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第22音 projectと適合者

研究所最深部。


赤い警報が鳴り響く。


モニターには。


被験体001


音羽ミオ


ミオの呼吸が止まりそうになる。


「……私が」


「被験体……?」


頭が真っ白になる。


ビートも静かだった。


その時。


暗闇から拍手。


パチ……パチ……。


《レゾナンス》


白い仮面。


紫色のノイズ。


不気味な笑み。


「感動の再会だね」


ミオが一歩下がる。


「なんでここに……!」


レゾナンスは楽しそうに笑う。


「当然だろ?」


「ここは始まりの場所なんだから」


レゾナンスがモニターへ触れる。


古い映像が再生される。


そこに映っていたのは。


ミオの両親。


若い頃の姿。


父・音羽レイ。


母・音羽カナデ。


二人は必死な顔で研究をしていた。


『成功すれば――』


『人類はノイズへ対抗できる』


レゾナンスが説明する。


「原初音」


「世界最初の“音”」


「全ての音の源」


「エネルギー」


「生命」


「感情」


「共鳴」


「全てを司る力」


ミオが震える。


「そんなの……」


レゾナンスが笑う。


「君の両親はそれを人工的に再現しようとした」


モニターが切り替わる。


そこには。


幼いミオ。


カプセルの中。


ミオの瞳が揺れる。


「……うそ」


レゾナンスが静かに言う。


「普通の人間は耐えられない」


「でも君だけは違った」


「適合率99.8%」


「奇跡的成功例」


ミオの身体が震える。


ビートが前へ出る。


「やめろ」


レゾナンスは笑う。


「ゼロビート」


「まだ守るつもり?」


ビートの光が鋭くなる。


「当然」


レゾナンスがゆっくり歩く。


「5年前」


「ノクターン様は原初音を回収しに来た」


「だが君たちは逃げた」


「ゼロビートのおかげでね」


映像。


研究所崩壊。


ノイズ軍勢。


ゼロビートが単独で戦っている。


その姿は圧倒的だった。


光のブレード。


超高速飛行。


無数のノイズを破壊。


まるで戦神。


ミオが呆然とする。


「……ビート」


今のポンコツロボと同じとは思えない。


レゾナンスが笑う。


「当時のゼロビートは」


「ノクターン様以外では止められなかった」


「だから壊された」


ビートが静かに言う。


「……ミオを守れたからいい」


ミオが目を見開く。


レゾナンスが両手を広げる。


「原初音は世界を書き換える」


「ノイズも」


「人間も」


「全部」


「新しい世界を作れる」


ミオが叫ぶ。


「そんなことのために!!」


「お父さんたちを!!」


レゾナンスは首を傾げる。


「必要だった」


「進化には犠牲が必要だから」


その瞬間。


ミオの中で何かが切れた。


ゴォォォォ……!!


ミオの身体から虹色の音が漏れ出す。


研究所が震える。


レゾナンスが後退。


「……やっぱり」


「危険だ」


ビートが叫ぶ。


「ミオ落ち着いて!!」


だが。


止まらない。


原初音が反応していた。


ミオの感情に。


怒りに。


悲しみに。


ビートが決断する。


「……仕方ない」


小さなコアが光る。


《ZERO DRIVE》


白銀の装甲展開。


翼形成。


巨大ブレード。


かつての英雄。


《ゼロビート》


レゾナンスが笑う。


「待ってたよ」


次の瞬間。


紫の共鳴波。


ゼロビートが突撃。


超高速戦闘。


研究所が吹き飛ぶ。


ミオはその戦いを見ながら。


胸を押さえていた。


心の奥から。


誰かの“歌”が聞こえる。


優しい。


だけど。


どこか悲しい歌。


戦闘の最中。


最深部モニターに最後のデータ。


【ORIGIN SOUND COMPLETE時】


【世界共鳴率:100%】


その下に。


もう一つ。


「終末音(ラストノイズ)発生」


ミオが青ざめる。


「……終末音?」


その瞬間。


研究所全体が崩壊を始める。


そして遠く。


夜空の向こうで。


巨大な黒い音が脈動していた。


まるで。


世界の鼓動のように。


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