったか?

少し荒くなって問題があるかもしれないがドアを無理矢理あけるか?

少し悩んでいると


「ロセフくん、私・・・ローライシよ」

「ライシちゃん!?」


レンが名乗ると中で物音がしてさっきの青年の声だろうか若い男の声が帰って来た。

それから少しするとドアが開いたので足踏みするレンをグッと押して中に入るのと同時に武器を下ろすが敵が居ないか家の中を引き金から指を離さずに見渡す。

大体20人程だかろうか・・・年齢はバラバラだが・・・ほとんどが男に見えるな。


その中でも数人の男が木の棒や桑などを持って俺を睨んでいる、武器からしてこの村の男達が武装しているだけだろう。

数秒だけだが男達との無言の睨み合いの緊張を破ったのはドアを開けた青年だった。


「ライシちゃん!」


ピリピリとした空気の中をおかまいなしにレンの目の前に行き手を握っている。


「ロセフくん・・・無事だったんだね」


少しだけ暗い影を見せたがすぐに元のレンに戻った、あの様子だとここに敵が居たりするわけではなさそうだ。

俺を睨んでいた男達もレンを見つけて緊張が解けた・・・・かと思うとロセフとか呼ばれた青年がレンと俺の間に入って村人達もより俺を睨む、なんでだよ


「ロセフくん!?」

「あんたは誰だ!」


あんたは誰だ!ってなんだ、折角助けに来たのに訳が分からん。

と言うかレンをどんどん奥に・・・俺から離そうとするなよ


「俺は冒険者だ、あんたらを助けに来た」


そう言って依頼の紙を見せてやると俺を睨んでいた村人たちは武器を下ろして安心した様子だ、レンが一緒に居る時点で分からないのか?

と言うかまだロセフとか言う青年は俺を睨んでいるぞ、そろそろレンの手を離せよ


「わざわざ来てくださったのに済まないのぉ、ワシらも神経質になっておったのじゃ」


部屋の奥を見ると70歳くらいのおじいさんが杖を突きながら俺の前まで出てきた。

こういう時にこう言う事を言うのは大抵代表・・・・村長辺りか?


「いや、何があったか知らないがこんな状況だ仕方がない。 俺は冒険者のイクスだ、あんたは村長でいいか?」

「そうじゃな一応代表を任されておる」


「なら早速話を聞きたいのだがこの村で何があった」

「数日前にゴブリンが攻めてきてのぉ食料などを奪っていったのじゃ、それで依頼と言うのが食料と一緒に奪われた村の女を助けてほしいのじゃ」


またゴブリンか・・・何かと縁があるな

しかし襲撃してきたのがゴブリンならこの村の被害も納得がいく、村長の話によるとここから少し森に入った所にゴブリンの住処になった洞穴があるらしい、恐らくはそこに運ばれたであろう女性と食料の奪還が今回の依頼らしい。


「分かったその依頼受けよう、所で今この村は安全なんだな?」

「たぶんの、イクス殿は外でゴブリンは見てないんじゃろ?」


「見てないな、なんの気配もなかった」

「ならワシらも外に出るれるのぉ、クーバ外を見てきてくれ」

「あい」


クーバと呼ばれた男は村長に言われる武器を持って外に出て行ってしまった。

俺達もさっさと依頼を終わらせるか・・・


レンを呼ぼうとするとレンがロセフと何やら話をしていたので近づいてみる。


「ライシちゃん!この村に帰って来てくれ!」

「それは・・・無理だよ」


「奴隷だから?なら僕はライシちゃんを買う!だから僕と結婚してくれ!」

「え・・えええ!?」


なんか俺の知らない所で昼ドラみたいな展開になってるぞ、俺もあんな年頃に恋愛したかったなぁ


「私はもうご主人様・・・イクス様の奴隷だからダメだよ、イクス様を裏切れば私は死んじゃうし・・・あ、ご主人様」

「っ!おまえか!」

「なにがやねん」


ロセフの後ろに立っていた俺にレンが気付き俺を呼んだことによってロセフも俺をレンの主人と判断して突っかかって来た。

こう言う恋愛事のイザコザは勘弁してくれ、後ろから刺されたくないぞ


「ライシちゃんが奴隷だからって命を盾に好き勝手しているって奴だろ!」

「すまんなんの話か全く分からない、と言うかそんな事言ってたのかレンは」

「ちょっと待ってください!本人がここにいるんですからそこは私に直接聞いてくださいよ!言ってないですし思ってないです!」


レンが俺に弁解しようとするがロセフに遮られ俺の元まで来れない。

正直他人が俺の事をどう思っているのか分からないがレンは俺が唯一信用できる人間だ、そう簡単にさよならなんて出来るわけがない。


「そう言う話は俺にはわからん、そんなにレンがほしいなら直接告白でもすればいいだろう」

「クッ・・・わかった、僕とライシちゃんは幼馴染なんだ負けるはずがない」

「お、おう」


自信満々に俺を睨みつけて笑っているがさっきの言葉で今のレンは超不機嫌ぽいぞ、大丈夫なのか?

って言うかレン・・・俺も睨んでないか?


ロセフはクルッとレンに振り返って右手を差し出しす。


「ライシちゃん、こんな男じゃなくて僕と一緒になろう!好きだ結婚してくれ!」

「ごめんなさい、私ご主人様にあんな適当な事言う人大嫌い」


ロセフの告白はレンの即答で見事玉砕した、自分から勝手な事いい出したし自業自得と言えばそうなのだが村人が沢山見ている中で玉砕は流石にかわいそうだ。

頭を下げたまま動かないロセフを避けて俺の元に来たレンに俺は離れて行かなくて安心を覚えて微笑みかけると思いっきり睨み返された、まさか俺も降られるの?


「・・・・な、なに?」

「思ってないですから」


「え?」

「さっきの話言ってないですし思ってないですから」


なんで俺が怒られるんだよ・・・・


「さぁ行きましょう」と言って家から出ていくレンについて行きながらチラリと動かなくなったロセフを見るが何かを言う言葉も思い浮かばないのでそのまま俺も家を出た。


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