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魔法と剣と俺だけ銃の世界  作者: 俺のだけのバリアフリー
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髪飾り

ポカポカと暖かい日差しが俺の快適な睡眠をより気持ちのいいものにしてくれる。


あぁ、気持ちいい…


チラリと窓を見てから布団を手繰り寄せもう一度顔を埋めようした時、俺の顔に影が差した。


「ん~?」


ショボショボする目を擦りながら影の正体をみると、そこには真っ黒の髪と真っ黒な肌の少女が立っていた。


「ヒィ!死神だぁ!」

「誰が死神ですか!!」


なんだ死神じゃなくて逆光になっていたレンだったのか。


命に危険がないことを確認した俺はもう一度目をと閉じて夢の世界へ行こうとする。


「朝ですよご主人様」

「そうなの?おやすみ」


「朝通り越して昼ですよ」

「そうなの?おやすみ うわぁ!何するんだ!」


適当に返事していたら布団をぴっぺがされ新鮮な空気が俺の肌に触れる。

この空気はダメだ俺の天敵だ、ニートが触れていい空気じゃない!やはり死神だったか!


「いい加減に働かないとまずいですよ! ほら立ってください!」

「働く!?バカを言うな! お前は俺に死ねと言うのか!?」


そうだニートに働けなんてエジプトにオーロラを見に行くようなものだ。

拒絶反応起こして死んでしまう。


「・・・分かりました、じゃあ私一人で行ってきます」


流石に一人で行かせるのは心配なので重い腰をあげることにする


「分かった、じゃあいくか」

「はい!」


流石に4日も引きこもったら怒られるよな…トホホ


初めの2日ほどは「大丈夫ですか?」とか心配していたのだが3日目にはただ動きたくないだけと言うことに気付き、今日は一人でいくとか言い出した。


流石に一人で行かせるわけにはいかないので渋々起き上がるとレンが喜びながら着替えを持ってきてくれたので両腕を広げて顎を上げる。


「?」

「ん。」


わざわざニート様である俺に外に出てもらうのだ着替えくらいしてもらうのが普通だろう。 だよね?


レンが不思議そうに俺のポーズをみている間俺はゆっくりと手のひらを上に顔を上に向けて天を仰ぐポーズへと変わっていく。


「さぁ!」

「はい!」

「おお!こりゃ凄い!」


返事と同時にレンが俺の胸に飛び込んでくる、女の子の腕が!意外とある胸が!女の子ってこんなにやらかいんだなぁ、この鼻の骨が俺の腹を程よく刺激してサラサラで真っ白な髪が視界をも幸せにしてくれる、そしてとどめに俺を離さんと背中を優しく撫でるようにそ添えてある手だ。

手のひらから伝わる冷たいが体温の暖かさを感じるこの手が……いかんいかん、落ち着け落ち着け……落ち着いてこの部屋のベッドの数を数えるんだ


「ひっひっふー ひっひっふー。 よし 聞け レン 俺が してほしいのは 着替えだ」

「え、えぇ!? ごめんなさい!」


いきなり顔を赤くしてバッと俺の元から離れる、ちょっと惜しい。

と言うかまた髪飾りが勝手に飛び回っているぞ


それからレンは顔を真っ赤にしながら着替えをしてくれたのだが一切目を合わせてくれなかった。






俺達は街を出て道なりに進んだ所で大きな道から小さな脇道に行きダンジョンへ向かう。

俺が起きたのがお昼過ぎだったのでそんなに他の冒険者はいなかったがそれでも前のザガローナ街に比べると冒険者の数も多いみたいだ。


他の冒険者達がダンジョンへ入る前のフォーメーションや作戦を確認するために話し合いをしている中を通りダンジョンの入り口につく。


「何層から行くんですか?」


杖を持ったまま顔だけを俺に向けておもむろに俺に聞いてくる。


前のダンジョンでは14層の最後、つまり15層までは攻略している。

しかし問題はここのダンジョンの敵が前のダンジョンの敵の強さとどう違うか分からないからだ、ここは安全策を取って1層から、と言うのがいいのかもしれないがまた一層から攻略するのは正直めんどくさい。


「うーんそうだなぁ、何層がいいと思う?」


逆にレンに質問してみる。


「何層であっても必ず私が守るので大丈夫ですよ」

「そんな事聞いてないわ! で何層がいいかな」


守るとかそういう話ではなく安全面の話だ、命をかけて守る時点でそれは危険だ


「そうですね・・・10層行って見てからもし大丈夫そうなら一旦戻って15層行きましょう」


意外としっかりとした返答に少しびっくりしてしまうが、理にかなっているのでその作戦で行くことにする。

作戦とかかっこいい


転送魔法陣で10層へ入る、ダンジョンの内部はザガローナ街のダンジョンと違いはなくまるで洞窟だった。

まず初めに遭遇したのは鳥とでっかな牛だった。


「牛だ、牛肉だ!」

「ご主人様!?」


俺の前で銃を構えるレンの目の前に立ってSCARを捨てて剣を抜く、もちろんSCARを投げる瞬間に装備画面から外しているので地面に落ちる頃にはほとんど消えている。


「レン!お前は鳥をやれ! 肉は俺がいただく!」

「は、はい!」


一瞬困惑した表情を見せたがそれでも俺の言う通りに上空の鳥に射撃を開始する。

レンの発砲音をマラソンのピストル音に見立てて走りだす、抉れた岩や砂がレンに直撃して悲鳴をあげているが知ったこっちゃない。


全力でのダッシュだったがそれでも鳥は反応して正面から俺へくちばしを刺そうと突進をかけてくる、少しその反応に驚いた。

だが驚いただけだ、横へのステップで回避してレンをチラッと見る。

さっきの砂と石のせいで目をこすりながら89式小銃と髪飾りで何とか迎撃している。


ステップの着地の時にジャンプして放物線を描くように牛の前に着地する。

砂煙で視界が遮られるが空中で牛の頭の箇所は見ているのでそこに下から上へ蹴りを入れる。


モゥゥゥゥゥ!!!!!


バキバキと骨が折れる音と牛の鳴き声が聞こえ上半身が浮き牛の腹が見える。


「んんんん!ここだ!」


まずは一閃首から肛門まで内臓を傷つけないように浅く切り腹を開ける、そして脇腹と股間に剣を指して肛門と食堂を切断してそのまま流れるように腹の中で剣で円を描くようにクルリと回す。

そして最後に首を深く切りつけてから牛の骨盤を蹴ってこちら側に背を向けさせ頭を下にさせるとその衝撃で先程分離させた内臓がポーンと飛び出す。

後は牛のふとももに剣を刺して剣ごと天井に投げつけると牛が宙吊りなった。


「・・・・凄い・・・」


そう後ろからレンの呟きが聞こえドヤ顔をして振り向くが、レンの真上に鳥が居ることに気付く。

恐らく初めに遭遇した鳥ではなく新しく出てきたか後ろからこっそり来たのかレンは気付いてない


「上だ!!!」

「え   っ!!」


一瞬だけ「上だ!」だけに何のことか分からなかったのだろう少し反応が遅れる。

89式小銃を向けるがあれでは間に合わない、例え間に合ってもあの状況から当てるのは今のレンには無理だ。

しかし89式小銃よりも素早く髪飾りが反応するがレンの混乱が現れているんだろう、レーザーを照射しながら飛んでいるがブレブレで全く当たっていない。


今から装備画面を開いてSCARを装備なんて到底間に合う訳ない。


「髪飾りを盾にしろ!」


髪飾りはひし形の左右の角を丸にした形でそれなりにデカい、狙えないのなら盾になるくらい出来るはずだ。


「嫌です!」


しかしレンは俺の提案を拒否してうずくまってしまう。


あのバカ!なにしてるんだ!


「命令だ!」

「!?」


それだけ言って極限まで姿勢を低くしてダッシュする、いやダッシュと言うより水平に飛ぶジャンプだ。

俺の命令と言う言葉を聞いたレンは髪飾りを盾にするが間に合うのは二個のうち一つだけみたいだ。


ガン!


音を立てて髪飾りが鳥をはじき返すがコントロールが失われたのかバチバチと音を立てて地面に落ちて行った、はじき返された鳥はまた姿勢を取り戻してレンに向かっていくが、先程のガードで時間は稼げた。

俺のスピードならもう鳥の攻撃より先にレンに場所につける、だが今の最高スピードでレンを掴めば俺の腕だけではなくレンの内臓や体にもダメージが入るので寸前でブレーキをかけながらレンをキャッチする。


「きゃ!」


しかし避難した俺達に鳥はホーミングミサイルの様に進路を変えてこちらに突っ込んでくる。

今レンの手元には89式があるがこの武器はレンの装備品なので今の俺には使えないので手を前に出して、鳥をキャッチする。

しかし鳥はくちばしを刺そうとしていたので手のひらをくちばしが貫通するがそのまま鳥の頭を握りつぶす。


グチャ!


手からは鳥の血と俺の血がぼたぼたと流れているので手を払い鳥の死体を外してレンの様子を見る。

ぽかんと俺を見つめているので頭を撫でようとするが血だらけなのに気付き手を引っ込めるとその手をレンが掴んだ。


「レン?」

「・・・」


返事はない、だがレンは俺の腕を大切そうに握ったまま離さない。

血が流れてレンの身体を赤く染めてもだ。


「・・ごめんなさい。 もう少しだけ安心させてください」

「ああ」


ぽろぽろと涙を流して俺にしがみつくレンを抱いたまま俺は周囲の警戒だけはしておく。






大体5分程たった頃


「ごめんなさい、ありがとうございます」

「ん、おう」


謝罪とお礼を言って立とうとしたので立たせてやると駆け足で壊れた方の髪飾りを取りに行った。

拾った髪飾りを確かめる様に見た後、大切そうに抱えて戻って来た。


「ご主人様から貰った髪飾り、壊しちゃったごめん・・なさい」


よほどショックだったんだろう泣きながらと言うのもあるが言葉遣いが崩れている。

それに壊しちゃったと言っても盾にしろと言ったのは俺なんだがな


気にする事ないと言おうとしたらいきなり右手を握られ「ヒール」と唱えて傷口が光って痛みが和らいだと思うと次は包帯を出して処置をしてくれる。

正直そんな治療より回復させれば傷跡も残らないのだが、そんな事を忘れてレンは懸命に治療してくれているので言い出せなくなった。


結局その後も探索をしたのだがレンがずっと喋らず落ち込んでいたのでその日は探索を早めに切り上げることにした。

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