外典1 聖母光教聖典第1章「創世記」
世界は異界から来た創造主によって作られた。
創造主はどこらからともなく現れ、何も無いこの世界に楽園を作る事を決意した。
創造主は自らの持つ5つの力ーー神性、聖なる力、闇の力、創造の力、破壊の力ーーを使い、創造主は6日で世界の形を作り上げた。
聖と闇の力の差異により世界の元となる火、水、風、土の4元素を作り出し、
4元素と聖なる力と闇の力を元に世界に魔力を生み出し、魔法を生み出し、
創造と破壊の力で大地を形成し、
神性によって世界に尊厳を与えて動植物問わず、全ての生命を芽吹かせた。
そして、世界を作り終わった創造主は自らの力を使い、自分の代わりに世界を統治する四人の兄妹を作り上げた。
一人目は創造主の神性を受け継いだエブラムと言う主神を。
二人目は創造主の持つ聖なる力を受け継いだセラフィーと言う熾天使を。
三人目は創造主の持つ闇の力を受け継いだベイアルと言う大悪魔を。
四人目は創造主の持つ創造の力を受け継いだイブと言う女性を。
四人は創造主を父として敬い、 創造主は四人を我が子として可愛がった。
しかし、四兄妹の中で末っ子のイブは不完全な存在だった。体は病弱であり、何より他の兄弟と違い戦う力を有していなかった。
不憫に思った創造主は自らの残された力ーー破壊の力ーーとイブの身体の一部を使い、アダムと言う男性を作った。
そして、創造主は我が娘を守る様にとアダムに命じた。
そうして、破壊の力を持って生まれたアダムはイブの護衛兼話し相手として生きる様になった。
二人は長い時を重ねる中でお互いを意識するようになり始めた。
二人は深く愛し合ったお互いの身分も役割も忘れ激しく愛し合った。
そうして、二人の間には子どもが産まれた。
名はカインとアベル
二人の子どもを得たアダムとイブは幸せな毎日を送っていた。
しかし、幸せな毎日に退屈していたアダムはある邪念を起こした。
ー愛するイブの全てが欲しい、その為に力が欲しいー
その想いは日を増すごとに強くなり、ついにアダムは創造主より禁じられていた果実を口にした。
力を手にしたアダムは創造主を超える力を使って、創造主と三人の兄弟を殺し、さらには我が子であるカインとアベルを嫉妬によって殺してしまった。
イブはアダムに絶望し、自らの7つの大罪、7つの美徳を触媒に生み出した14人の使徒達と共に邪神となったアダムと聖戦を始めた。
味方のいないアダムはイブから一部のみだが奪った創造の力を使い、自分の従僕の証である赤い目を持つ7人の魔人を作り出した。
しかし、完璧な創造ではなかった為、魔人達は膨大な魔力こそ持っていたが魔法を使うことが出来なかった。
それに困ったアダムはさらに創造の力を使い、強力な7つの魔宝具を生み出した。
範囲内にいる敵対者に対しては呪いを、味方には祝福を与える効果を持つジュリアードの香炉
光と闇の全魔法が描かれたグリモワールの禁書
歪な生命体を生み出す創造の魔剣と圧倒的な破壊を実現する破壊の聖剣であるカイルの創破双剣
敵対者の魔力を奪い、味方に還元するエヒテメウスの神槍
魔法及び物理攻撃に完全な防御耐性を持つアメリストの硬盾
様々な状態異常に完全耐性を持つオーバリオンのローブ
高いホーミング性能を持ち、無限の矢を放つ事ができるヴィジャバルの神弓
アダムはこれらの武器を魔人達に渡した。
魔人や魔宝具が現れた事により、戦争は激化の一途を辿った。しかし、激闘の末に女神イブと14人の使徒達は7人の魔人を魔宝具の中へ封印し、邪神アダムもろとも暗き闇が支配する深淵へと堕とす事に成功した。
しかし、創造主によって作られた世界は聖戦によって荒廃し、女神イブの子どもである使徒の全員が魔人との戦いで戦死した。
残されたイブも力のほとんど失ってしまった。
そこで女神は最後の力を振り絞り、世界の再生を始めた。荒廃した世界に尊厳を取り戻し、魔法を作りあげた。
そうして世界に光が戻ってきたところで人族、妖精族、小人族、獣人族、龍族、魔族などの様々な種族を作り出した。
世界の再生を見届けた女神イブは言葉を残して眠りについた。
「暗き闇に落とした邪神と魔人達はいずれ力を取り戻す事でしょう。その時、私が力を取り戻しているかはわかりません。だからこそ貴方達が世界を作り直し、世界を富ませ、多様な種族と協力し、その時までに備えなさい。これは母である女神イブの勅命でもあります」
世界はその遺言に従い、さまざまな種類によって繁栄した。しかし、そんな世界な母の教えを守らず、各種族は争い始めた。そんな凄惨な戦いの中で母の正しき教えを守るために人族の中に英雄が現れた。
――聖人ヨハンナは、人族の中に生まれた一人の女性であった。
その身に宿る魔力は、他の人族とは明らかに一線を画していた。
人々はそれを見て囁いた。
「やはり、女神の寵愛は“人族の女”にこそ最も強く宿るのだ」
ヨハンナは各地の戦乱を巡り、争いを止めるために種族間の争いにも身を投じた。
暗き闇に沈んだ世界に、母なる女神イブの御心は再び注がれた。
母は眠りの中より光を放ち、人族の女にその意志を宿した。
聖人ヨハンナは、母なる女神の声を聞く器として生まれた。
その魂は清く、その魔力は満ち、人族の女の中にあって、最も母に近き者であろう。
母は言われた。
「我が声を聞く者よ。
乱れし世界を正し、
争いに溺れし種族を導け。
母の手によって秩序は保たれ、
母の慈悲によって守られん」
母は定めた。
「女は生まれながらにして魔力を多く宿す。
それは導くための器であり、支配するためではなく、治めるための力である。
男は力を失いやすき身なれば、重き決断を担うべきではない。
彼らは守られるべき命、女の庇護のもとに憩う存在なり」
男を前に出すは、母の慈悲を拒むに等しき罪なり。
母はすべての種族を創り給うた。そして、それぞれに役目はをあたえた。
妖精族は森と精霊を守るための眷属、
小人族は大地を穿ち、富を掘り出す手足、
獣人族は外敵を退けるための牙と爪。
龍族は天の災いに等しき存在。
魔族は闇に近きゆえ、常に監視されるべきもの。
人族の女は、母の御心を最も正しく継ぐ者なれば、
これらの種族を導き、必要とあらば制し、迷いし時は討つことも許される。
聖人ヨハンナは、母の御言葉を携えしがゆえに迫害され、火によりその身を清められた。
その時、天は裂け、光は地を満たし、彼女の血は母なる光に変じた。
されば人々は悟るだろう。。
「母は眠れど、その御心は聖人を通して生き続ける」と。
いずれ、暗き闇は再び深淵より這い出でん。邪神と魔人は鎖を断ち、世界を再び血に染めん。
その時、母なる女神が目覚めるか、あるいは新たなる聖人が選ばれるであろう。
されば汝ら、母の導きに従い、弱きものを守り、他種族を正しく導け。
それこそが、母の勅命なり。
――聖母光教聖典第1章「創世記」より。
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