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第25音 白銀の守護者と黒の指揮者

真っ暗だった。


冷たい。


怖い。


12歳のミオは震えていた。


ミオはノイズの檻の中へ閉じ込められていた。


紫色の空間。


歪んだ廃工場のような場所。


床には黒い液体。


耳鳴りのようなノイズ。


怖い。


息が苦しい。


ミオは膝を抱えていた。


「……うぅ」


涙が止まらない。


お父さん。


お母さん。


どうなったの。


頭の中がぐちゃぐちゃだった。


その周囲では。


旧破音五人衆が話している。


旧ハウリングが笑う。


「コイツが原初音ォ?」


旧レゾナンスが頷く。


「適合率は歴代最高」


「ノクターン様の理想に最も近い」


ミオは意味が分からない。


ただ怖い。


旧サイレンスだけは静かにミオを見ていた。


感情のない目。


ミオは震える。


「……帰りたい」


誰にも届かない小さな声。


施設奥。


巨大な扉。


その向こうから。


とてつもない圧迫感。


ズゥゥゥゥン……


空気が震えている。


旧破音五人衆ですら静かになる。


レゾナンスが低く言う。


「ノクターン様への献上品だ」


ミオの身体がさらに震える。


本能が理解する。


“あれ”に会ってはいけない。


その時。


遠くで爆発音。


ドォォォォォン!!!


施設全体が揺れる。


ハウリングが振り向く。


「ァ?」


警報。


赤い光。


【侵入者確認】


【侵入者確認】


【侵入者確認】


次の瞬間。


天井が吹き飛んだ。


白銀の光。


轟音。


ノイズが一瞬で吹き飛ぶ。


そして。


ゆっくり降り立つ。


《ゼロビート》


ミオの瞳が開く。


「……ゼロビート」


白銀の翼。


巨大ブレード。


青い瞳。


怒っていた。


今まで見たことがないくらい。


機械なのに。


確かに怒っていた。


旧ハウリングが笑う。


「来たなァ!!」


突撃。


超高速ノイズ波。


だが。


ゼロビートは動かない。


「排除」


瞬間。


消えた。


「……は?」


ハウリングの背後。


光刃一閃。


ザンッ!!


旧ハウリングが吹き飛ぶ。


壁を数十枚ぶち抜く。


ミオが目を見開く。


速すぎる。


次の瞬間。


旧レゾナンスが共鳴波。


空間を歪ませる紫の衝撃。


ゼロビートは真正面から突破。


白銀のエネルギーがノイズを切り裂く。


「バカな――」


拳。


ドォォン!!


レゾナンスが地面へ叩き落とされる。


施設崩壊。


圧倒的。


まるで勝負にならない。


旧サイレンスが能力発動。


世界から音が消える。


完全無音。


普通なら動けない。


だが。


ゼロビートは止まらない。


「ミオを返せ」


低い声。


静かな怒り。


次の瞬間。


白銀の波動。


無音空間そのものを破壊。


サイレンスの目が初めて揺れる。


ゼロビートがミオを拘束していたノイズを切断。


ミオが落ちる。


「きゃっ」


ゼロビートが優しく受け止める。


その瞬間だけ。


声が柔らかくなる。


「怖かったね」


ミオが涙を流す。


「……うん」


「お父さんとお母さんが……」


ゼロビートは少しだけ黙る。


そして。


「今は逃げよう」


ミオが小さく頷く。


だが。


その時。


空間が静まり返った。


ズゥゥゥゥン……


重力のような圧迫感。


旧破音五人衆が即座に跪く。


レゾナンスが低く言う。


「……来る」


ゼロビートがミオを背後へ隠す。


その瞳が険しくなる。


ミオは震える。


何かが来る。


とんでもない何かが。


巨大扉が。


ゆっくり開く。


暗闇。


黒いノイズ。


そして。


紫の瞳。


静かな足音。


コツ……


コツ……


姿を現す。


黒い指揮棒。


長いコート。


世界そのものを歪ませる存在。


《ノクターン》


ミオの呼吸が止まる。


ノクターンは静かにミオを見る。


「……見つけた」


その一言だけで。


空間全体が震えた。


ゼロビートが前へ出る。


ブレード展開。


「ミオには触れさせない」


ノクターンは少しだけ目を細める。


「壊れるぞ」


ゼロビートの返答は短かった。


「関係ない」


その瞬間。


二人の超エネルギーが激突。


施設全体が吹き飛んだ。


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