15 グダグダ戦隊
「さぁ、再び大砲の怪人が現れました!おっと、ストロングフォーが颯爽と登場しました!果たしてどんな戦いになるんでしょうか!?」
アナウンサーが指さす方向には、怪人と対峙するストロングフォーの四人の姿があった。
「火炎の勇者、レッドサラマンダー!」
「蒼海の御子、ブルーウンディーネ!」
「烈風の使者、グリンシルフィード!」
「大地の戦士、イエローノーム!」
赤、青、緑、黄のスーツを着た四人が、名乗りとともにポーズを決める。
「我ら、ストロングフォー!」
「出ました!名乗り!名乗りです!ストロングフォーの名乗りが決まりました!」
カメラが決めポーズをとるストロングフォーの姿をアップで捉える。
「いくぞ、みんな!まずはシルフィードの風で牽制だ!」
「しゃーないなぁもう」
グリンシルフィードが技を放とうと構えたそのとき、イエローノームが単身前に出た。
「いや、あんなの俺ひとりで十分だ!お前らは引っ込んでろ!」
「え、ちょ!?そこどけてよ!邪魔なんだけど!」
イエローノームはグリンシルフィードの言葉を無視し、怪人に突進していく。レッドが止めにかかるが、振り払われてしまった。
「いったいどうしたことでしょう!?何やら揉めているようですが……」
怪人がこの隙を見逃すわけもなかった。怪人は四人に向かって砲撃を放つ。
「うわーっ!」
見事に命中した砲撃により、四人は吹っ飛んだ。散り散りになり、地面に突っ伏している。
「……おい!ウンディーネ!お前なにぼーっとしてんだ!こういうの防ぐのがお前の役目だろうが!」
イエローノームが叫んだ。
「え……だって言われてなかったし……。私馬鹿だから、言われたことしかやれないし」
「ふざけんな!お前のせいでこのざまだろうが!俺の足引っ張りやがって!」
口論になる二人。
「あーもう、なんであんたらそうなるかなー……」
「シルフィード!仕方ない、今は俺たちでなんとかしよう!」
「はいはい」
立ち上がるレッドサラマンダーとグリンシルフィード。口論に余念がない青と黄色には目もくれず、二人は怪人に向かっていく。
「おっと!レッドとグリーンが怪人に立ち向かっていきます!……が、ブルーとイエローは何をしているんでしょうか?」
アナウンサーもこの光景に困惑している。
「俺がこいつを引き付ける!シルフィードは背後を取ってくれ!」
「はいはい、わかったよ!」
レッドサラマンダーは砲撃をぎりぎりのところで躱しながら、少しずつ、怪人との距離を詰めていく。グリンシルフィードはなんとか背中のジッパーに手を伸ばそうとするが、なかなか上手くいかないようだった。
ようやくこちらの様子に気づいたのか、イエローノームとブルーウンディーネが走ってくる。
「どけレッド!そいつは俺がやる!」
イエローノームは大きく息を吸い込むと、両の拳で地面を叩いた。
「喰らえ、グランドストライク!」
怪人の足元から大きな岩が突き出す。怪人と距離を詰めようとしていたレッドサラマンダーがそれに巻き込まれそうになるが、間一髪それを躱した。
「ノーム!?何のつもりだ!」
「うるせぇ!俺の邪魔するな!」
怪人の方はというと、岩の一撃を受けてひっくり返っている。
「二人とも、今!」
「……あぁ!」
グリンシルフィードの声にはっとしたレッドサラマンダーが怪人に駆け寄り、イエローノームがそれに続く。
「俺がやるっつってんだろ!」
「今はそんなこと言ってる場合か!二人でやるぞ!」
言い合いになりながらも、レッドサラマンダー、イエローノームの二人で怪人を掴み、仰向けにして取り押さえる。グリンシルフィードがそこに跨って、怪人の背中のジッパーを開け、中からスーツアクターを引っ張り出した。
その光景を、ブルーウンディーネはただ横で立って見ているだけだった。




