↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
火球しか使えない私が、異世界最強の英雄に祭り上げられる(と、本人は不服である)  作者: SSS
借りてきた猫だった私が、なぜか国際会議で帝国を屈服させた聖女と讃えられる(と、本人は脳汁が足りず不完全燃焼である)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/60

第2話 騎士爵って最下位なの!?




「……騎士爵の、湊ミライです。……うん。……これで、いきましょう」


 私が。……名乗りを、決めかけた、そのとき。


 アリシアが。……ふと。……気になる、ことを、言った。



  ◇



「……あの、ちなみに、聖女様」アリシアが。……周りを、見回しながら、言った。「……この、諸侯会議の、参加者。……ほとんど。……国王クラスなんですが」


「……え?」


「……トップ相手に。……騎士爵、ですか?」


 ……。


 ……国王、クラス。


 ……私は。……改めて。……会議場に、集まって、いる、面々を。……見回した。


 ……言われて、みれば。……確かに。……みんな。……ただ者じゃ、ない、雰囲気。……堂々と。……気品が、あって。……従える、供の、数も。……多い。



  ◇



「……あ、そういえば。……そうだった」私は。……少し。……焦った。「……国王、クラスの、中で。……騎士爵。……それは。……ちょっと。……格が、落ちる、わね」


「……ええ」


「……でも。……ほら」私は。……言い訳がましく。……続けた。「……私の、国って。……小さいし。……別に。……トップの、肩書きが、なくても。……いいんだけど。……ええと」


 ……私は。……なんとか。……自分を。……納得させる、材料を。……探そうと、して。……近くの、代表者を。……指さした。


「……例えば。……あの、国。……代理で、来てるわよね」


「……確か」アリシアが。……答えた。「……ヴェルファイア王国、ですね。……病気で、欠席の、国王に、代わって。……代理の、宰相が、出席、して、います」


「……宰相の、爵位は?」


「……確か。……公爵、です。……国王の、次に、偉い、方、ですよ」



  ◇



 ……公爵。


 ……国王の、次。


 ……ふうん。……代理で。……公爵。


「……ちなみに。……あの。……護衛は?」私は。……別の、人物を。……指した。


「……議長国の、近衛隊長、ですね。……確か。……伯爵、かと。……結構。……上の、方です」


 ……伯爵。……護衛で。……伯爵。


「……じゃ。……あれは?」


「……というか」アリシアが。……少し。……呆れたように。……言った。「……みんな。……偉い、方ですよ。……今日は。……各国から、選ばれた。……代表の、方が。……来て、いるので。……あの方は。……子爵、ですが。……扉番を、して、いる方でも。……男爵くらい。……ありますよ。……見て、ないんですか。……出席、リスト」


 ……扉番で。……男爵。



  ◇



「……男爵、って。……低いよね」私は。……ほっと、して、言った。「……私も。……低いけど。……そこまで、いって、ない、し」


「……いや」アリシアが。……真顔で、言った。「……騎士爵。……低い、です」


「……え?」


「……あの。……貴族の、中で。……最下位、です。……平民の。……一つ、上」


 ……。


 ……し、しんと。……なった。


 ……騎士爵が。……最下位。……平民の。……一つ、上。



  ◇



「……え?」私は。……思わず。……声を、上げた。「……騎士爵って。……そんなに。……低かったの!?」


「……はい」


「……嘘。……ショックだわー」私は。……頭を、抱えた。「……これは。……肩書きに。……使えないわね……」


 ……そう。……あのとき。……私は。


 ……帝国の、軍師に。……「男爵を、授けたい」、と。……言われて。……「男爵は、カッコ悪いから、嫌」、と。……蹴った。……そして。……「準男爵も、嫌」、と、蹴って。……最後に。……「騎士爵で、妥協して、あげる」、なんて。……偉そうに。……言ったのだ。


 ……あのとき、は。……"騎士"、って。……響きが、かっこいい、と。……思ったから。


 ……でも。……まさか。……その、騎士爵が。……男爵より。……ずっと、下の。……貴族、最下位、だった、なんて。


 ……私。……自分から。……一番、下を。……選んで、いたのだ。


 ……知らずに。……どや顔で。



  ◇



「……じゃ。……じゃあ、あれかな」私は。……気を、取り直して、言った。「……"Cランク冒険者の、湊ミライです"、って。……言おうかな。……ほら。……冒険者なら。……ランクの、話でしょう。……みんな。……Cランク、以下、だよね?」


「……あの」アリシアが。……言いにくそうに。……言った。「……みんな。……というか。……冒険者、ですらない、んですが」


「……え?」


「……ここに、いる方々は。……国王とか。……宰相とか。……貴族とか。……そういう、方々です。……冒険者ランク、なんて。……持って、ません」


「……じゃあ。……Cランクって。……逆に。……レア? ……勝ったわ!」


「……いや」アリシアが。……ぴしゃり。……と、言った。「……勝った、というのでは、なくて。……敢えて、言うなら。……AランクやSランク冒険者、という、肩書きか。……あるいは。……貴族じゃないと、入れない。……中央騎士団の、偉い、さん、以上。……そのくらいの、格が。……ない、と」


「……え?」


 ……AランクやSランク。……中央騎士団の。……偉いさん。


 ……Cランクって。……全然。……格が。……足りて、なかったの……?



  ◇



「……ちなみに」アリシアが。……そこで。……ふと。……少しだけ。……胸を、張って。……言った。


「……私。……さいきん。……Bランク冒険者に、なったので」


 ……。


 ……ん?


「……そんな。……ドヤ顔、しなくても」


 私は。……思わず。……そう、返した。


 ……いや。……だって。……この、状況で。……"私、Bランクに、なったので"、って。……なんか。……追い打ち、みたいじゃ、ない。……私が。……Cランクで。……悩んで、いる、そばで。


 ……アリシアは。……一瞬。……むっ、と、した、顔を。……して。……それから。……すぐに。……澄ました、顔に、戻った。


 (……後で、知った、ことだけど。……この、とき、アリシアは。……内心。……"……この人、ひどいな"、と。……思って、いた、らしい。……自分だって。……頑張って、Bランクに、なったのに。……"ドヤ顔"、呼ばわり、されて。……そりゃ、そうよね。……ごめん、アリシア)



  ◇



「……じゃあ。……何。……Cランク冒険者、っていうのも。……名乗れないの?……ええー」


 私は。……すっかり。……途方に、暮れた。


 ……騎士爵は。……最下位で。……格下。……Cランク冒険者は。……そもそも。……ここでは。……名乗る、意味が、ない。……聖女は。……名乗りたく、ない。


 ……じゃあ。……私。……いったい。……"何の、湊ミライ"、って。……名乗れば。……いいの?


 ……ただでさえ。……借りてきた、猫、みたいに。……縮こまって、いる、のに。……名乗る、肩書き、すら。……ない。


 ……はあ。


 ……もう。……いっそ。……名乗らずに。……済ませられ、ないかしら。……そんな。……ことばかり。……考えて、いた。


 ……この、私が。……"見て、見て!"、が。……口癖の、はず、の。……この、私が。……名乗るのを。……ためらう、なんて。


 ……本当に。……どうか、して、いる。……今日の、私は。



(第2話 了)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。