2 手紙が来ました
ようやく王妃様が帰った。
なんだろう、言葉の端々に上からの感じがにじみでている上、一方的に自分のおっしゃりたいことだけをしゃべるから、ちょっと疲れるわね。
まあ、子供がいなくなれば心配なのは親の情でしょうから、しょうがないのかしら。
私が自室に引き上げ、そんなことを考えながら、ぼうっとしていると、ちりんと鈴の音がしたような気がした。
見ると、机の上に紙が一枚乗っている。
手に取ると、日本語で書かれたダイからの手紙だった。
「お嬢様、私は現在、オルロー領を遠く離れ、この大陸の中央の大平原におります。
地平線まで真白く雪に覆われています。周囲に集落はなく、人もいません。
ばあさんとその番と一緒です。
この二匹は、すぐに喧嘩をしてお互いブレスを吐き散らし、一瞬で地形が変わるレベルの災厄をふりまいています。
この感じ、ドラゴン〇〇〇の悟〇vs.ベジー〇の対決を見ているようだ、と申し上げれば、お嬢様にも現在の私の状況が分かっていただけるでしょうか。
場所を変え、落ち着いて話し合う機会を持ったほうがいい、と勧めたところ、ここに連れてこられました。
確かに、周りに消失する物がなく、ブレス吐き放題です。
ばあさんは、ここに来てちょうどいいので、脱皮すると言っています。どうも、脱皮すると若返って生殖能力が復活するようです。
脱皮直後のドラゴンは弱いらしく、どうやっても人がたどり着けないこの場所で、身を守る場を作ってから脱皮するそうです。
番さんは、怪我しているため、脱皮する余力が残っていないので、ばあさんの様子を見守ると言っていますが、ばあさんは、私にも立ち会ってほしいと言っています。
番さんは、それがおもしろくないらしく、また喧嘩になっています。
世界の平和を守るためにもう少しお暇をいただきたいです。
公爵様にも報告させていただきますが、お嬢様からもどうかよろしくお伝えください」
うちの侍従は、私をほったらかして何をやっているのかしら。
朝寝をしていたスビートが大きく伸びをしてから近寄って来たのでよしよしする。
昨日も、深夜に王宮から帰って来た私を優しく慰めてくれた。おかげで今日も元気だ。
スビートが言った。
「ママが、困ってるみたい」
「どうしたの、スビート」
「寝ている間に、神様とお話したの。
ママがいる光の通路に変な奴らが来て、そこにいる聖霊たちをいじめているよって、教えてくれたの」
「大変じゃない!」
「変な奴らを追い出せって、神様が言っている。僕、行かなきゃ」
「まって、どうすればいいの?私も手伝うわ」
「わかんない」
聖霊ザラトーリェーフはアステリア王国の守護獣だ。どうにかしてでも、助けなくては。
ダイは、「手紙妖精のベル」を使ったようです。




