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1 スキル実技上級?

今朝の給仕はダイだ。


私は無言で朝食をいただいていたが、足元で暖かいミルクを飲んでいるスビートに声をかけた。

「おいしい?」

「うーん、まあまあかな。僕より、ママがこういうの好きだと思うよ。

寒くなったから暖かいものを出そうという気持ちがうれしくて食べているんだよね」



ダイが話しかけてきた。

私の様子をうかがっていたが、私がスビートと話すのを見て、怒っていないと判断したようだ。

「お嬢様、昨日は、失礼いたしました。つい、趣味に走ってしまいました」


「そうね、妹タイプが好みだったとは知らなかったわ」


「申し訳ございません。あと、私が妹タイプを好んでいるわけでもありません。

あれは、お願いを効かせやすくするために、全世界男子の秘めたる願望を具現化しようとしたのです」

あら、ダイが何か壮大な言い訳を始めたわね。さっき趣味って言っていたように思うけど?


「世界の半分の女子からはあざといって嫌われそうだけどね。

とはいえ、アンドレ先生は、自分のことを女性だと思っていらっしゃるみたいだけれど、好みのタイプは小悪魔系女子なのかしら」


「小悪魔系男子かもしれません」《アル戦は同性を攻略しても恋愛エンドがありましたからね》

ダイはさらっと日本語に切り替えながら言った。あら、確かに同性同士の恋愛エンドがありましたわね。


《アンドレ先生には申し訳ないけれど、何とかごまかすことができてよかったわ。

しかし、ダイが私に忠誠心を抱いているというのは初耳ね》


ダイは、忠誠心うんぬんについてはさらっと無視して言った。

《その点についてなのですが、ご報告したいことが3点ございます。

第一に、おそらくアンドレ先生は、【公爵令嬢のお願い】スキルの効果はバフではないことに気がついています》


《え?どうしてそう思ったの?》


《ポーズを決める時に攻撃力や防御力が上がっているかをチェックせず、かわいいかどうかだけで判断していたからです》


《あ、そういえば》


《おそらく、【公爵令嬢のお願い】スキルの本来の効果で、お嬢様を守らなくてはならないと思い、だまされたふりをしたものと推測します。


第二に、アンドレ先生のステータスを見ることができるようになりました。

私やお嬢様に対する好感度が上がり、パーティに誘うことができるようになったようです。


第三に、アンドレ先生ですが、覚醒しています。

おそらくお嬢様から『私を守って』と言われた時に覚醒したのではないかと思います。

アンドレ先生の訪問後、すぐにステータスを見ることができるようになったのですが、当初は覚醒スキルが載っていませんでしたから。


アンドレ先生の当初スキルは、【水の癒し】、属性は水です。

覚醒後に追加されたスキルは、【水神の盾】、属性は水で、強いバリア機能があるようです》


《まあ、すばらしいわ!

さすがアンドレ先生、聖騎士(パラディン)ですわね》


《ええ、HPも高いですし、もともと目立つのでヘイトも集まりそうですし、優秀な前衛になりそうですね。

盾スキルなら、結構使えそうです。


ただ、アル戦では、アンドレ先生の覚醒後スキルは、【水星(ヘルメス)の杖】だったはずです。

水星(ヘルメス)の杖】は、一人の対象者のHPを大回復してくれるスキルでした。

ただ、ミッションやスタジアムでは、複数のHPを大回復してくれるスビートのほうが使い勝手がよくて、アンドレ先生は下位互換と言われていたのです。


やはり、何かの理由により、取得するスキルが変わることがあるようです》


《ほかにも、取得するスキルが変わった人がいるのかしら?》


《まず、私がステータスを見ることができる対象者は、アル戦のキャラクターであって、かつ、私かお嬢様が対象者の好感度を上げてパーティに誘えるようになったキャラのみです。


そして、ほとんどの人は、ゲーム通りのスキルを取得しています。

しかし、そうならないことがある。


そうですね、最初にスキルが変わったキャラに気が付いたのは、ミッションの舞台となるはずの町でした。


エキストラキャラクターがパーティに加入して進めるタイプのミッションがございますよね。


3年ほど前にそういった町で、騎士にあこがれる子供に会いました。

その子供は、【剣の閃き】という当初スキルを取得した衛兵としてアル戦のミッションに登場していましたので、私は、その子供に、そのことを告げました。


すると、その子供は、もっと剣の修行をしなくてはいけないと言い出して、武者修行の旅に出てしまい、【双剣使い】のスキルを取得して冒険者になってしまいました。


こういったことが、続いています》


《自分が取得するスキルを知ったことで、行動が変わり、実際には違うスキルを取得したということかしら?》


《その子供に関しては、そうですね。

ただ、私はアンドレ先生に対して覚醒後スキルの内容を告げたことはありません。

お嬢様も、アンドレ先生の覚醒後スキルはご存じなかったでしょう?》


《そうね、、、。


アンドレ先生の覚醒に私が関係しているとしたら、この世界の異分子であるダイや私がアル戦のキャラクターに関わることで、アル戦と違うスキルを取得させてしまうのかもしれないわね》


《そうかもしれませんね。

ただ、処刑前提のお嬢様や、没落予定の家に仕える私としては、希望を感じる話ではあります。

私たちの行動で、ゲームで決められていた未来が変わるかもしれません》



私は、私がかかわったために、本来の運命と違う生き方をすることになった人達が、ゲームの中よりも幸せになればいいな、とぼんやりと考えた。

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