表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/224

3 ダンジョンの話を聞きました

スビートが、神様から「光の通路に変な奴が来て、聖霊たちをいじめている」と聞いたそうだ。

光の通路というのは、以前、スビートが聖霊界とこの世界をつなぐ亜空間だと言っていた、アルテリア学園の中庭にある王宮ダンジョンのことだろう。


さらに、神様は、「ママ」もそこにいて、困っていると言っていたようだ。

確か、以前、スビートは「光の通路には、眠れなくなった聖霊がいる」と言っていたように思う。


「ママも眠れなくなったのかしら」


「よくわかんないよ。どうしよう。


聖霊は、眠りながら神様とお話をするから、毎日元気なのに、眠れなくなったらママが病気になっちゃうよ。ママに会わなくちゃ。


神様も、変な奴らを追い出せって言ってるし」


ミトロヒナ嬢がスビートを捕まえようとしていたため、彼女からかくまうために、私がスビートを飼い始めた。

そして、今、ちょうど、ミトロヒナ嬢は行方不明なのだから、ちょっとぐらいスビートを外に出してもいいのではないかしら。


私も、おじいさまがお戻りになるまでは、時間もある上、どちらかと言えば、用事があってこもっているとでも言っておいたほうが、社交的な付き合いを断ることができていいかもしれない。

なにしろ、お茶会などの手紙が山のように届いているのだ。

侍女長のキアラや、タウンハウスの執事のオルキサンドルに振り分けを頼んでいるけれど、王妃様の様に家に押しかけてこられたら、会わざるを得ない。


ただ、ちょうどダイがいないのは痛い。

これまでの私は、困ったことがあると、たいていダイに無茶振りしており、そして、それでうまくいっていたのだ。

しかし、今回はダイを頼れない。


心細いけれど、ダイは転移者だから、私の前世の世界に帰る可能性がある。

私はもう生まれ変わっているから、帰ることはないだろうから、帰った時の練習だと思えばいい。


今まで、ふと思い浮かぶ度にあえて考えないようにしていた、ダイが帰る可能性について、考えてしまう。

想像するだけで、胸が痛むけれど、ダイに甘えてばかりではダメだと自分を叱咤激励してみる。


リタやケイトリン様のことを一瞬だけ考えたけれど、進級や卒業のための最終試験が近づいているから迷惑だろう。


私は、もう、最優秀生徒を目指さないのであれば最終試験を受ける必要もない。

まあいいわ。私とスビートで、少しだけ行ってみよう。

私もスビートも支援タイプなので心細いけれど、私は護身術を習っているし、死なない限りスビートが回復してくれるし、侵入者に会えれば私のスキルで王宮ダンジョンから出ていくようにお願いすればいい。


「スビート、二人でちょっとだけ行ってみる?

侵入者に出て行ってくださいとお願いしてみましょう」


「うん、ライラ、ありがとう。亜空間は、朝じゃないと入れないから、明日の朝行きたいよ」


「そうなの?」


「無理やり入る方法もあるみたいだけれど、僕知らない」


王宮ダンジョンの隠し部屋の入り方、ダイは、どう言っていたかしら?

確か、どこかの部屋のレリーフに触るのよね。あら、残念、覚えていないわ。


それと、聖獣ザラトーリェーフの攻略を進めると、ムービーが流れて二階層に導かれるとも言っていたような気がする。


おそらく、レリーフ云々は許可なく王宮ダンジョンに侵入するための抜け道で、聖霊と一緒に正規の方法で入るには、朝しか入れないのだろう。


「それじゃあ、明日、うんと早起きして、一緒に行きましょう。

今日は準備をしましょうね」


それから私は、明日の持ち物を準備したり、王宮ダンジョンの情報を集めて、攻略ノートにまとめたりした。


スビートは、私の隣の椅子の上で丸くなり眠っていた。


神様とお話しているのかしら。


むにゃむにゃと、寝言らしきことをつぶやいているスビートはやはりかわいく、緊急事態にもかかわらず、なごんでしまったわ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ