第33音 ノイズの声と救える可能性
進化型ノイズ。
それは。
今までのノイズとは明らかに違った。
理性。
言葉。
そして。
“感情”のような何か。
《進化型ノイズ:コード・グリーフ》
怪物が咆哮する。
音波刃が周囲へ乱射。
ビル崩壊。
道路断裂。
ミオが吹き飛ぶ。
「きゃぁっ!!」
セレスティアが即座に救出。
光翼展開。
「ミオ!」
「だ、大丈夫……!」
だが。
怪物は止まらない。
胸部スピーカーが再び発光。
超高密度音波。
空間そのものが歪む。
ビートが叫ぶ。
「来る!!」
セレスティアが光剣で防御。
だが。
バキィ!!
光刃にヒビ。
セレスティアの目が揺れる。
「……硬い」
ミオがギターアックスを振り抜く。
《SONIC BREAK》
虹色音波。
直撃。
だが。
怪物は耐える。
「嘘でしょ!?」
進化型ノイズがミオを狙う。
赤い瞳。
一直線。
セレスティアが割り込む。
「下がって!」
光の斬撃。
腕一本切断。
だが。
切断面から即再生。
ミオが青ざめる。
「再生まで!?」
その時。
上空から元気な声。
「お困りかなー!?」
「参上ー!!」
ミオが振り向く。
双子。
完全シンクロ飛行。
《シンクロツインズ》
兄・ソラ。
妹・ルナ。
二人同時にポーズ。
「「シンクロ率98%!!」」
ビートが呆れる。
「その口上いる?」
「「いる!!」」
ミオが少し笑う。
緊張が和らぐ。
ソラが叫ぶ。
「左いくよルナ!」
「了解!」
二人が同時加速。
完全一致。
鏡みたいな動き。
進化型ノイズの死角へ。
高周波ブレード展開。
同時斬撃。
ザザン!!
怪物の動きが止まる。
セレスティアが即反応。
「ミオ!」
「うん!!」
ミオがイヤホン音量最大。
鼓動同期。
スーツ発光。
《 MODE:METAL》
重低音。
爆音。
ギターアックス巨大化。
ミオが叫ぶ。
「ぶっ飛べぇぇぇ!!」
フルスイング。
《MAXIMUM LIVE》
虹色の超巨大音刃。
セレスティアも同時攻撃。
光の極大斬撃。
二つが重なる。
轟音。
爆発。
進化型ノイズの身体が崩壊する。
怪物が膝をつく。
ミオが息を切らす。
「……やった?」
だが。
怪物はまだ動いていた。
赤い瞳。
ゆっくりミオを見る。
その目には。
敵意がなかった。
ミオが気づく。
「……え」
怪物が震える。
苦しそうに。
胸部スピーカーからノイズが漏れる。
そして。
掠れた声。
「……たす……けて……」
全員が止まる。
ソラが呟く。
「……今」
ルナも青ざめる。
「喋った……?」
ミオの心臓が跳ねる。
怪物が再び言う。
今度ははっきり。
「助けて……」
その瞬間。
ミオの頭に。
父の言葉。
ゼロビート。
そして。
“ノイズを救えるかもしれない”
という可能性がよぎる。
進化型ノイズの身体が崩れていく。
苦しそうに。
まるで。
泣いているみたいに。
ミオが一歩前へ出る。
セレスティアが止める。
「危険です!」
だが。
ミオは怪物を見る。
怖い。
でも。
放っておけなかった。
怪物が最後に小さく呟く。
「……ころ……して……」
そして。
身体が暴走。
紫色のノイズが噴き出す。
ビートが叫ぶ。
「まずい!!」
遠く離れたノイザー本拠地。
レゾナンスが静かに目を閉じる。
「失敗作か」
ノクターンは微笑む。
「いや」
「進化は始まっている」




