1 プレイヤー画面
前回の最後のリタのセリフを変更しています。
朝食後、リタにダイを紹介した。
昨日、エンシェントドラゴンに温泉を探してもらっていることを話したところ、協力したいと言い出したのだ。
リタは小さい頃、父親と一緒に諸国を旅しており、遠い国の山里で温泉に入ったことがあったそうだ。
リタは温泉を気に入り、アルテリア王国には温泉がないことを残念に思っていたらしい。
ちなみに、リタは、スビートが聖獣だったため、もう、エンシェントドラゴンに会うぐらいでは驚かないそうだ。
ただ、貴重な情報が得られたと思う。
この世界にも、お湯につかる文化を持つ国があるのね!
王子妃教育でも教わっていない内容だわ。
その国の温泉文化を紹介すれば、アルテリア王国でも温泉を受け入れられてもらいやすくなるかもしれない。
リタに案内してもらって、視察に行ってもいいわね。
これなら観光地開発もうまくいきそう。
リタは、後日ダイにこちらの世界の温泉について説明することを約束し、登校した。
「リタはまだ学園があるけど、卒業したらオルロー家に就職してくれるみたいだから、そのころまでに温泉が見つかっていれば手伝ってもらいたいわね」
「実は、公爵様から温泉の件を急ぐように言いつけられております。
断ったにもかかわらず、水星の杖の件での問い合わせがひっきりなしみたいで、どこかに病気療養が必要な人向けの窓口を作ってガス抜きする必要があるとお考えのようです。
また、公爵様は、21日に領地に戻られると伺っております。
そうなりますと、王都におけるオルロー家の方はお嬢様お一人ですから、多分、お嬢様への問い合わせがたくさん来ると思います。きっと大変ですよ!
さあ、さっさと温泉を作りましょう!」
ダイめ、ほんと温泉のことになると(以下略)……。
だが、私は第三王子の婚約者として王家の管理下にある身の上だ。
王宮の外に出ることが難しいので、温泉のことはダイに任せざるを得ないだろう。
そういうとダイはさらっと言った。
《千里靴があれば、私と一緒に転移できますよ。
ゲームではわからなかったことですが、転移は、プレイヤーの体を移転させるのではなく、プレイヤーの目の前の空間と転移先をつなげる仕組みらしいので、プレイヤーが千里靴を履いて、一緒に移動したい人と手をつないで転移すれば、その人も移動できます。
人数の上限は試したことがありませんが、パーティの上限人数だとすると4人まででしょうか。
一人をおんぶして、もう二人と手をつなげば行けると思います》
ダイは転移の仕組みを早口で説明してくれたが、正直わからない。
ダイ+3人なら長距離移動ができるということのようだ。
《千里靴を履くのではだめなのかしら》
《千里靴は、目的地の指定がざっくりしすぎですから》
千里靴は一歩で千里を歩けるようになるというアイテムで、方向や足を前に出した長さで行く先を加減するらしいのだが、こちらの世界の千里はおおよそ前世での250㎞ぐらいであり、このスケールになると足を踏み出す方向を360度中、1度間違えただけで目的地から100㎞以上離れた場所に着いてしまう。
だから、使えない、おもしろグッズ扱いされている。
そんな千里靴も、行き先を細かく指定できるダイの転移と組み合わせると、いきなり超強力アイテムになるわけだ。
《プレイヤーチートは、本当にすごいわね。
私も転移者なのだから使えないのかしら。どうやって使うの?》
《念じると、プレイヤー向けの画面が目の前に出てきます。
普段見えている世界の視野の端に、プレイヤー向けの画面にあったボタンやタブが重なって見える感じですね。
右上の赤いボタンが目の前にいる人に話しかけたり、モンスターを攻撃したりを選択する行動ボタン、右中段がキャラクター選択、右下が移動先選択です。
左上はワールドチャット、左下がアイテムボックスです。
キャラクター選択タブを開いて、そこに載っているキャラクターを選択するとステータス確認、あと選択したキャラクターが目の前にいれば、パーティに誘うというボタンが押せるようになりますね。
移動先選択タブを開いて移動先を選択すると、その場所の光景が現在いる場所に重なって見えるので、そのまま移動するを押すと足が勝手に一歩踏み出して移動できます。
アイテムボックスタブを開いて、アイテムを選択し、使うを押すとアイテムを使えます》
《なるほど、確かにゲームと一緒だわ》
アル戦はスマホゲームだったので、スマホを横持ちして、右上のボタンを連打しては攻撃しまくっていたわね。
私はがんばって念じてみたけれど、日本語を使った時と違いプレイヤー画面は表示されなかった。
転移者はプレイヤーだが、転生者はこちらの世界の人間なのでプレイヤーではないということだろうか。
《私が転移するは無理みたいね、千里靴はどうやれば手に入るのかしら》
《千里靴は使い方の難しいアイテムですから、ほぼ流通していません。
ダウリポリのダンジョンの宝箱から見つかりますが、こちらはもう私が友人と行った際に入手して、友人にあげてしまいました。
友人に頼めば貸してもらえると思います。
また、ゲーム知識ですが、王宮の地下ダンジョン最深部でドロップしたはずですよ》




