3 主人公はだれなのかしら
《話を戻すと、悪役令嬢救済ルートがある。
そのルートに入るには、主人公が私を救う選択をするのが条件ということね。
主人公は、そういう選択をしてくれるのかしら》
ダイは考え込みながら言った。
《主人公を探して、説得するしかないですね》
《だれが主人公かしら。
ちなみに聖なるスキルの使い手という噂があるミトロヒナ嬢は?》
《キャラ一覧にツチャビッチ・ミトロヒナ嬢は載っていなかったので、主人公である可能性は高いと思います。
ただ私も全てのモブを把握していたわけではありませんので、よくわからないのが正直なところでございます》
《ダイはそういうけれど、ミトロヒナ嬢は、複数の攻略対象の好感度を上げる立ち回りといい、ピンクの髪に水色の目、被害者意識の強さに至るまで、小説のヒロインみたいじゃございませんこと?》
《ヒロインの定義が雑ですね。
まあ、わかりますよ。悪役令嬢小説に出てくる、ヒドインってやつでございますね。
ただ、私たちが探しているのはゲームの主人公でございますからね。
ゲームでは、主人公は、必ず聖なるスキルを持っておりました。
そして、ミトロヒナ嬢が聖なるスキルを持っているという噂があることは確かです。
しかし、まだ彼女を聖なるスキルの使い手であると確認できていません。
聖なるスキルは国家の一大事関心事ですから、ミトロヒナ嬢には、王家の影が張り付いて様子を探っているようですがね。
とはいえ、主人公は聖なるスキル以外に特訓でスキルを授かることもできますから、聖なるスキルを使わなければ、自分が主人公であることを隠すことは可能です。
彼女が主人公である可能性は高いです》
《そうなると、彼女に頼んで、私を断罪から救ってもらうしかないのかしら。
でも、悪いけど、私の彼女に対する好感度はマイナスだから。
彼女に何か頼みごとをするなんて考えられないわ。
ほんと、大っ嫌い》
《そこが不思議でございますね。
ミトロヒナ嬢が主人公だとすると、URキャラのお嬢様の機嫌を損ねるような行動をする理由が見つからない》
《逆ハーレムルートで攻略しているのではないかしら。
ほら、イヴァン殿下のみならず、ボリス・サハロフ様やトロフ・タハロフ様もミトロヒナ嬢に付きまとっているじゃあありませんか》
うーん、とうなってダイは言った。
《しょせん三馬鹿はSSRです。
どれも戦闘系のミッションでしか使えないスキルしか持っていませんから、逆ハーレムルートなるもので進めると、ノーマルモードのミッションでもレベル700ぐらいで行き詰ります。
まあ、私としては、お勧めできない代物ですね》
思い当たる点がありすぎた。
前世の私は、まさにその3人の逆ハーレムルートで進め、しょぼいことに、ミッションレベル500ぐらいからクリアできなくなっていた。
《つまり、ミトロヒナ嬢は、クリアできないということかしら》
《これからでも、三馬鹿のうち誰か一人を選んでスペシャルスキルを覚醒させ、育成して、課金ガチャ回して限界突破させてURにするとともに、戦闘系以外のスキル持ちも育成すればいける可能性があります。
攻略掲示板の書き込みでは、最初に逆ハーレムルートを発見して流行らせた人物が百万単位で課金してミッションレベル900までクリアしたという書き込みがありました》
《そ、そう》私はひいていた。
《効率が悪いのでおすすめはいたしません》
《わかったわ。
ミトロヒナ嬢が主人公だとすると、彼女はあまり攻略成功の見込みがないルートにいるわけね》
《そうなりますね。まあ、オルロー領にとっては、そのほうがいいわけですが》
《ほかに主人公はいるかしら》
《思い当たることはありますが、、、。
確定的なことは何とも申し上げられません》
ダイは、何か当てがあるのかもしれなかったが、教えてくれそうもない。
その時、ドアがノックされた。
マリがダイに仕事のことで話に来たのだ。
ダイは、まだ話したりなさそうだったが、私はもう結構ですわ、ぐったりですもの。
寝る前に気が付いた。
私、まだ自分のスキルの内容を聞いておりませんわ!




