焼き肉
そう言えば一話何文字くらいがいいんでしょうか?
昼までしっかりと熟睡した俺は今ダンジョンの10層に来ている。
前回10層の途中で引き上げたからだあれは不注意と言うか不意打ちだったので15層から行ってもよかったのだが一応10層を最後まで攻略しておくことにした。
昨日のリベンジマッチ&エージスの実戦テストの相手は今目の前にいる鳥二羽と二足歩行トカゲ1匹の様だ。
まず先に3体も要らないので二足歩行トカゲを殺して後の鳥二匹をレンに任せる。
「あの二体を自分でどうにかしろ、ちゃんとエージスも使うんだぞ」
「はい任せてください!」
「あ、ちゃんとシールド張るときはエージスって言うんだぞ?」
「え、言わなくても使えましたけど」
おおジーザス!この馬鹿娘はそんな事も分からないアンポンタンだったなんて!
今ここで男のロマンとは、戦闘の礼儀とはを解説してやりたいが先程の二足歩行トカゲを倒した事で鳥がこちらに向かってきている。
「レン!」
「わ、分かりましたよぉ・・・エージス守って!」
違うんだそうじゃない
俺の思惑と全く違ったがそれでもエージスはシールドを展開して鳥の行く手を阻む、どうやら成功みたいだ。
しかし止まった鳥をレンが撃つと。
パパパ パパパ
キンキンキン キンキンキン
「え?」
「ん?」
おかしいな中からの銃撃も今防いでなかったか?
パパパ
キンキンキン
「・・・・」
「・・・・」
まずい、俺は守る事を重視で考えていたので攻撃の事をイメージしてなかった。
このシールドは”何も”通さない壁だ。 しかし逆に考えるんだ銃弾をも防ぐ防御なのだと
「す、すごいなぁ!完璧な盾じゃないかこれで安心して戦えるゾ!」
「そうです!これで安全です、常にご主人様に周りに展開しておきましょう!」
「おい」
使い方としてはちょっと疑問が残るが重要な守りは完璧なのでよしとする、守れない盾よりよっぽどましだ。
結局10層の攻略はエージスを使う必要もないほどサクサクと攻略で来た、昨日の件はこの階層が強いのではなく俺達の油断や敵の奇襲がたまたま合わさっただけの不運だったんだろう。
そろそろ11層に降りる階段が見えてくるはずだ。
それをレンも分かっているのだろう、ちゃんともうすぐ終わりだと教えてくれる。
「もうすぐ10層終わりですよ」
そう言うとレンは俺を置いて階段に向かいこちらに手を振っている。
元気に戻ったようで何よりだ。
11層に降りた俺達は転移魔法陣で一度外にでる。
「では15層に行って見ましょう!」
「まぁまて、今日はやりたいことがあってな」
「やりたい事ですか?」
そう俺のやりたいことは昨日手に入れた牛肉の試食だ、現実世界に居た頃もアメリカのでかいバーガーやステーキにはあこがれたものだ。
なによりニートで光熱費などを極限に削っていた俺には肉に齧り付くなんてもう何年もしていない
「なんだ不思議そうな顔をしているな、昨日牛を俺が剣で倒しただろう?あれは食べる為にわざわざ俺が直々に倒したんだ」
「ああ、だからですか」
納得がいった!と言う顔をしてポンと手を叩く、お前はおっさんか
本当はダンジョン内の休憩で調理したかったが今日はまだ休憩を取ってない上に洞窟の一室でたき火なんてしたら一酸化炭素中毒で死んでしまいそうだ。
一応補足しておくがたぶん洞窟内でたき火をしても大丈夫だとは思う、他の冒険者がしているのを見たからな。 だが眠るように死ぬのは嫌なので俺は遠慮願いたい。
ダンジョンから街へ帰る途中に森を通りある程度の広さがある場所を見つけたのでそこに腰を下ろす。
牛を一匹丸々持って今から豪快にお肉パーティをするのだ、焼き肉プレートなんてくだらない物ではなくどうせならたき火で焼きたいものだ。
「よし、レン!薪を拾いに行くぞ!」
「はい、では行ってきますのでご主人様はここでお待ちくだ きゃ!」
「いくぞー!」
大体レンの言動が分かって来た俺はあらかじめそう言うのを予想してレンの背後に立っていたのだ。
1人で薪拾いをしようとするレンの腰を持ち上げて一緒に森の奥に入っていく。
「下ろしてください!」
「なら一緒に探す?」
「・・・わかりましたよもう」
「なら離してやろう、キャッチ&リリースだ」
レンを下ろすと「リリースするほど子供じゃないですよ」とかぼやきながら乱れた服装と髪を整えていたのでもう一度すれ違いざまに頭をワシャワシャと荒く撫でてやった
しばらく二人で薪拾いをして広場に戻って来た。
森の中と言う事もあって木の葉っぱで地面は湿っていたので乾いた薪を探すのに苦労した、途中で放り投げそうになったが俺を待つ牛肉の為に頑張れた。
「よし、じゃあ準備をするぞまず俺が鍋将軍ならぬ肉将軍だ」
「・・・・・え?なんですかそれ?」
無視して話を続ける
「まず俺は牛肉の解体を済ませるからレンはたき火の用意を頼む」
「む~分かりました」
少しだけ無視に対して不機嫌な顔になったがすぐに笑顔に戻って薪を積み重ねていく姿を見てから解体に移る。
正直解体なんてしたことがないが大体どう切ればいいかは見よう見まねで出来る。
足などの皮に切れ目を入れてからゆっくりと皮を剥いで足と腕を取って食べれそうな肉を取っていく、本当は背骨とかを出汁にしたりするんだろうが今は必要ないので捨てる。
「ふぅこんなものだろう」
剣をしまいばらばらになった肉を眺める、その手のプロから見るとこれでも食べれるところを残しまくってる!とか怒られそうな出来だが俺は初心者なのだ、そんな事知らん
要らな部分は地面に埋めようとしたがわざわざスコップを作るのも手間なのでそこらへんに捨てておく、獣が食べるだろう
もう牛ではなく牛肉の集まりになってしまった物を布に入れてからレンの所に戻ると薪が綺麗な三角形をして立っていた。
「あ、ご主人様お手伝いせずすいません」
「いや薪準備してくれたじゃないか、さんきゅ。 さて焼くか!ってあれ?」
レンが丁寧においてくれた岩の椅子に座りたき火を見るとただ薪を置いただけだった。
これでは火が付かない、新聞紙はあるわけないので乾いた葉っぱでも置かないと
「おいおい、これじゃあ火が」
「ファイヤー!」
冗談ぽく笑いながらレンを見ると手をかざして集中したレンが魔法を使っていた。
レンの手から火炎放射の様に薪に火が放射され魔法が終わった時には立派にたき火が出来ていた。
「ふぅ、よし・・・あ、ごめんなさい何か言いましたか?」
どうやら集中していたのか俺の声が届いてなかった様だ。
一呼吸入れてから自分の魔法が成功したことを確認してからもう一度俺の言葉を聞いてくる。
「・・・流石レンだゼ!」
「ありがとうございます」
ビシッと親指を立てて笑顔を見せて褒めてやると嬉しそうにお礼を言う。
そうか魔法があったな、忘れていた
ちょっとだけ恥ずかしい気持ちになりながら布袋を開けてレンに見せると目を輝かせて身を乗り出した。
「わぁ!凄いですお肉です!こんなにたくさん初めて見ましたよ!」
「俺もここまで集まっているのは初めて見るよ」
普通スーパーで売っているのもパックに詰められている小さい物だからな、こんな凍らせて振り回せば武器になるほど大きな肉は俺も初めてだ。
「どれから食べる?選んでいいぞ」
「え!?奴隷の私がご主人様を差し置いて選べません!」
いつもの様に胸を張って訳の分からない事を言っているがチラチラと肉を見ながらゴクリと唾を飲む音が聞こえる。
なんとも分かりやすい
「じゃあレンはいらな」
「ですけど!ご主人様がそう言うなら。 し、仕方がありませんねぇじゃあこれで!」
「足か、よし」
なんとはじめ選んだのは足の箇所だった、レンの指さす足先を持って火であぶり始める。
それを見たレンが焼くくらいはする!言うがレンがこんなデカいの持てるわけがない、それに
「レン違うんだ、これには方法があるんだよ」
「そうなんですか?」
「そうだ!肉を焼くときの作法みたいな物だな、目ていろ!俺が修行した成果を!」
バッと左手を払い右手で肉を火の上に浮かせ払った左手は膝の上!
そして!!!
「パップパップパップ」
「え」
「テン♪テテン♪テテテテンテテン♪」
「!?」
「テテテテテテン♪テテテン♪テテテン♪テテテン♪テテテテテテテン~♪」
焼くのと同時にリズムと取り出して歌いだした俺にレンは口を開けて驚く。
しかし今の俺はまるでチーターが獲物を狩る用な目で焼き肉だけを見ているタイミングは・・・・ここだ!
「ハッ! 上手に焼けました~」
「え ええ!?はや!?」
そう俺の掲げた手には黄金色に輝き肉汁をしたたらせる超絶ウマそうな骨付き肉があったのだ!
これぞ俺がニート生活で習得した奥義の一つだ、まぁ実際やったのは今が初めてだし自分でも驚いているんだが
しかしそんな細かな事こんなにも美味そうな肉の前には塵にも劣る
このまま齧り付きたいところだが・・・
「ほら、食ってみろ」
「いいんですか!?い、いえでも・・・いや!いただきます! あつっ!」
俺の手から受け取ろうと肉を掴むが熱くて手を引っ込めてしまう。焼きたてだから当然だな
「俺が持っててやるから食え、おっとちぎって食べるなんてつまらない真似をするんじゃないぞ?齧り付くんだ」
「えぇ・・分かりました」
再度伸ばした手を引っ込めて髪が肉に当たらないように避けながら齧り付く。
女の子がでかい肉に齧り付く光景もいいな、新しいフェチが・・・目覚めないぞ
はむ ブチブチ
はふはふ
一度齧り付いて食べると目を輝かせてまたすぐに齧り付く、とてもうまそうだ
「あ ごめんなさい私ばかり・・・・どうぞご主人様」
どうやら物凄いほしそうな顔をしていたらしく俺の顔に気付いたレンが顔を赤くしてどうぞどうぞと手を前に出す。
正直俺も我慢の限界なので遠慮なくいただくとする。
レンの一口とは比べ物にならない大きな口で齧り付く、口の中いっぱいに肉を含みもぐもぐと噛む。
噛むたびに肉汁が口に広がる、いや広がるスペースが無いほどに肉で埋め尽くされている。
「ん!んんー!」
「え?食べろって言ってるんですか?」
「ん」
「はい!」
左指で食え食えと言ってやるとレンも食事を再開しだした、こうして俺達は腹がいっぱいになるまで二人で一つの骨付き肉を堪能したのだった。
もちろん一回で全部食べれなかったので残りはアイテムボックスに入れて半分を干し肉にして残り半部を後日と言う事にした。




