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冒険者パーティーを追放された俺、実は生産スキルが勇者のスキルより強かった  作者: 月兎
第1章

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10. 血で汚れた白いストッキング

 レグルは立ち上がり、辺りを見回した。家々はゴブリンたちが放った火矢によって燃えていた。人々は動かないまま倒れていたが、ブランの一行の姿だけはどこにも見当たらず、少年は不安になった。


 レグルは村の外へ走り出すと、最後のゴブリンが茂みへ飛び込み、そのまま逃げていくのを目にした。



(どうやら、撤退しているみたいだ)


 レグルは村へ戻り、家の方へ向かった。中へ入ると、クララがシルラの膝の上で眠っているのが見えた。


 こんな状況で、どうして眠れるんだ……。


 レグルが不思議に思っていると、シルラが指を口元に当てる仕草をした。



「しーっ」


「助けて!」


 突然、隣の家から女性の助けを求める声が聞こえてきた。



 レグルは迷うことなく外へ飛び出し、隣の家へ駆け込んだ。


 そこで彼が見たのは、家の瓦礫に押しつぶされた少女だった。少女は床に倒れたまま、折れた足に乗っている大きな石を動かすことができずにいた。


「レグル? お願い、助けて……」


「シトラ! 今助ける!」


 レグルはシトラのもとへ駆け寄り、彼女の足に乗っている大きな石を押し退けようとした。


 その瞬間、シトラが痛みに耐えきれず叫び声を上げた。


「きゃああああ! ごめん……痛い……」

(何か方法はないか?)

「回答:もちろんあります。瓦礫をインベントリへ送ってください」

(そうか! ありがとう!)



 レグルは空間をまるでジッパーのように開いた。


 すると、周囲に散らばっていた瓦礫が次々と吸い込まれていき、あっという間に消えていった。


 シトラは目を見開いた。


 しかし、その直後、自分の足を見た瞬間、表情が恐怖に変わった。


「これ……私の足……?」



 シトラは数秒間、自分の足を見つめていた。まるで自分の目を信じられないかのようだった。痛みのせいでほとんど動くこともできず、周囲には崩れた家の瓦礫が散らばっている。レグルは素早く彼女の状態を確認し、ここに残しておくわけにはいかないと判断した。この家はいつ完全に崩れてもおかしくない。


「動かないで。今、ここから出してあげる」

「でも……私の足……感覚がない……」

(意外と自分の足を見ても、かなり落ち着いているな)

「今は考えなくていい。まずはここから出よう」



 レグルはシトラを慎重に抱き上げ、家の外へ運び出した。少女は最初、驚いたようにレグルを見たが、何も言わなかった。


 外へ出ると、シトラは破壊された村と、負傷者を助けようとしている何十人もの人々を目にした。その表情がすぐに変わる。


「私の家族は……?」




 レグルは黙り込んだ。


 自分自身、村の住民がどれだけ生き残っているのか、まだ分かっていなかった。だから、何と答えればいいのか分からなかった。


「シトラ!」


 崩れた家の陰から、腕に包帯を巻いた若い男が走ってきた。シトラの姿を見つけると、すぐに彼女のもとへ駆け寄る。


「生きてたのか! もうダメかと思った……」


「レオン……」


 シトラはレオンを見つめ、ほっと息を吐いた。


「他のみんなは?」


 レオンは視線を落とした。


「分からない。ゴブリンが門を突破した後、みんな散り散りになった。俺はお前を探していたんだけど、その途中で襲われたんだ。目を覚ました時には、村はもうこんな状態だった」


 レグルはシトラを地面に下ろし、辺りを見回した。戦える人間は、もうほとんど残っていない。何人かの村人は燃えている家の火を消そうとし、別の者たちは負傷者を安全な場所へ運んでいる。



 しかし、ゴブリンの襲撃が本当に終わったのかどうかは、誰にも分からなかった。

 レグルの視線は生き残った者たちの中からブランを探していた。

 だが、どこにもその姿は見えなかった。


「シトラ……その足……」


 レオンがシトラの足の状態に気づいた。

 シトラはもう一度、自分の足へ視線を落とした。

 先ほどまでは、アドレナリンとショックのせいで、自分がどれほど深刻な状態なのか理解していなかった。




 しかし今になって、少しずつ現実を理解し始める。

 自分の右足の感覚が、まったくない。

 レグルは、シトラの目に溜まっていく涙に気づいた。


「俺が治してみる……」


 レグルはシトラのもとへ近づき、血で汚れた彼女の靴を脱がせた。


「きゅ……」



 シトラは小さく声を漏らし、恥ずかしそうに顔を赤くした。


 レオンはまるで雷に打たれたようにビクッと体を震わせ、視線を逸らした。


「俺は他のみんなを手伝ってくる」


 そう言って、レオンは慌ててその場を離れていった。

 レグルはシトラの足の裏に手を当てた。




 すると、彼の手のひらが少しずつ温かくなっていく。

 シトラは顔を赤くし、ときおり慣れない感覚に小さく声を漏らした。



「治療!」


 次の瞬間、レグルの手のひらから柔らかな光が広がった。

 シトラの傷が目の前で回復していく。

 失われた血が戻り、折れていた骨もゆっくりと元の状態へ戻っていった。

 数秒後、治療は完了した。


「終わった」

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