表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

焦燥

レイラは焦っていた。

信頼している仲間からの連絡が、一つ、また一つと途絶え、完全にコールされなくなった。もちろん、こちらからコールしても、繋がらない。完全に音信不通となってしまった。


飛んだ先の騎士団基地によると、「確実に来場して基地を離れた」と。

「彼」が消えたであろう先で、消息不明となっているのだ。


平常心を保ち、気丈に振舞っているが、内心は不安で不安で仕方がなかった。


(誰かにやられたのでは……)


しかし、最強の龍力者であるレイ=シャルトゥを打ち倒した仲間たち。

勝てない敵など、そうそういないはず。対魔物も考えたが、レイより強い魔物は想像がつかない。

仮にいたとするなら、騎士団に依頼が転がり込むはず。そんな情報は、入っていない。


四聖龍に頼ろうかとも思ったが、彼らの方から地位を降りたとの報告があった。

今その席は、全て空いている。


露出の多いシャレムとアリシアは、表舞台の活動を一時休止している。まさか、四聖龍の座も退いたとは、思っていなかったが。


(こうなったら……)


向かう先は、騎士団本部。こんな状況で、呑気に王都に籠っていられない。直談判だ。


レイの一件にケリがつき、クラッツの業務量は格段に減った。

王都にいる時間も増え、こうして報連相がしやすくなったのが良い。


部屋に入ると、クラッツは「来たか……」という表情を見せる。

遠くない未来、来るだろうなと予測していたのだろう。それも当然。レイズたちが行方不明なのは、知られている。


「……レイラ様」


業務量が減り、すぐにコンタクトが取れるようになったのは良い。

……ただ、積極的に特訓する必要がなくなったために、鈍っているように見える。

直感でそう感じたレイラ。恐らく、その直感は当たっている。デスクワークが増えたのだ。仕方がない、か。


とにかく、今はレイズたちを追うことを許可してもらわねば。

自分は国王という立場だが、騎士団員でもある。よって、勝手に動くことはできない。

今までが例外だった。平和になったこと、強引だったリゼルがいなくなったことで、余計に自由度が無くなったのだ。


「……お願いがあります」


意を決し、レイラはクラッチを見る。そして、訴える。

彼はその間、黙って話を聞いてくれた。


その後。


「……許可します。というより、こちらからお願いします」

「ありがとうございます」


四聖龍を失い、四英雄も欠けた。ただ、四英雄は騎士団を去っていない。去る意志はない。

レイズたちは貴重な戦力であり、士気上昇の起爆剤でもある。放置するなど、考えられない。

しかし、一般団員では力不足。四英雄が消えるだけの事態。任せることはできない。


騎士団長クラッツとも相談し、久しぶりに自分が調査する許可も得た。


「……しかし、レイズ君たちが消えてしまった後も、「彼」の目撃情報は入ってくる……会えなかったのか……?」

「ということは……!」

「あぁ。新たな目撃情報だ」


聞けば、タッチの差で目撃情報が入ってきたとのこと。


「「彼」を追うか「仲間」を追うか……レイラ様にお任せします。現れた場所は、こちらです」

「……はい」


レイラはクラッツから情報を貰い、ここを発つ準備に入る。


そして、レイズたちの消息を追うか、「彼」を追うかを迫られる。


(どうしたら……)


どちらを選んでも、不正解ではないと思う。

レイズたちが消えてしまった今でも、「彼」はカントリーツアーをしている。

何か訴えたいことがあるのか。レイズたちを消したのは、「彼」なのか。


自分たちは、「彼」をリゼルであると前提して動いた。しかし、その結果彼らは消えてしまった。

ならば、その前提がおかしいのか……?しかし、聞いた特徴はリゼルそのものだった、と。


(リゼルそっくりの人物が、マリナたちを消している……?しかも、各地で時を空けずに……?)


そう考えると、「彼」の動きを押さえた方が良い気がしてきた。

辿り着くことができれば、どうやってレイズたちを消息不明にしたかが分かる。

消えてしまった行方を追うより、得られる情報が多い気がする。


(申し訳ございません。皆さん、少し待っていてください)


黒髪の桂を装着し、レイラから一般人へと変装する。この感じは、本当に久しぶりだ。


(行きましょう。時間が惜しいです)


レイラは、自らの足で調査に向かう。目指すは、「彼」が現れた騎士団基地。

必ず情報を掴み、レイズたちも見つけ出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ