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冒険者パーティーを追放された俺、実は生産スキルが勇者のスキルより強かった  作者: 月兎
第1章

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8. お母さんの新しい人生

 クララはその言葉を聞いて、呆然と立ち尽くした。お母さんはもう、自分の娘のことも、二人で一緒に過ごしてきたことも、何も覚えていない。シルラにとって、目の前にいるのは完全に見知らぬ少女だった。その事実を思うと、クララはますます胸が苦しくなった。



「あなたはシルラという名前で、この少女のお母さんです。彼女の名前はクララです」

「え? お母さん? 冗談ですよね?」


 シルラは立ち上がり、そこで初めて近くに倒れているゴブリンたちの死体に気づいた。眉をひそめ、いったいこの家で何が起こったのか理解しようと、戸惑った様子で周囲を見回した。



「ここで何が起こったんですか?」

「それはもう重要ではありません。今は僕の話を聞いてください……」


 クララの頬を涙が次々と伝っていく。彼女はまだ床に座ったまま、自分のお母さんがもう自分のことも、父親のことも、そして家族として一緒に過ごしてきた日々も覚えていないという現実に、立ち上がることさえできなかった。かつて家族を繋いでいたすべてのものは、今やクララ自身の記憶の中にしか残っていない。


「私が聞くべきことって、何ですか?」


 シルラはそう尋ね、考えるように人差し指を唇へ当てながら、レグルの説明を待った。


「あなたは……」

「助けてくれ!」


 突然、外から聞こえてきた叫び声に、レグルは思わず言葉を止めた。そこでようやく、村への襲撃がまだ終わっておらず、村人たちが今もゴブリンと戦っていることを思い出した。


「あとで説明します。クララ……」



 レグルは、まだ床に座っている少女を見つめ、今の彼女は精神的なショックで完全に無力な状態なのだと理解した。彼女を一人にすることはできない。しかし、ここに残り続けるわけにもいかなかった。外では人々が戦い続けており、村は助けを必要としている。


「彼女を見ていてください。お願いします」


 シルラは黙って頷き、クララのもとへ歩み寄ると、そっと隣に腰を下ろした。レグルはさらに数秒、少女を見つめたあと、それ以上何も言えないまま振り返り、家の外へと駆け出した。



「アドバイス:家の上に魔物に対する結界を設置してください」


 レグルは、頭の中から聞こえてくるいつもの声に、もう驚くことさえなかった。家の前で立ち止まり、両手を上へ向ける。そして、なぜかすぐに頭の中へ浮かんできた呪文を口にした。


「ラドク!」


 家の上に見えない結界が現れた。普通の人間には見ることができないが、レグルには建物の周囲に防護領域が生まれたことが感じられた。その結界は、魔物が中へ侵入しようとすれば攻撃するようになっているらしい。



 家の防御は完了した。しかし、村そのものはまだ燃え続け、ゴブリンの襲撃も終わっていない。遠くからは村人たちの叫び声や、武器がぶつかる音、そして続く戦いの騒音が聞こえてくる。


「この結界を村全体に設置することはできるか?」

「回答:できません。現在のあなたの魔力では不足しています」


(くそっ!……)


 レグルは拳を握りしめたが、落ち込んでいる時間はなかった。再び手を上げ、自分のスキルを発動させる。



「創造!」


 お馴染みの緑色の光が手のひらを包み込み、次の瞬間、使いやすく鋭い短剣がその手に現れた。レグルは柄をしっかりと握り、武器を確認すると、すぐに村人たちを助けるため、ゴブリンの攻撃を受けている場所へと駆け出した。

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