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3 お泊り祝勝会

更新が遅くなり、すいませんm(__)m


2022.9.10

リタの最後のセリフについて、内容を変更しました。

夕方、リタが遊びに来た。


昨日は、おじいさまやリタのお父様と祝勝会をしたのだけれど、リタがお姉さまと二人っきりでお祝いをしたいとおねだりしたので、今日コテージに泊って一緒にお祝いをしましょうと言ったのだ。


これって、パジャマパーティーよね。

アルテリア学園でも女子でお泊り会をやったという話を聞くことがあり、王子妃教育のために参加できなかったのだけれど、いえ、正直に言えば、そこまで親しい友達がいなくて参加したことがなかったのだけれど、気の置けないお友達と夜遅くまでおしゃべりってちょっと素敵、憧れていたからうれしい。


料理人が張り切って、夕食後にパウンドケーキを用意してくれた。

甘いものが好きなリタは、目をキラキラさせていた。


夕食後、ひとしきりおしゃべりするが、リタが眠そう。

聞くと、昨日からずっと眠気があって困っているというので、さっさと寝ることにした。


闘技大会では大活躍だったものね。

ちょっと残念だけど、夜通しのおしゃべりはまた今度でもできるわ。


体を拭いて寝間着に着替え、まだ早いけれど寝室に簡易ベッドを用意させる。

マリが昼から布団を干して準備してくれていたのだ。


寝室にいたスビートが、さっそく簡易ベッドに飛び乗って言った。

「うひゃあ。お日様のにおいだ!」


リタはびっくりして固まっていたが、スビートがベッドの上でころころしている横に座って言った。

「スビートは、おしゃべりができたのですね」


「うん、今まで黙っていてごめんね。しゃべっていいかどうか、わからなかったの」


スビートは少し申し訳なさそうに、リタを鼻でつんとついてから言った。


「ううん、難しいことがありそうだから、いいですよ。

スビートは聖獣様だったって、ライラお姉さまからうかがったけど、今まで実感がなかったから」


「うん、ママは人間とはおしゃべりしなかったって言っていたから。

なんだかね、人間とおしゃべりしなきゃいけない時は、予感がするんだって」


「おしゃべりしないといけない予感?」

私は横から聞いた。


「うん、僕ね、ママから聖獣は自分の気持ちに従って行動すれば、役目を果たすことができる、って言われていたの。

だから、僕、ママと別れた後、中庭で暮らしていたんだけど、マルガリータが怒鳴られているのを見て、何か変なことが起こるような予感がして、マルガリータについて女子寮で暮らすことにしたの。


こちらに来てから、安心して暮らせるようになったから、しゃべっても大丈夫だと思って、ライラに話しかけたんだよ」


スビートはちょっと威張って言った。

それ、なついただけじゃないかしら。問題になりそうな予感ではなさそうね。



スビートはリタのお膝の上に座った。

「前、いっぱいご飯をくれてありがとう。うれしかったよ。

僕、【聖なる光の癒し】スキルを使えるようになったの。

君にもスキルを使いたいなって思っていたから、今日は会えてよかった。


あれ、君、ステータスが上がったばかりなのかな、HPやMPの回復が追い付いていないみたいだね」


スビートが前足でちょん、とリタの胸を押すと、一瞬、リタの体が輝いた。


「あれ、眠くない!」

リタはすごくうれしそうに言った。

そこで、寝るのは止めて、簡易ベッドに二人と一匹で入っておしゃべりすることにした。



「ライラお姉さま、私、今年は半年ぐらい引きこもっていたのですが、今日、レオニード先生の面談で、闘技大会で優勝したから、最終試験の必須科目で変な成績をとらなければ進級できるだろうって教えていただきました」


「あら、やったじゃない」


「私、荷物を持って歩いていたら、前が見えなくて、向こうからツチャビッチ・ミトロヒナが来ていたことに気が付かなくて、よけてくださいって言っていたら、彼女に脇にある水たまりに入れってことかと怒鳴られて。

とりあえず謝って逃げようと思ったのだけれど、彼女がイヴァン殿下を呼んで、私が彼女を水たまりに落として道を譲れと言った、平民差別だ、私がライラお姉さまのとりまきだから彼女に意地悪をしたのだと大きな声で言われてしまいました。


困って何も言えなかったのですが、今度は、荷物を持ったまま突っ立っているなんて、王族に対する敬意がないと言われてしまって。


平民を差別してはいけないけど、王族には敬意を払わなくてはならないのかと混乱してしまって、そのうち、ツチャビッチ・ミトロヒナがライラお姉さまの指導がなっていないとか言い出して。


お姉さまに迷惑をかけるわけにはいかないと思って、しかたなく、水たまりの中に座り込んでお詫びをしたのです。


剣術がうまいと言われてプライドを持っていたし、平民出身だけど周りの方もよくしてくれていたと思っていたのに、なにか、剣術でがんばっても、権力があれば負けだ、と思うと、なんだかプライドが折れてしまったような気持になってしまいました。


あのころは、もう、学校をやめて、オルロー領の魔獣討伐隊に戻りたいと思って、寮で引きこもって、ひたすら筋トレばかりしていました。



闘技大会では、イヴァン殿下に一本入れる機会はなかったけれど、ケイトリンお姉さまとトーニャが勝ってくれたから、権力があっても負けは負けだわと思って、すっとしちゃいました。


だけど、ライラお姉さまの婚約者に対して、そんな気持ちになってしまってごめんなさい。


私、やっぱり、ライラお姉さまがご結婚された後は、魔獣討伐隊に戻ろうと考えています」


「あら、私もすっとしたわ。


それに、私、イヴァン殿下との婚約は解消しようと思っているの、まだ決まったわけじゃないから内緒にしてね」


「え、本当ですか!


ライラお姉さま、次の婚約者は決まってらっしゃるのですか?

それとも、誰か好きな人がいるとか?」


リタはパウンドケーキを食べていた時よりも目をキラキラさせて聞いてきた。


「決まっていないし、好きな人もいないわ。


あーあ、私も恋をしてみたいな」

そこから、好みのタイプの話やリタの話を聞いた。

リタの好きな人は、とても頼れる人ですって。


リタが今保健室登校しているのを思い出して、私はピンときた。


「ねえ、もしかして、リタが好きな人って、アンドレ先生?」


「えっと、違います。もう。


あ、でも、最近は、アンドレ先生とライラお姉さまの話をして盛り上がっているんですよ。


アンドレ先生は、ライラお姉さまのファンなのですって」


「アンドレ先生は、その、話し方から男性が好きなのかと思っていたわ」


「……そこらへんは、先生に直接聞いてください」


リタは結構アンドレ先生ときわどい話もしているみたいだった。

ボッチが長い私としては、ちょっとうらやましいわ。


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