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冒険者パーティーを追放された俺、実は生産スキルが勇者のスキルより強かった  作者: 月兎
第1章

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16. ボロボロになったゴブリンの女王

「警告:この扉の向こうに、ブランという人物がいます」


(分かった)



 レグルは大きな木製の扉へ近づいた。それはもはや門と呼んだほうが相応しいほど巨大だった。レグルは一人でこんな扉を開けられるはずがないと思っていたが、試しに扉へ触れた瞬間、扉はひとりでに開き始め、レグルは驚いて一歩後ろへ下がった。



 扉の向こうには、ブランと村の住民たちが地面に倒れていた。全員が意識を失っているようだった。レグルが数歩進んだ瞬間、室内から放たれている強大な魔力を感じた。そこには大勢の人々が倒れており、誰一人として意識を取り戻していなかった。



 レグルは慎重にブランへ近づき、首元に手を当てて脈を確認した。


(生きてる……)


 レグルは安堵の息を吐いた。


「誰の許可を得て、私の領域に入ってきたの?」



 背後から女性の声が聞こえた。レグルが慌てて振り返ると、そこには小柄な少女が立っていた。身に着けている服はところどころ破れており、その瞳には生気がなく、声も疲れ果てたように憂鬱だった。


「お前は……誰だ?」

「回答:対象を確認。セリナ・カンドチェル。ゴブリンの女王です」

(セリナ・カンドチェル……。この女がゴブリンの女王なのか?)



 レグルは目の前の少女を注意深く見つめた。彼が想像していたのは、巨大なゴブリンの軍勢を自ら率いる、強大で残忍な怪物だった。しかし、目の前にいるのは普通の少女にしか見えない。そしてなぜか、その表情から感じられるのは怒りや殺意ではなく、どこか悲しげで疲れ果てた雰囲気だった。



「俺の名前は……」

「セリナ……」

「ええ? どうして知ってるの?」

「それはどうでもいい……。どうして村の人たちを連れてきた?」

「どうして? 食べるためよ」


 その言葉を聞いた瞬間、レグルの足から力が抜けそうになった。セリナの顔には、自分が何を言っているのか分からない様子も、冗談を言っている様子もなかった。



「食べる……?」

「そうよ! 私たちはこの子たちと一緒に人間の肉を食べて、もっと強くなるの」


 その言葉が終わった直後、あらゆる通路からゴブリンたちが姿を現し始めた。彼らの笑い声が耳をつんざき、小さな足が石の床を激しく踏み鳴らすたびに、低い音が部屋中へ響き渡る。レグルが気づかないうちに、いつの間にか部屋はゴブリンたちで埋め尽くされ、出口への道までも完全に塞がれていた。

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