第14音 世界の音とトップ5
暴走する虹色の音。
ミオの身体から溢れ出す異常な共鳴。
空間そのものが歪む。
「っああああ!!」
ソラが叫ぶ。
「ミオ!!」
ルナが支える。
だが。
レゾナンスだけは――固まっていた。
レゾナンスの仮面がわずかに震える。
「……なんだ」
共鳴波を通じて見えた。
ミオの“奥”。
そこにあったのは。
巨大すぎる音。
深淵。
宇宙のような無限の共鳴。
まるで世界そのものが歌っているような感覚。
レゾナンスが後退する。
初めて。
破音五人衆が“恐怖”を見せた。
「ありえない……」
ビートが目を見開く。
「まさか……!」
レゾナンスはミオを睨みながら震える。
「ノクターン様の予測以上だ」
「この器……危険すぎる」
ミオの中から、さらに巨大な波長。
一瞬。
誰かの“歌声”のようなものが聞こえた。
その瞬間。
レゾナンスが完全に引いた。
「撤退する」
「えっ!?」
ハウリングが驚く。
だがレゾナンスは即座にノイズゲートを開く。
「今は触れるなこれは惜しくも逃がすしかないだろう。」
「だがまだ“目覚めていない”」
意味深な言葉を残し、破音五人衆は消えた。
暴走が止まる。
ミオが倒れかける。
ビートが支える。
「ミオ!」
ミオは苦しそうに息をする。
「……今の、なに……」
誰にも分からない。
だが。
ビートだけは少し青ざめていた。
ヒーロー協会本部
巨大ホール。
スクリーンに映し出されるのは――
現在のヒーローランキング
会場がざわめく。
ミオはソラたちと並んで座っていた。
「うわぁ……本物ばっか」
ヒーローランキング TOP5
第5位
《ブレイズハウル》
炎を操る獣型ヒーロー。
超攻撃特化。
戦場では“灼熱の狼”と呼ばれる。
赤いマントと巨大な炎爪が特徴。
第4位
《アークヴェイル》
超高速飛行ヒーロー。
光速に近い移動を可能とする空戦特化型。
常に空中にいるため“空の王”と呼ばれる。
第3位
《オラクル》
未来予測能力を持つ謎の女性ヒーロー。
直接戦闘は少ないが、
彼女の予測で何万人も救われている。
第2位
《ギガント》
現ヒーロー界最強の肉体。
超重武装ヒーロー。
都市級ノイザーと単独戦闘可能。
全長3m近い巨体。
そして。
静寂。
最後の一人。
第1位
《セレスティア》
現在最強のヒーロー。
“星光の守護者”。
圧倒的エネルギー制御能力を持つ女性ヒーロー。
4年前の大戦を生き残った数少ない超英雄。
ミオは思わず見惚れる。
「……綺麗」
セレスティアはステージ上から、真っ直ぐミオを見る。
司会が宣言する。
「次」
「特別認定候補」
「仮ヒーロー、音羽ミオ」
会場がざわつく。
「例の音楽ヒーローか」
「未成年だろ?」
ミオが緊張しながら前へ出る。
ビートも肩に乗る。
セレスティアが静かに言う。
「あなたを観察していました」
「……はい」
「あなたはまだ未熟」
ズバッと言われる。
「うっ」
「ですが」
セレスティアの目が少し柔らかくなる。
「あなたの音は、人を救っている」
会場が静まる。
「よって」
「仮ヒーロー資格を更新」
「さらに――」
巨大スクリーンに文字。
《正式ヒーロー候補認定》
ミオが固まる。
「……え?」
ソラが飛び跳ねる。
「すごぉぉぉい!!」
ルナも拍手。
「昇格」
ユナが笑う。
ビートも静かに光る。
「おめでとう、ミオ」
その後。
協会技術室。
最新設備が並ぶ。
リズがビートを修理していた。
「……これ本当に何で出来てるんです?」
「秘密」
「怖い」
修理完了。
ビートの光が安定する。
「おおー!」
ソラが拍手。
ビートが回転する。
「ちょっと元気になった!」
リズが真顔で言う。
「でもゼロドライブは多用禁止です」
「コア負荷が危険すぎる」
ミオが頷く。
「絶対無茶しないこと」
ビートは少しだけ笑った。
「努力する」
数日後。
巨大試験施設。
ミオは試験会場に立っていた。
「……緊張する」
## 第1試験:学力
「うわ無理」
大量の問題。
戦術論。
ノイズ理論。
ヒーロー法。
ソラは机に突っ伏す。
「文字多い……」
ルナは寝かけてる。
ミオは意外と解いていく。
「音響工学なら得意なんだけどなぁ」
## 第2試験:身体能力
広大なアスレチック。
高速移動。
戦闘回避。
体力測定。
ミオは音を利用して軽快に突破。
試験官たちがざわつく。
「大人のヒーロー候補より圧倒的に速い。」
## 第3試験:ヒーロー実戦
巨大訓練都市。
模擬ノイザー出現。
試験官が告げる。
「市民救助を優先せよ」
ミオが深呼吸する。
「……よし」
ビートが肩で言う。
「いつも通り」
ミオは笑う。
「うん!」
その瞬間。
試験会場全体に警報が鳴り響く。
【高濃度ノイズ反応】
試験官の顔が凍る。
「まさか……本物!?」
天井を突き破り。
黒いノイズが降ってくる。
そして。
空から聞こえる声。
「試験を始めよう」
現れたのは――
破音五人衆。
サイレンスだった。




