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冒険者パーティーを追放された俺、実は生産スキルが勇者のスキルより強かった  作者: 月兎
第1章

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6. 口の中に広がる血の鉄臭い味

「男は全員、守りの準備をしろ!」


 村の父親たちだけでなく、若い男たちまで斧や鋤、手製の弓を手に取り、村の門へと駆けていった。


「女と子供を守れ!」



 戦いが始まった。弓の弦が引き絞られ、空気を切り裂く矢の音が響き渡る。レグルはその場に釘付けになったように立ち尽くしていた。ゴブリンたちは柵の向こう側にいるため姿は見えない。それでも、村人たちが村を守るために必死になって戦っている声だけは、はっきりと聞こえていた。


「レグル! 俺が戻れなかったら、妻と娘を守ってくれ!」

「でも……!」



 レグルが何か言うより先に、ブランは長い短剣を手にして走り去ってしまった。レグルはその背中に向かって頷くと、急いで家のほうへ駆け出した。すでにゴブリンたちは村の中へ侵入していた。革の腰布を身につけ、様々な武器を持った小さな緑色の魔物たちが、村のあちこちを走り回っている。家へ次々と侵入していくゴブリンたちを目にしたレグルは、さらに足を速めた。


「「くそっ! くそっ! くそっ! くそっ! 間に合わないと……!」」



 家へ近づいたそのとき、レグルは窓の向こうに緑色の魔物を見つけた。ゴブリンは大きく腕を振り上げ、ニヤニヤと笑いながら攻撃を繰り出そうとしている。


「やめろ!」

「アドバイス:侵入者を排除してください」

(そんなこと言われなくても分かってる!)


 レグルは木製の扉を蹴破るようにして家の中へ飛び込んだ。そこで目にしたのは、クララとシルラの前に立ちはだかる三匹のゴブリンだった。二人は身体中に青あざや切り傷を負っている。




「レグル……来てくれたの……」


 ゴブリンたちはゆっくりと振り返り、喉を鳴らすような不快な笑い声を上げた。自分を助けてくれた二人がこんな状態になっているのを見た瞬間、レグルの中で何かがプツリと切れた。


「クソ野郎どもが……」


 ゴブリンたちは一斉にレグルへと飛びかかった。


「警告:攻撃を受けています」



 レグルは最初の攻撃を紙一重でかわすと、拳を握り締め、そのまま一匹の小さな魔物の鼻へ叩き込んだ。ゴブリンは壁まで吹き飛ばされ、そのまま動かなくなった。レグルは壁から剥がれ落ちたレンガを掴み、残った二匹へと振り向いた。二匹のゴブリンはすでに魔法を使い始めている。


 ゴブリンたちは風の魔法を次々と放った。しかしレグルは自分でも気づかないまま、そのすべてをかわしていく。そのうちの一発がクララへ向かって飛んでいったが、風の刃は彼女の目の前で霧散した。


「きゃっ!」


 レグルは重いレンガを両手で持ち上げ、魔法をかわしながら不器用にゴブリンへ突っ込んでいった。そして、その頭へレンガを叩きつける。ゴブリンは床へ倒れ込み、レグルはそのまま何度も顔へ攻撃を加えた。しかし、残ったもう一匹のゴブリンが背後からレグルへ襲いかかり、短剣を振り上げる。


「レグル!」


 その瞬間、クララが放った火球がゴブリンの後頭部へ直撃した。致命傷にはならなかったものの、その一撃によってゴブリンの動きが止まり、レグルが反応するには十分な隙が生まれた。


 レグルはゴブリンの脚を蹴り払った。魔物は床へ倒れ込み、そのまま倒された。レグルはすぐにシルラとクララのもとへ駆け寄った。


「二人とも大丈夫か?」



「うん、あなたのおかげで……でも……お母さんを助けて……。声が出なくなっちゃったの……」

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