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十九、乙姫①

バランスを崩した箱舟はガラガラと崩れる岩と一緒に、軌道上から海へと落ちていった。箱舟の外につかまっていたグランデレは逃げるタイミングを失い、箱舟と一緒に海に投げ出された。箱舟は体勢を崩しながらもマックス達に銃撃し続けた。


丁度その頃、森を抜けて箱舟の近くまで来たライアン達は、目の前で海に落ちる箱舟とグランデレを見た。レオが飛び出そうとするがその腕をライアンとノアが押さえる。

箱舟は周りの崖を超えるほどの水しぶきを上げながら落下した。あまりの水しぶきに箱舟はもちろん、共に落ちていったグランデレの姿も見えなくなった。その水しぶきに向かって、周囲の兵は尚も攻撃を続ける。

押さえつけられたレオが叫ぶ。


「早く王様を水の中から助けないと死んじまうぞ!」


「駄目です!今出ていけば死にますよ!」


沈んでいくグランデレを助けなければならないが、目の前では銃撃戦が繰り広げられており、迂闊に飛び出せばハチの巣にされる。

迷彩のために葉のついた枝を体に刺した三人は、岩陰で事の成り行きを見守るしかなかった。


ライアン達の先には装甲列車がいたが、うまい具合に木陰に停車して、マックス達からは見えていなかった。装甲列車のメンバーも箱舟が落下していくのを見ていた。


「王様は?」


「海に落ちました!」


それを聞いてルークがヒシを抱き上げて勢いよく外に出る。7,8メートル行けば、海が見える崖に出る。


「ヒシ、頼んだぞ!」


ルークが海に向かってヒシを投げると、ヒシは下の海に落ちていった。


ドボンという音でマックス軍の兵が、岸壁にいるルークに気が付いた。


ダダダダッ…。海をのぞき込むルークに向かって一斉に銃弾が飛んできた。慌てて茂みの向こうの装甲列車に引き返したが、その一発がルークの腕をかすめた。


「うぐ…」


激痛が走り、みるみる衣服に血がにじむ。銃で撃たれるとこんなに痛いのかという驚きがあった。装甲列車から兵士が一人走ってきて、ルークを支えながら車内に戻ってきた。

ガシャンとドアを閉めるとすぐに治療がされた。腕の部分の布を引きちぎって撃たれた場所を確認したが、幸いかすり傷で弾は腕の中に残っていない様子だった。


「大したことない。かすり傷だ」


いやいや、大怪我だよとルークは思ったが、そう言ってもらえると少しホッとする。装甲列車は大型の機銃を展開しながら前進を始めた。向こうから撃ってくる弾が車体にカンカンと当たるが、箱舟の代わりにと作られた装甲列車というだけあって、装甲は戦車並みかそれ以上である。手持ちの銃で撃たれたぐらいではびくともしない。


「このまま接近するぞ。ルーク、ヒシはどうだった?」


「うまく海に放り込みましたが、王様の所まで行けたか確認できていません。攻撃されたのであの場所に長くいることが出来ませんでした」


「撃たれたんだからしょうがねえよ」


装甲列車が前進し、茂みから海沿いに姿を現すと、マックス軍に動揺が見られた。この兵器は王国独自のもので、西の国の兵はまだ見たこともない兵器のため、どういう攻撃をしてきて、どう反撃をすればいいのか分からないのだ。ハリーがにやりと笑う。


「ビビらせてやれ」


装甲列車の屋根から展開した大型の機銃がありったけの弾を吐き出し始めた。


ダダダダッという音は猛烈で、中にいるジャックは鼓膜が破れるかと思った。向こうの手持ちの銃とは弾の大きさからして全く違う。装甲列車はあっという間にマックス軍を追い払った。しかし、別の場所にまだ兵士がいるのに気が付いた。ロバートが連れてきた兵だ。


「あれは何だ?あいつら、同じ国の人間で撃ち合ってたのか?」


その時、下の方でザーッという音がした。水の上で傾いていた箱舟が体勢を立て直したのだ。そしてそのまま巨大な砲身を回転させている。考えてみれば別に不思議な事ではない。箱舟は“舟だ”。元々水の上は得意なのだ。軌道の上より余程自由に向きを変えられる。八つの目は赤。角度をぐっと持ち上げて、下の方から装甲列車に向かって砲口を定めた。


シュンッ!


という音とともに箱舟が攻撃してきた。もはや、何が敵か分からないのだろう。本体内部に乙姫を抱え込んだ箱舟は周囲にいる武装者を見境なく攻撃し始めた。一発目が装甲列車のすぐ下の崖を撃ち、大きな穴が開いた。慌てて後退したところに二発目が飛んでくる。その弾は装甲列車のすぐ脇の草むらを撃ち抜いて、彼方へと消えていった。


「良かった、当たりませんでしたね」


そうジャックが言った直後、後方でドーンという破壊音がした。首都のある方向である。


ハリーが叫ぶ。


「城に無線を繋げ!」


無線には、応答がなかった。


そしてさらに、シュンッ!という音とともに次の弾が飛んできた。その弾はやはり装甲列車の上の木の枝の間を抜け、はるか遠くの王城のある方角で再びドーンという大きな着弾音を響かせた。


ハリーがモニター越しに箱舟を睨みつける。反撃をしたいが、あの中には乙姫がいるのだ。そしてその近辺の水中にはグランデレがいるはずだが、未だ水から上がってこない。こちらからは撃てない。


王城ではグランデレと連絡が途絶え、パニック状態となっていた。城では留守を預かるオスカーが非常事態に備えて兵を城の正門前に集結させ、装備を整えさせていた。その時、遠くからシューンという聞き覚えのある音が聞こえてきた。あれはまさか?そう思って窓の方を向いた瞬間、激しい振動とともに王城が大きく揺れた。


「何事だ!」


瓦礫があげた土煙の中、一人の兵が走ってくる。


「箱舟の攻撃です!南の塔を直撃しました!」


「なんだと!」


窓から南の塔の方を見上げると、南の塔の上の方が崩れて大きく火の手が上がっている。


「火を消せ!早く!」


オスカーがそう言った次の瞬間、再びシューンという音が聞こえてきた。まずい。二発目だ。どこだ?そう思った瞬間、再び南の塔に着弾した。二発目の衝撃は一発目よりも遥かに大きかった。オスカーは室内に立っていることが出来ず、バランスを崩して窓際にあった大型の執務用の机に体をたたきつけた。それと同時に室内の本棚が次々と倒れていく。


直撃を食らったことは間違いない。とにかく被害状況を確認しなければ。その時、先程被弾した時とは違う、ガラガラという音が大きく響いた。


「崩れるぞ!」


そういう声がしたような気がするが、後はもう叫び声しか聞こえず、何が何だか分からない。オスカーは土煙の中、外に出ようと階段を駆け下りたが、その途中で窓の外に信じられない光景を見た。南の塔が根元から崩れて、地上に落下していく。轟音とともに崩れ落ちる南の塔は、まるで巨大な滝のようであった。再び城が揺れてオスカーは階段から転げ落ちた。何とか立とうとしたが、再び転倒したところで足の上に大きなシャンデリアが落ちてきて、足に突き刺さった。シャンデリアは太ももを貫き、床に突き刺ささった。足からは大量の血が噴き出した。


「ぐぬぬ…」


痛みで声も出なかったが、城がこうなら、箱舟近辺は大変な事になっているに違いなかった。オスカーは近くにいた若い兵に声をかけた。


「兵を出させろ。急いで箱舟に行くんだ。恐らく、王様と乙姫様に命の危険が迫っている」


「了解しました!」


そう言うと兵士は走り出していく。オスカーはうつろな瞳でその後ろ姿を見送った。


命令を受けて走っていったのは、たまたま目の前にいた顔も知らぬ若い兵士だ。きちんと命令が伝わればいいのだが…。そう思いながら、オスカーはその場で気を失った。気を失ったオスカーの上には、追い打ちをかけるように天井が崩れ落ちてきて、やがて彼を覆いつくした。



崖から箱舟が転落する少し前、箱舟内では乙姫、マックス、イーサンが箱舟の扱いをめぐって対立していたが、ここは二番目のドアの内側にいる乙姫に分があった。だが、乙姫には操作方法が分からない。


「いいから早く止め方を教えなさいよ!外で撃ち合いが始まっているのよ!これを止めなきゃ終わらないの!」


「止めるんじゃない、イーサン。こいつを持って帰らなきゃ意味がないんだ!」


「マックスは黙ってなさいよ!」


「姫様!とにかくここを開けてください!」


この押し問答が延々と続いている。これではらちが明かない。箱舟の装甲も無限に持つわけではない。

マックスがイーサンにうめくように言う。


「分かったよ。ここで揉めてもしょうがない。止めたきゃ勝手に止めろ。おい、イーサン。向こうの姫様に止め方教えてやれ」


イーサンが急なマックスの方針変更に狼狽える。


「いや、でも…」


「いいからやれ。このままじゃ周りの連中を箱舟が全員殺すぞ」


「…わかりました」



暫くして二番目のドアが解錠される音がした。


「分かればいいのよ」


そう言ってドアが開くと、マックスが勢いよく二番目の部屋に踏み込んだ。


「諦めるわけないだろ!」


そう言って乙姫につかみかかり、乙姫を部屋の外に追い出そうとした瞬間、箱舟が轟音とともに大きく揺れた。とっさに乙姫はマックスと体の位置を入れ替え、マックスをドアに押し付ける。それと同時に箱舟が大きく傾いた。 不安定な水の上で主砲を発射し、バランスを崩したのだ。


乙姫はそばにあったパイプにつかまったが、マックスとイーサンは壁際にいたためにつかまる所がなく、そのまま室内を転がっていった。マックスは頭を強く打ってその場で失神し、イーサンは背中を強く打ち付け、呼吸も出来ないほどの痛みを感じていた。箱舟は横を向いた状態で一度止まった。その時乙姫は外にグランデレがいたことを思い出した。


「お父様!」


そう叫んだが、ドアのある側は水の下になっている。そこから海水がしみ込んできて、ドアの向こうは海だという事を示している。今ドアを開ければ浸水してきてこちらが助からない。


箱舟が崖から転落していく時、グランデレは最初の振動であっけなく振り落とされてしまった。グランデレは戦闘を想定した服装で重い装備をつけていた。身軽な装備ならば浮き上がることも出来るが、装備が重く、浮き上がることが出来ない。水中で必死に外そうとするが、上から降ってくる岩が水中の泥を巻き上げて濁ってしまい、よく見えない。崖からすぐの海辺だが、その場所は思いの外深かった。ブクブクと上がっていく泡の感じから水面がどんどん遠のいていくのがわかる。このままでは死ぬ。そう思った瞬間、グランデレの体が下から強い力で押されるのを感じた。

ヒシであった。ヒシはウミガメとして決して大きいほうではないが、若く力も強かった。あっという間にグランデレを水面まで押し上げると、グランデレは大きく息を吸い込んだ。


「ぷはーっ、助かったか…」


グランデレが呼吸を整えている横で箱舟が大きく動いた。ゆっくりと回転して体勢を立て直し、砲塔が上になった。ドアが開けられるようになって、直ぐにドアが開いて、中から乙姫が飛び出してくる。


「お父様!大丈夫?」


今しがた浮き上がったばかりのグランデレは声を出せず、片手をあげて応えるのがやっとだった。先程の箱舟の回転で水面が大きく波立っている。グランデレは頭から水を浴び、海水を飲み込んでむせる。乙姫が手を伸ばして、グランデレを海から引きあげようとする。体の大きいグランデレを乙姫一人で引き上げるのは無理だ。


「ちょっと!手伝って!」


中からイーサンが出てくる。イーサンがしゃがみこんでグランデレに手を伸ばす。


その姿を遠くから銃で狙っている兵士がいた。まさに引き金を引こうとした瞬間、兵士に一羽の鳥が襲い掛かった。竜宮城から来たミゲルだった。


「乙姫様!早く!」


そう言いながらミゲルは兵士たちの目の前を飛行する。狙撃を邪魔された兵がミゲルを狙って撃つが飛び回る速度が速すぎて当らない。乙姫はミゲルが他の兵の気を引いてくれているのを知ると安堵したが、遠くに全く予想していなかった光景が目に入った。


「乙姫様!今行きます!」


そう叫びながら岩場から海に飛び込んでくる一人の男がいた。ノア王子であった。乙姫があっけに取られている間にもうノアはドボンと海に飛び込んでこちらに泳いでくる。

今箱舟は戦闘の中心にいて、多くの銃に囲まれている状態だ。


「なんでこっちに来るのよ!」


悪いが今はノアに構っていられない。ミゲル、後は頼んだと目で合図しながら、急いでグランデレを引き上げた。イーサンもそんなに力の強い男ではない。やっとの思いで引き上げ、三人はそのままなだれ込むようにして箱舟の中に入ってドアを閉めた。

グランデレが箱舟の中に入ったことを確認するとヒシも撃たれないように海の中に潜って避難した。一旦ドアが閉められてしまえば安全だ。閉まったドアの前で、三人は床に座り込んでふーと息を吐いた。通路ではマックスがまだ気絶して倒れている。


「いつからこうなんだ?」


「箱舟が落ちたとき。別に死んでいないわよ」


「死んでいないってお前…」


死んでないから気にするなという乙姫に、若い女子とはかけ離れた感性を感じて、グランデレが顔をしかめる。


「とりあえず」


グランデレはそう言うと、乙姫を見た。


「中に入るぞ。今この部屋の中はどうなっているんだ?」


グランデレが二番目のドアを指さす。


「誰もいないわよ。それに、結局何も操作していないわ」


「そうなのか」


確認するようにグランデレがイーサンを見ると、イーサンが黙って頷く。

その時、ドアをがんがんと叩く音がする。


「入れてやれ」


そうグランデレが言うとイーサンがこくりと頷いてドアを開けた。


ドアを開けるとずぶ濡れのノアが転がり込んできた。グランデレが手を貸して引き入れる。


「いっ…」


ノアがそう言って顔をしかめる。右手の袖口から血が流れている。撃たれたのだ。


「無茶するからよ!馬鹿ね!」


そうしかりつけたが嬉しかった。ノアは自分の命の事など顧みずに乙姫を心配してここまで来てくれたのだ。


「そう言ってやるな、優しい青年じゃないか」


グランデレがそう言うと、乙姫に手を差し伸べる。


「鍵を」


そう言われて、乙姫は黙って鍵を差し出した。もはや抵抗しても仕方がない。乙姫が鍵を渡すと、グランデレがドアを開けた。室内は確かに彼が先日見たままだった。


「イーサン、ドアを開けたまま押さえていてくれないか?君は入れないぞ」


「いえ、大丈夫です」


そう言うとイーサンは入ってきて壁のパネルを外す。彼が入った途端警告音が鳴るが、イーサンは気に留めない。パネルを外すと中からおびただしい数のスイッチが現れた。


「王族以外の人間が入れるよう、防犯システムを解除します」


そう言っていくつかのスイッチを押すと、やがて音がやんだ。


「さて、どうしますか?」


そうイーサンが聞くとグランデレはイーサンに向かって言った。


「ソフィアを起こしてくれ」


「了解しました」


そう言うとパネルに向かって操作を始める。

乙姫は訳が分からず、事の成り行きを見守っている。


(ソフィアを起こすって…、お母様の事?一体何の話をしているのよ?)


そう思いながら様子を見ていると、やがて目の前の丸みを帯びた金属の塊に、懐かしい母の顔が現れた。


「お母様!」


乙姫は驚いて声も出なかった。いつの間にか室内に入っていたノアは腰が抜けて床に這いつくばっている。


「ソフィア、大丈夫か?ほら、乙姫も来てくれたよ」


グランデレが優しく語り掛けると、ソフィアもグランデレに微笑んだ。


「あなた、久しぶりね。乙姫もやっと来てくれて嬉しいわ。あなた達は元気なの?あら、ノアじゃないの。あなた怪我をしたの?」


「は…はい…ちょっとだけ撃たれました」


撃たれるにちょっとも何もないが、そんな返事をするのがやっとだ。ノアは撃たれた痛みに耐えるのがやっとで、そこにソフィア王妃がいる不自然さを何とも思わずに会話をしている。


「ひどい事をする人たちね。待ってなさい。みんな排除するから」


「待って!」


乙姫がとっさに叫ぶ。


「排除って何?殺すの?」


「殺すことが目的ではないわ。ここから遠ざけるために攻撃するの。でも、場合によっては死ぬでしょうね」


「そんな…やめてよ!」


「あなた達を守るためよ」


ソフィアがそう言うと、上の方で砲身が動く音がして、弾を発射する音がした。ヒュンッという音と、すぐそばでドーンという大きな着弾音がして、岩か何かが崩れるような大きな音が聞こえる。箱舟が周囲を攻撃しているのだ。


「お母様、お願い、やめて!お父様も止めてよ!」


乙姫が叫ぶ。グランデレはじっとソフィアを見ていたが、やがて言った。


「ソフィア、何故人を殺す?」


「この子を守るためよ」


「追い払えばいいではないか。殺すことはあるまい」


「痛い目を見なければ、また何度でも彼らはやって来ます」


「ならば何度でも追い払えばよい」


「その何度目かで大切な乙姫が殺されでもしたらどうなさるのですか?」


グランデレは暫く黙っていたが、やがて言った。


「何もしない。ただ、悲しむだけだ」


「そんな…」


「ソフィア、お前はなぜ人工知能を選んだ?完全なものではないと言われたのではないのか?自分の判断が常に正しいとは限らないのだぞ」


「永遠に乙姫を守るためです。何度も申し上げているではありませんか。それに今は意識もはっきりしています。私は壊れてなどいません」


グランデレがふうと一つため息をつく。


「ソフィア、乙姫の顔を見てみろ」


映像化されたソフィアの顔が乙姫の方を向く。悲しみや苦悩に満ちた乙姫の顔をじっと見る。


「お前は乙姫を守っていない」


ソフィアの顔が歪む。


「そんなことはありません!この子には私が必要なんです!」


箱舟が大きく揺れて、何かに乗り上げる衝撃が室内に伝わる。


「ソフィア、もうやめよう」


「嫌です!」


グランデレがイーサンを見る。


「ソフィアを、彼女の人工知能を止めてくれるか…?このままでは、多くの犠牲が出る」


「え…ですが…、よろしいのですか?」


「お前も見ただろ…」


「一度消してしまうと、もう戻せません。あの、奥様とのお別れはよろしいのですか?」


「…私の気が変わる前に始めてくれ…」


「そうですね…分かりました…」


そう言ってイーサンがパネルに手をかけたところで、後ろからノアが声をかけた。


「あの、すみません、ソフィア様を消してしまう前に、少し私と乙姫様とソフィア様の3人で話をしていいですか?」


グランデレ達がノアを見る。後ろでただポロポロと泣いていた乙姫が顔を上げる。

その時、再び箱舟が大きな衝撃で揺れた。

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