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メイド勇者とホスト魔王  作者: わったん
第六章 新しい日々の始まりと神官編
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第78話 勇者と魔王とこれからの話

 幼女姿のセリーナは、みんながよく見えるように高めのテーブルにピョンっと腰掛ける。


「ちょっと行儀は良くないがここに座らせてもらうぞ!ふむ、みんな揃っておるようじゃの!」


 両手を腰に当てながら座る可愛いセリーナに、みんなが思っている疑問をラヴィが代表して聞く。


「あの…セリーナ様…何故また幼女の姿に?」


「あぁこれか?あの美しく荘厳な女神の姿で街を歩いておると目立つであろう?だからお主らの前に姿を現す時は今まで通り子供の方が目立たんと思ってな!」


「そうですよね!一生そのままでいてほしいぐらいです!はぁ…はぁ…。」


「なんじゃ…お主…気持ち悪いのぉ…。」


 幼女を変態の目で見るラヴィに少し引きながらも、セリーナは改めて今回の事とこれからの事の説明を始める。


「まずはみんなご苦労じゃった!なんとか良き結果に落ち着いたのではないかの。

改めて、この世界をわしがヤオから引き継ぎ管理していく。よろしく頼むぞ!」


「「よろしくお願いします!」」


 セリーナの挨拶に、拘束魔法で縛られた四天王を除いた全員が丁寧に頭を下げながら返事をする。

 そこに、ヨルカがふてぶてしい態度でセリーナへ話し掛けた。


「前置きはいいアル。私達をどうするアルか?殺すなら早くするアル。」


「まぁそう死に急ぐでない。お主ら四天王と呼ばれておった者達は、処遇が決まるまでわしと一緒に暮らしてもらう。

結界を張るので自由に出入りは出来んが、閉じ込めておくと言うよりは、わしの身の回りの世話を頼む形じゃの!」


 そのセリーナの提案に、ハルとキョウは拒絶の態度を見せる。


「何で僕がお前なんかの世話をしなきゃならないんだ!僕は自由だ!この場に居る人間みんな殺してやる!」


「ハルさんの言う通りでありんす。どうしてもと言うなら、殺してもらった方が楽でありんすね。」


 相手が幼女だからか、舐めた態度をとる二人に対して、目を光らせたセリーナからとんでもない殺気が溢れる。


「お主ら…本当にそう思っておるなら…タダでは殺さんぞ…。考えられる全ての苦痛を与えてから殺すからの…。覚悟しておれ…。」


 セリーナのその言葉が1番効いているのは何故か白目を剥いて泡を吹いているアルマであった。嫌な思い出がフラッシュバックしたのだろう。


 しかし、ヨルカ達3人もその殺気によって、全身から滝のような汗が流れ、身体の震えを止めるために歯を食いしばっている。

 そして、そんな3人の姿を見ると、セリーナは殺気を抑えてため息混じりに続きを話し始める。


「はぁ〜。お主らもそう気を張るでない。悪のヤオに連れて来られたお主らを、わしの目で見極めたいだけじゃ。とりあえずは大人しくついてきてくれんかの?」


「わ…分かったアル…。」


 ヨルカが額に汗を流しながらそう返事をすると、横に居たハルとキョウも無言で頷く。


「よし!これでお主らへの話は終わりじゃ!一応わしがお主らの持っておった悪の力は預かっておる。こればっかりはホイホイと返せんからな。

では…次じゃが。これからわしは少々忙しくなるのでな、一本橋周辺についてはネネにまかせてよいかの?」


「その事についてですが…。私とシルバとエンジュで話し合って決めた事がありまして、私達はこれでこの街から引退する事にします。」


「「えっ!?」」


 ネネの発言に、どり〜むは〜とのメンバーは揃って目を丸くして驚く。


「ガハハ!まぁあーしらはお役御免ってことさ!後は若い者達でこの街を盛り上げていってくれや!」


「うんうん。見守ってるからいつでも相談があれば頼ればいいのよ〜。」


「あなた達は私達なんかよりもずっと成長したから自信を持つのよ。引退なんて言い方してるけども、ちょっと羽根を伸ばしたいだけなのよ!

ね?ミユミユ?」


「え?あたしも…良いのか…?」


「もちろんよ!あなたが良いならね!」


「じゃああたしも一緒に行くよ…。」


「うむ!相分かった!お主らは長い時間をかけて動いてきたのじゃ!ゆっくりするとよい!」


「ちょっ…!ちょっと待ってよ!ママ!どり〜むは〜とはどうするの!?」


 どんどんとネネ達の引退話が進んでいく中、アヤネが慌てて重要な事を聞くため割って入る。


「どり〜むは〜とはね、ルルちゃん、アヤネ、レナちゃん、シルヴィアちゃん、そしてラヴィちゃんにお任せするわね!引き継いでくれるかしら?」


「いや!それは良いけどさ!誰がママのメイド長を引き継ぐの!?」


「メイド長はルルちゃん!副メイド長はアヤネに任せるわ!」


「えー!?私がメイド長なんて無理ですよ!」


「いいえ、できるわよ!ずっと私の横で副メイド長をやってきたのだから、自信を持ちなさい!」


「で…でも…。」


「大丈夫だ!ルルよ!私達がついているではないか!」


 自信無く背中を丸めているルルを、ラヴィが励ますように肩を組む。その後ろには、アヤネ達もルルのメイド長就任を笑顔で喜んでいる。


「みんな…。分かったよ!私!頑張ってみるね!」


 それぞれのこれからの歩んでいく道が決まっていく中、アルマが気怠そうに店から出ようとする。


「もうよいか?我は疲れたので先に帰るぞ。」


「アルマよ、ちょっと待つのじゃ。2日後の夜に呼び出すからの!体を空けておくのじゃぞ!」


「む…。我が何かしたか…?」


「そうではない。ラヴィとアルマには別件で話があるのじゃ。じゃから宝玉を離すでないぞ!」


「ぼ…暴力はやめるのだぞ…。」


 そう言うとアルマはちょっとビビりながら帰るのだが、その後ろからノンノが『アルマ様ー!』と言いながら一緒に店を出ていった。


「こんなものかのー。今回の事案は特殊じゃから、もし何かあれば連絡するからその時は頼むぞ!」


「「はい!!」」


 こうして長い長い一日は終わりを告げて、一旦ここで解散という事になった。

 その後、ヤオの行った人々の記憶の改ざんの把握など、セリーナはしばらく事後処理に追われる事となる。


 そして次の日の夜、ヤオの所有していたタワーマンションに住むセリーナの元へ、ある人物が訪れるのであった。その者の顔を見たセリーナは心底嫌な顔をしていたという…。

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