表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星崩しのアステリア  作者: 狐坂蒼
第一章 準備と決意

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/9

第5話 好機到来

 それから約3か月後。季節はすっかり冬になっていた。


 トイレを済まし自室に戻る途中、執務室に人の気配を感じる。それも三人だ。


 アステリアは、すぐに魔力探知で三人を確認する。



 この魔力的に父ロイド、義母ディアナそして妹のミリアナね。



 気配を消して扉に近づき、聴覚強化で会話を盗み聞く。


「お父様お願い。レオハルト殿下の婚約者を私にして」


「ねえ、あなた。私たちの可愛いミリアナが、こう言っているんだから何とかできないの?」


「私としてもアレじゃなく、ミリアナの方がいいとは思っている。だが、今回の婚約はレオハルト殿下たっての希望なのだ。殿下が心変わりしない限り難しい」


「ほんとあの母親共々邪魔ばつかり、目障りで仕方ないわ」


 顔を見なくてもわかる義母ディアナの怒りの形相。


 この状況は利用できそうね。


 アステリアは一応執務室の扉をノックする。


「誰だ?」


 許可が出るわけもないので、そのまま扉を開け中に入る。


「おい。貴様勝手に――」


「話は聞かせていただきました。そこで私に提案があります」


 アステリアの姿を見るや否や怒号を上げ、追い出そうとする父に対し、少し声を張り上げ静止させる。


「レオハルト殿下と私の婚約を白紙にさせ、ミリアナが婚約できるかもしれない案があります」


 アステリアの言葉を聞いた瞬間、三人は少し落ち着きを取り戻した。


「貴様何を考えている」


 誰もが羨む王家との婚約。それをアステリア自身が白紙する案があると言うのに、疑惑の念を向けるのはもっともだ。


「私はレオハルト殿下に恋愛感情はございません。ですので、殿下のことが好きなミリアナの方が相応しいと思っただけです」


「一応聞く。どうやって白紙にするつもりだ?」


「お父様ウドーム症はご存じですか?」


「ああ、発症例も少ない珍しい病だな」


「普通の風邪と変わらず、熱と咳が主な症状です。ですが、ウドーム症は風邪よりも長期間症状が続き、感染力も遥かに高い。そして何より女性が罹患した場合、五割の確率で生殖機能がなくなると言われています」


 今後この家を出るために、何か良いアイディアはないか?と探していた時に見つけた情報だ。この病を見つけた時は、使える場面がありそうと思い、特徴を詳しく調べていた甲斐があった。


「なるほど。ウドーム症に罹患し、子が成せなくたったと言えば婚約の件も何とかできそうだな」


「そうです。婚約が白紙になった後は、ミリアナの頑張り次第ですね」


 跡継ぎが大事な王家だからこそ、子供が産めなくなったという事実は確実に効くはずだ。


「ふむ。となるとお前はどこかに隔離しないといけなくなるな」


 感染力がある病気なので、例えフリでも隔離はしておいた方がいい。


「それならあなた、離れの小屋はどう?」


 義母ディアナは嬉々として夫のロイドに提案する。


 離れの小屋とは物置小屋のことだ。人が生活する場所じゃない。まあこれも予想していた。


「それはやめておいた方がいいです。同じ敷地なので殿下が訪問した際、私と遭遇する可能性があります」


「それもそうだな」


「確かヴィステール領に別荘がありましたよね?あそこはどうでしょうか?距離も少し離れていますし、殿下と遭遇することもないと思います」


「あそこか……。ずっと使っていないし、まあいいだろう」


 よしよし。ここまでは思惑通りだ。ヴィステール領に行けば、ここよりも自由に過ごせる。


 こうして2日後には、ヴィステール領の別荘に旅立つことになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ