私を飲めぇ
「よいしょ」
ジョボボボボボッ。
私のいる樽の隣の樽からお酒を注ぐ。
私を!
私を飲むんだ!
そしたら君を殺してあげるぞ!
「ふぅ~」
「うまかった」
覗いてみると、男の人の飲んでた酒樽は半分くらいになっていた。
バレないようにちょっとしか飲まないんじゃなかったの?
「ん~」
「飲み過ぎたか?」
「ちと眠くなってきた」
見た事もない複雑な模様のハンカチで口を吹くと、
カタッ。
「クゥゥゥゥゥ、、、」
「スゥゥゥゥゥゥゥゥ、、、」
寝た。
、、、え?
寝た?
全然危機感ないじゃん!
お酒はたくさん飲んじゃうし、寝ちゃうし。
この人、本当に聖女ちゃんを狙ってる人なの?
この程度の人で聖女ちゃんは殺せると思われてるの?
「ムニャムニャ、、、。教皇様ぁ。それはぁ」
「ムニャムニャ」
それは、何!?
それは、できられると、凄い先が気になるんだけど!
ガタガタッ!
馬車が異常なほど揺れる。
さっきまでの揺れでも酷かったのに、今のはもう荷台にある荷物とかが落ちるレベルだったよ。
現に、私の近くの酒樽が落ちちゃって、中のお酒がこぼれちゃってるし。
「いってて」
「頭打っちまった」
頭をおさえてうずくまっている。
どうやら、さっきの揺れで男の人は頭を打ったみたい。
本当に危機感がな、、、ん?
ふと、男の人の腰を見ると。
そこには、
「こいつは壊れてないよな?」
パアァァンッ!
発砲音。
臭いがするのか、男は顔をそむけた。
「うん。ちゃんと使える。大丈夫だな」
銃があった。
え??
銃???
この世界に、なんで銃があるの?
街並みとかを見た感じ、そんなに科学とが発達している風でもなかったのに。
「特に周りも気にせず撃っちまったけど、大丈夫かな?」
「、、、逃げとくか」
そういうと、男は荷台から飛び降り、あっという間に姿が見えなくなってしまった。
足速っ!?
馬車とは反対方向に走っていったからだろうけど、一瞬で姿が見えなくなったよ。
凄いね異世界。
恐ろしいほどの身体能力があったり、銃があったり。
私が思っているより、この世界は発展してるのかもね。
建築以外は。
建築は、発展してるとは言えないと思うんだよね。
家とかには、穴やら、ヒビやらたくさんあったし。
あれだと、雨漏りとか凄いと思うんだけどな。
よく、あんな家に住めるよね。
ガタンッ。
馬車の揺れが収まった。
馬車が止まったみたいだね。
しばらくすると、鎧を着た人たちが入ってきた。
さっきの銃の発砲音を聞きつけてきた衛兵さんとかかな?
その人たちは、死体に気付いたみたい。
「んお?死体?」
「なんだ?あの運転手、殺しをやってたのか」




