4 ギャルはお嬢様
「え、えぇぇえ!?周防くん、もう連れてきたの!?早すぎるよ!」
「白金志麻子です。よろしくお願いします」
みなとや食堂で食事を済ませたその足で、龍太郎たちは志麻子を事務所に連れ帰った。井村はたいそう驚いている。
「それで、えっと、白金さん。ご家族とかの了承は得られるんでしょうか?」
おどおどした様子で、井村が志麻子に聞く。
「あ、はい。大丈夫ですよー。父は好きなことしなさいって言ってるので」
龍太郎は志麻子の様子に首を傾げた。
「……お父さんは何の仕事をなさってる方なんですか?」
「ん?社長だよ?」
質問の答えに、龍太郎は唖然とした。隣で美羽も口をぽかんと開けている。
「……白金、社長、もしかして……」
背後から話に割って入ってきたのは佳奈巳だ。佳奈巳は志麻子にずいっと顔を近づけると、こう言った。
「白金さん、あなたまさか、あの白金コーポレーションの社長の……?」
「あ、そうそう!実はそうなんです!」
白金コーポレーション。日本国内でも有数の大企業である。
「……周防くん」
「……なんでしょう」
「すごい人連れてきたね」
「ほんとですよね」
井村と龍太郎は驚きで逆に冷静になっている。
「で、でも!本当に大丈夫なんでしょうか!?そのような方がヒーロー……身の危険も伴うんですよ?」
「だいじょーぶだいじょーぶ!ウチが決めたことなんだし!でも、みうみうは優しいんだね!」
「み、みうみう……?」
戸惑う美羽をよそに、志麻子はすっかり馴染んだ様子だ。
「白金社長の娘っていったら……確か大学もすごいとこ出てるはず。この人、超高学歴ギャル……?」
「そ、そう言われちゃうと照れ臭いんですけど……まぁその、勉強も運動も、楽しんでやればオッケーっていうか、そんな感じで……」
それを聞いた龍太郎は天井の隅を見つめながら、ひとり呟いた。
「金も才能もあったらそんな感じかぁ……」




