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魔法と剣と俺だけ銃の世界  作者: 俺のだけのバリアフリー
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新しい部屋


ダンジョンと冒険者ギルドから天使の腕に戻った俺達は、いつもの様に晩飯を貰い部屋への階段を上がっていく。


レンは奥から三番目の部屋がいつも俺達が借りていた部屋の前に立って俺の為にドアを開けてくれようとするがそれをスルーして一番奥の部屋に行く。

ニコニコと笑顔で目の前を通っていく俺を「え?」と顔に書いている様な表情で顔ごと


「ご、ご主人様?どちらに・・・」

「引っ越しだよ引っ越し、ここが今日から俺達の部屋でーす、じゃーん」


レンがスッと俺が開けた部屋を覗くと、なんとベッドが二つ椅子も二つあったのだ。


「この部屋は・・・」

「そう! 二人部屋です!これでベッドの譲り合いの喧嘩はなくなるぜ」

「い、いえ喧嘩してるつもりは・・・それよりも部屋代があがりますよ、折角奴隷は一人部屋でもいいのに・・・」

「まぁまぁ」


ぶつぶつ言うレンの背中を押して部屋に入る。

二人部屋はただベッドが二つあるだけじゃない、今までの一人部屋に比べると少し部屋の大きさも大きい。

ちなみにレンには言ってないが、この天使の腕と言う宿は冒険者ギルドでおすすめされている事から何となく分かると思うが冒険者御用達、ある意味冒険者専用の宿だ

そんな宿の二人部屋が一つだけあったのを俺が借りたのだもちろん値段は跳ね上がったが。




「まぁ座って座って、今日はもう遅いから宿のご飯だけどその代わり・・・じゃーん!」


デジタルプリントで作ったワインを取り出してドン!とレンの前に置く。

俺はお酒を飲んたことがほとんどないので何がいいのかさっぱり分からないが、ロマネ・コンティと言うこの世界に来る前にTVで特集をしていたワインを出してみる。


「それはワインですか?」

「俺の・・・出身地のワインなんだけど滅茶苦茶高級な奴らしい飲んだことないから分からないけど」


ロマネ・コンティってワイン!と念じながら作っただけなので中身はもしかしたら普通のワインかもしれないがラベルも相まって何だか高そうに見える。


「そんな高価な物飲めません!」

「こんなのいくらでも作れるから気にしない気にしない」


グラスも作り赤いワインを注いでからレンに渡す、注いでる途中レンが「あ、そんな注ぎ方」「奴隷が主人に注いでもらうって」とかブツブツ何か言っているが無視だ無視、そもそも俺は今日生まれて初めてワインなんて注ぐんだからな。


「あの、一回にこんな大量に・・・・」

「さぁたんと飲め!」

「はぁ」


グビグビグビグビ


また遠慮しているレンをほっておいてまず自分からワインを一気飲みする


「ぷはぁー!うっめぇ!なんだこれ!」

「・・・いただきます」


レンは俺に軽く頭を下げると一口だけ飲む


「お、おいしい・・・あれ?ご主人様!?」


レンが目を輝かせながら顔を上げると


「だぁろぉ?おいち~な~」


ろくに酒を飲んだことのない俺は自分が飲める酒の量など知らずにグラス一杯に入ったワインをがぶ飲みしたのででろんでろんだった俺はうまいうまいとビール瓶の様に片手で瓶に口をつけ飲んでいた


「れん~これからもぉよろしオエエエエエエエエエエエエエエエエエ」

「きゃああああああ!?」


結局その後は食事どころの騒ぎではなくレンに背中をさすられながら赤い高価な滝を口から作ったのであった。






次の日


今私は二日酔いで潰れてるご主人様の代わりにギルドに昨日の素材代を貰いに一人で来ていた。

ご主人様は


「昨日自分で倒して稼いだお金だ、自分で受け取っておいで」ニコッ


とか言ってたけど気分悪くて動けないだけなのは一目瞭然だ。

一応ご主人様はチームと言う物を組んでいるからお互いの状況や状態が分かるから安心だ、と言っていたかがよくわからない。


ギルドに入ると真っ直ぐにカウンターに行く、私の首輪を見た職員さんはめんどくさそうにするが顔を見た瞬間まるで普通の人の相手をするように丁寧な対応になった。



私の顔に何かついてるかな?



ぺたぺたと触ってみても何もついていない、おかしな人だ。

少しすると奥から見覚えのある女性の職員さんがやって来た。


「はい、素材代ね。 もうイクスさんの体調は大丈夫なの?あんな火傷と腕を」


心配そうにずっとご主人様の事を喋っている・・・あ、思い出したこの人ご主人様が「いつもの職員さん」って呼んでる人だ。


「ご主人様はもう大丈夫です、今日は私が代わりにお使いしているだけです」

「ならいいんだけどねぇ、まぁイクスさんには神の治療師さんが居るものね、ふふふ」

「神の治療師さん?」


ご主人様とは基本的に一日中一緒に居るけどそんな人見たことがない。


「あら知らないの?あなたの事よ?」

「私ですか!?」


なんで私が神の治療師!?確かに一応回復魔法は使えるけど・・・


魔法は使える人が少ないためにそれだけ重宝される、特に都会から離れた村などでは一目おかれる。 かくいうレンも村で暮らしていたころは村中からチヤホヤされたものだ、もちろん今は魔法なんかと比べ物にならない回復力をイクスが持っているのでレンの魔法はあってないようなものになっている。


「でもなんで私が?私奴隷ですよ?」

「イクスさんがあなたの看病で腕が元通りになったしあなたも一時死にかけてたじゃない、イクスさんが魔法使ってる所見た事ないしね」


過去の記憶が蘇る



「イクスさん!まだ動いたらだ・・めで・・・、あれ腕が・・・火傷も?」

「レンの看病のおかげで治っちゃった! 所で報酬金と素材代と後追加でモンスターの解体をお願いしていい?」

「はぁ・・・」



思い出した、冒険者ギルドの中でありえない回復を私のおかげだと言って私を口実に説明から逃げて居た事を


「む~!ご主人様ぁ!!!」


チーム機能で分かるご主人様が居る方向を見ながら勘弁してくれと悲鳴をあげた。





「と、言う事があったんですよ」


宿に戻りご主人様にギルドで神の治療師と呼ばれたことを離すと真っ青な顔をしながらも笑い転げていた。

全く私の気苦労も知らないで・・・自分の力でもないのに評価されても悲しいだけなのになんだか私が皆をだましている気分だ


「あ、それでこれが素材代です」


荷物から出したお金袋を渡そうとすると


「ああ、それはお前が働いて稼いだ金だからいらん。 好きに使え」


いらんいらんと言わんばかりに手をシッシ!と振られた。

そろそろ慣れてきたがご主人様がまた変な事を言い出した、だけど今は体調が悪そうなので言う事を聞いておこう

食事を終えて食器を返しに行くついでに身体を拭くための水を汲んできてから部屋に戻る。


「ご主人様、身体を拭く水を持ってきました」

「うぅ~要らん、しんどいから今日はこのまま寝るー」


また我儘が始まったが我儘を聞くのも奴隷の仕事だ


「動けないのでしたら私が拭きます」


濡れた布を絞ってご主人様の身体を拭こうと布団を退ける


「いらん動いたら頭が割れるー」


ペシッ!と私の手を払ってしまった


「・・・・わかりました、では私は身体を拭きますね」

「ん~」


「ん~」とは「いいよ」と言う事だろうか、多分そうなんだろう。


ご主人様用に汲んできた水と自分用のタオルを持って部屋の隅に行き、肩から布を被って身体を拭き始める。

チラリとご主人様を見る、いつもならチラチラとこちらを見てくるのだが今日はずっと唸っている、相当しんどいんだろう。



身体を拭き終わり寝る準備をしてからご主人様におやすみの挨拶してベッドに入る。

入ってすぐは冷たかったが次第にあったかくなってきた、未だにあの奴隷商人の襲撃がなければ、ご主人様に拾われてなかったらと言う夢を見る。 でもベッドで寝るようになってからは少しましになった気がする。


真っ暗な部屋、月明かりが窓からご主人様の近くを照らしている。


「ごしゅじんさま」


返事はない、当たり前だ。 体を拭く水を捨てに行って帰って来た時にはもう寝息が聞こえていたのだから。


「あったかい...」


そう呟いてベッドのシーツを握り身体を丸め目を閉じた。

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